うちは一族、運命の日

夜の木ノ葉。

月が静かに里を照らしている。

その光の下で、俺は屋根の上に立っていた。

うちはオビト。

風が髪を揺らす。

遠くに見えるのは――

うちは居住区。

(……来る)

胸の奥が重くなる。

前世で知っている。

この夜。

うちは一族は滅びる。

実行者は――

うちはイタチ。

そして裏で糸を引く男。

志村ダンゾウ。

俺は拳を握った。

「……させるか」

三回目の人生。

この未来だけは。

絶対に変える。



同じ頃。

うちは本家。

族長の部屋。

座っている男。

うちはフガク。

その前に立つのは。

息子。

うちはイタチ。

部屋は静かだった。

フガクは言った。

「決断はしたか」

イタチは目を伏せている。

沈黙。

そして。

「……はい」

声は小さい。

フガクは目を閉じた。

「そうか」

少しだけ笑う。

「お前は優しい子だ」

イタチの拳が震えた。



その時。

屋根の上。

俺は印を結んでいた。

「影分身」

ポンッ

煙。

分身が三体。

「お前ら」

俺は言う。

「住民避難」

分身が頷く。

「了解」

消える。

俺は一人で空を見る。

「さて」

目を細める。

「本体は――」

ダンゾウ。

そして。

イタチ。



うちは地区。

静まり返っている。

その道を歩く少年。

イタチ。

その背後に。

影が降りた。

「よ」

イタチが振り向く。

目が見開かれる。

「……オビト?」

俺は屋根から降りた。

「遅くまで散歩か?」

イタチは沈黙した。

そして言った。

「……ここに来てはいけない」

「知ってる」

俺は言った。

静かに。

「今日だろ」

イタチの目が揺れた。

「……何を」

「一族抹殺」

沈黙。

風が吹く。

イタチは呟いた。

「……なぜ知っている」

俺は肩をすくめた。

「未来を知ってるから」

イタチの写輪眼が開く。

赤い瞳。

「冗談を言う状況ではない」

俺は笑った。

「冗談じゃない」

そして言う。

「止めに来た」

静寂。

イタチは言った。

「……無理だ」

「なぜ」

「これは木ノ葉の決定だ」

つまり。

ダンゾウ。

根。

そして。

里の闇。

イタチの声は震えていた。

「このままでは内戦になる」

「だから一族を――」

「違う」

俺は言った。

強く。

「他に方法ある」

イタチが黙る。

俺は空を見た。

「三代目火影は知ってる」

猿飛ヒルゼン。

「フガクも」

イタチの目が揺れる。

「……どうする」

俺は笑った。

「簡単」

指を立てる。

「ダンゾウ止める」

沈黙。

イタチは言った。

「……一人で?」

俺は笑った。

「いや」

写輪眼が回る。

万華鏡。

そして。

黒いチャクラ。

「俺は三回目の人生だ」

イタチが固まる。

「意味が分からない」

「そのうち分かる」

俺は歩き出した。

「ついてこい」

イタチが言う。

「どこへ」

俺は振り向く。

そして言った。

「闇の根」

つまり。

志村ダンゾウ。

今夜。

運命が変わる。



同じ頃。

火影執務室。

窓の外を見ている老人。

猿飛ヒルゼン。

煙管の煙がゆっくり上がる。

「……今夜か」

その背後。

銀髪の忍。

はたけカカシ。

カカシが言う。

「止めますか」

ヒルゼンは目を閉じる。

「……間に合うかの」



夜の木ノ葉。

屋根の上を走る二人の影。

オビト。

イタチ。

未来を変えるために。

うちは一族。

運命の日。

その結末は――

まだ誰も知らない。


〆栞
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