鈴取り合戦
朝。第三演習場。
湿った土の匂いと、まだ柔らかい日差し。
第七班の四人は並んでいた。
**うずまきナルト**が腕を組みながら空腹を訴える。
「腹減ったってばよ……」
**春野サクラ**が呆れ顔だ。
「先生の言う通り朝ご飯抜いたからでしょ」
ナルトが叫ぶ。
「忍者の修行なのに飯抜きってどういう理屈だってばよ!」
木の枝の上で声が落ちた。
「理屈はあとで説明するよ」
枝から軽く降りてくる銀髪の忍。
はたけカカシ。
「今日はサバイバル演習だ」
カカシはポケットから小さな鈴を二つ取り出した。
チリン、と軽い音が鳴る。
ナルトの目が輝いた。
「それ取ればいいのか!?」
カカシは頷く。
「正解」
「ただし鈴は二つ」
視線が四人をなぞる。
「取れなかった奴は――」
カカシは木の柱を指した。
「昼飯抜きで、あそこに縛る」
ナルトが叫ぶ。
「鬼か!!」
サクラが青ざめる。
サスケは無言。
俺は鈴を見ていた。
(二つ)
(四人)
(そして昼飯抜き)
なるほどな。
⸻
カカシが手を上げる。
「開始は――」
「今」
その瞬間。
四人は同時に散った。
森が静まり返る。
カカシはポケットに手を突っ込んだまま呟いた。
「さて」
「誰から来るかな」
⸻
「うおおおお!!」
最初に飛び出してきたのはやっぱり
ナルト。
クナイを構えて一直線。
カカシがため息をつく。
「真正面か」
ナルトが殴りかかる。
カカシは軽く体をずらす。
ナルトの拳が空を切る。
足払い。
ドン。
ナルトが地面に転がった。
「ぐえ!」
カカシが本を取り出す。
「忍者はな」
ページをめくる。
「もう少し考えて動くものだ」
ナルトが飛び起きる。
「くそおおお!」
突撃。
そして。
また転ぶ。
森のあちこちから小さな笑い声が聞こえた。
⸻
木の上。
サスケは静かに様子を見ていた。
(動きが読めない)
(隙がない)
写輪眼はまだ開いていない。
だが観察だけでも分かる。
(強い)
サスケは印を結んだ。
「火遁――」
その瞬間。
後ろに気配。
「残念」
カカシが立っていた。
サスケが目を見開く。
(速い)
カカシの指が額を軽く突く。
「観察はいい」
「でも」
「見られてることも考えよう」
⸻
森の奥。
サクラは既に幻術に落ちていた。
自分がサスケを守れなかった幻。
涙を流している。
カカシがため息をついた。
「一人脱落」
⸻
残るは二人。
ナルト。
そして
オビト。
カカシは周囲を見回す。
「出てこないね」
森は静かだった。
風だけが葉を揺らす。
カカシが歩き出す。
その時。
背後の木の枝がわずかに揺れた。
カカシが振り向く。
何もない。
(気配……?)
次の瞬間。
地面。
カカシの足元。
「土遁」
地面が割れる。
手が伸びる。
カカシの足首を掴む。
「ほう」
カカシの体が沈む。
だがすぐに弾けた。
影分身。
「悪くない」
カカシの声が頭上から落ちた。
オビトが木の枝から飛び退く。
カカシの蹴りが空を切る。
二人が着地。
初めて真正面で向き合う。
カカシが目を細めた。
(動きが綺麗すぎる)
子供の動きじゃない。
無駄がない。
「面白いね」
オビトが肩をすくめる。
「褒め言葉として受け取っとく」
二人の距離が縮む。
体術。
拳。
蹴り。
土が跳ねる。
ナルトが遠くから叫ぶ。
「すげー!!」
カカシが内心で呟く。
(何だこいつ)
攻撃が読みにくい。
流れるような動き。
まるで
戦場を何度もくぐった忍。
カカシの手が鈴を守る。
オビトの拳が止まる。
距離が開く。
オビトは軽く息を吐いた。
(取れなくはない)
(でも)
俺は空を見た。
ナルトが木陰でこちらを見ている。
腹を押さえていた。
(チームワーク)
(まあ、そうだろうな)
カカシはわざと条件を作っている。
だが答えは言わない。
忍は命令待ちじゃない。
答えは自分で探す。
俺は小さく笑った。
(誘うだけはしてみるか)
俺はナルトの方を見て言った。
「ナルト」
ナルトが目を丸くする。
「なんだってばよ?」
俺は親指でカカシを指した。
「一人じゃ無理だ」
「組むか?」
ナルトの顔が輝いた。
「マジか!」
カカシが目を細める。
森の空気が変わった。
第七班の試験。
その本当の意味が
少しずつ形になり始めていた。
湿った土の匂いと、まだ柔らかい日差し。
第七班の四人は並んでいた。
**うずまきナルト**が腕を組みながら空腹を訴える。
「腹減ったってばよ……」
**春野サクラ**が呆れ顔だ。
「先生の言う通り朝ご飯抜いたからでしょ」
ナルトが叫ぶ。
「忍者の修行なのに飯抜きってどういう理屈だってばよ!」
木の枝の上で声が落ちた。
「理屈はあとで説明するよ」
枝から軽く降りてくる銀髪の忍。
はたけカカシ。
「今日はサバイバル演習だ」
カカシはポケットから小さな鈴を二つ取り出した。
チリン、と軽い音が鳴る。
ナルトの目が輝いた。
「それ取ればいいのか!?」
カカシは頷く。
「正解」
「ただし鈴は二つ」
視線が四人をなぞる。
「取れなかった奴は――」
カカシは木の柱を指した。
「昼飯抜きで、あそこに縛る」
ナルトが叫ぶ。
「鬼か!!」
サクラが青ざめる。
サスケは無言。
俺は鈴を見ていた。
(二つ)
(四人)
(そして昼飯抜き)
なるほどな。
⸻
カカシが手を上げる。
「開始は――」
「今」
その瞬間。
四人は同時に散った。
森が静まり返る。
カカシはポケットに手を突っ込んだまま呟いた。
「さて」
「誰から来るかな」
⸻
「うおおおお!!」
最初に飛び出してきたのはやっぱり
ナルト。
クナイを構えて一直線。
カカシがため息をつく。
「真正面か」
ナルトが殴りかかる。
カカシは軽く体をずらす。
ナルトの拳が空を切る。
足払い。
ドン。
ナルトが地面に転がった。
「ぐえ!」
カカシが本を取り出す。
「忍者はな」
ページをめくる。
「もう少し考えて動くものだ」
ナルトが飛び起きる。
「くそおおお!」
突撃。
そして。
また転ぶ。
森のあちこちから小さな笑い声が聞こえた。
⸻
木の上。
サスケは静かに様子を見ていた。
(動きが読めない)
(隙がない)
写輪眼はまだ開いていない。
だが観察だけでも分かる。
(強い)
サスケは印を結んだ。
「火遁――」
その瞬間。
後ろに気配。
「残念」
カカシが立っていた。
サスケが目を見開く。
(速い)
カカシの指が額を軽く突く。
「観察はいい」
「でも」
「見られてることも考えよう」
⸻
森の奥。
サクラは既に幻術に落ちていた。
自分がサスケを守れなかった幻。
涙を流している。
カカシがため息をついた。
「一人脱落」
⸻
残るは二人。
ナルト。
そして
オビト。
カカシは周囲を見回す。
「出てこないね」
森は静かだった。
風だけが葉を揺らす。
カカシが歩き出す。
その時。
背後の木の枝がわずかに揺れた。
カカシが振り向く。
何もない。
(気配……?)
次の瞬間。
地面。
カカシの足元。
「土遁」
地面が割れる。
手が伸びる。
カカシの足首を掴む。
「ほう」
カカシの体が沈む。
だがすぐに弾けた。
影分身。
「悪くない」
カカシの声が頭上から落ちた。
オビトが木の枝から飛び退く。
カカシの蹴りが空を切る。
二人が着地。
初めて真正面で向き合う。
カカシが目を細めた。
(動きが綺麗すぎる)
子供の動きじゃない。
無駄がない。
「面白いね」
オビトが肩をすくめる。
「褒め言葉として受け取っとく」
二人の距離が縮む。
体術。
拳。
蹴り。
土が跳ねる。
ナルトが遠くから叫ぶ。
「すげー!!」
カカシが内心で呟く。
(何だこいつ)
攻撃が読みにくい。
流れるような動き。
まるで
戦場を何度もくぐった忍。
カカシの手が鈴を守る。
オビトの拳が止まる。
距離が開く。
オビトは軽く息を吐いた。
(取れなくはない)
(でも)
俺は空を見た。
ナルトが木陰でこちらを見ている。
腹を押さえていた。
(チームワーク)
(まあ、そうだろうな)
カカシはわざと条件を作っている。
だが答えは言わない。
忍は命令待ちじゃない。
答えは自分で探す。
俺は小さく笑った。
(誘うだけはしてみるか)
俺はナルトの方を見て言った。
「ナルト」
ナルトが目を丸くする。
「なんだってばよ?」
俺は親指でカカシを指した。
「一人じゃ無理だ」
「組むか?」
ナルトの顔が輝いた。
「マジか!」
カカシが目を細める。
森の空気が変わった。
第七班の試験。
その本当の意味が
少しずつ形になり始めていた。
【〆栞】