合格
第三演習場。
木々の隙間から昼の光が差し込んでいた。
四人の下忍が並んで立つ。
うずまきナルト
春野サクラ
うちはサスケ
そして
うちはオビト。
向かい合うのは担当上忍。
はたけカカシ。
鈴はまだ二つ。
カカシの腰で鳴っている。
チリン。
カカシが静かに言った。
「時間切れ」
四人が息を整える。
ナルトが膝に手をついた。
「くそ……」
サスケは悔しそうに空を睨む。
サクラは肩で息をしている。
オビトだけが静かだった。
カカシが二つの弁当箱を取り出す。
「昼飯だ」
ナルトの目が輝く。
「やっと!」
だが。
カカシは言った。
「ただし」
弁当をサスケとサクラの前に置く。
ナルトの前には――ない。
ナルトが固まった。
「え」
カカシが指をさす。
木の柱。
「ナルトは試験失格」
「縛る」
ナルトが叫ぶ。
「なんでだってばよ!!」
カカシは淡々と言った。
「一番最初に突っ込んだ」
「忍者として失格」
ナルトは柱に縛られた。
サクラが不安そうに見る。
サスケは黙って弁当を見ていた。
カカシは本を取り出す。
「三人は食べていい」
「ただし」
ページをめくる。
「ナルトに食べ物をやったら全員失格」
森に沈黙が落ちた。
ナルトの腹が鳴る。
ぐぅぅ。
ナルトが呟く。
「……腹減った」
カカシは背を向けたまま言う。
「じゃあな」
「俺は少し離れる」
そう言って森の奥へ消えた。
⸻
残された三人。
サクラが弁当を見ている。
ナルトが言った。
「いいってばよ」
「オレは失格なんだから」
ナルトは笑おうとする。
でも腹は鳴る。
サスケが弁当を持ち上げた。
サクラが小さく言う。
「でも……」
その時。
オビトが座り込んだ。
弁当の蓋を開ける。
ナルトが目をそらす。
オビトは箸を持った。
そして。
弁当をナルトの前に差し出した。
「食え」
ナルトが目を丸くする。
「でも!」
オビトは肩をすくめた。
「腹減ってる奴がいるのに食う飯は美味くない」
サスケが無言で立ち上がる。
弁当を持ってくる。
ナルトの前に置く。
「俺も同意だ」
サクラも弁当を差し出した。
「四人で食べる方がいいじゃない」
ナルトの目が潤む。
「みんな……」
その瞬間。
ドン!!
木の幹にクナイが刺さった。
ナルトの顔の横。
四人が凍る。
森の奥から声。
「お前ら!!」
カカシが現れた。
怒っている。
額に青筋。
「ルールを破るなって言っただろ!!」
サクラが震える。
ナルトが慌てる。
「違うってばよ!」
カカシが怒鳴る。
「忍者はルールを守るものだ!」
沈黙。
その時。
オビトが立ち上がった。
静かな声。
「……違うな」
カカシの視線が向く。
オビトはまっすぐ見返した。
「仲間を見捨てる奴の方が」
「忍者失格だ」
風が止まった。
カカシの目が見開く。
胸の奥に強い衝撃。
その言葉。
昔。
誰かが言った。
どうして。
この子供が知っている。
カカシはしばらく黙っていた。
そして。
突然。
笑った。
「……正解」
四人が固まる。
ナルトが言う。
「え?」
カカシは頭をかいた。
「この試験の目的は」
四人を見る。
「チームワーク」
「鈴は二つ」
「弁当は三つ」
「つまり」
「仲間を捨てる奴が必ず出る」
カカシが微笑む。
「忍者の世界では」
「ルール違反はクズだ」
少し間を置く。
そして続ける。
「でも」
「仲間を大切にしない奴は」
「それ以下だ」
カカシが指を立てた。
「第七班」
「合格」
ナルトが叫ぶ。
「やったあああ!!」
サクラが笑う。
サスケが小さく息を吐く。
オビトは空を見上げた。
(始まったな)
カカシは四人を見る。
だが視線は少しだけ
オビトで止まる。
(オビト……)
その名前。
そして。
さっきの言葉。
胸の奥に
小さな違和感が残っていた。
第七班。
四人の忍の物語が
今
本当に始まった。
木々の隙間から昼の光が差し込んでいた。
四人の下忍が並んで立つ。
うずまきナルト
春野サクラ
うちはサスケ
そして
うちはオビト。
向かい合うのは担当上忍。
はたけカカシ。
鈴はまだ二つ。
カカシの腰で鳴っている。
チリン。
カカシが静かに言った。
「時間切れ」
四人が息を整える。
ナルトが膝に手をついた。
「くそ……」
サスケは悔しそうに空を睨む。
サクラは肩で息をしている。
オビトだけが静かだった。
カカシが二つの弁当箱を取り出す。
「昼飯だ」
ナルトの目が輝く。
「やっと!」
だが。
カカシは言った。
「ただし」
弁当をサスケとサクラの前に置く。
ナルトの前には――ない。
ナルトが固まった。
「え」
カカシが指をさす。
木の柱。
「ナルトは試験失格」
「縛る」
ナルトが叫ぶ。
「なんでだってばよ!!」
カカシは淡々と言った。
「一番最初に突っ込んだ」
「忍者として失格」
ナルトは柱に縛られた。
サクラが不安そうに見る。
サスケは黙って弁当を見ていた。
カカシは本を取り出す。
「三人は食べていい」
「ただし」
ページをめくる。
「ナルトに食べ物をやったら全員失格」
森に沈黙が落ちた。
ナルトの腹が鳴る。
ぐぅぅ。
ナルトが呟く。
「……腹減った」
カカシは背を向けたまま言う。
「じゃあな」
「俺は少し離れる」
そう言って森の奥へ消えた。
⸻
残された三人。
サクラが弁当を見ている。
ナルトが言った。
「いいってばよ」
「オレは失格なんだから」
ナルトは笑おうとする。
でも腹は鳴る。
サスケが弁当を持ち上げた。
サクラが小さく言う。
「でも……」
その時。
オビトが座り込んだ。
弁当の蓋を開ける。
ナルトが目をそらす。
オビトは箸を持った。
そして。
弁当をナルトの前に差し出した。
「食え」
ナルトが目を丸くする。
「でも!」
オビトは肩をすくめた。
「腹減ってる奴がいるのに食う飯は美味くない」
サスケが無言で立ち上がる。
弁当を持ってくる。
ナルトの前に置く。
「俺も同意だ」
サクラも弁当を差し出した。
「四人で食べる方がいいじゃない」
ナルトの目が潤む。
「みんな……」
その瞬間。
ドン!!
木の幹にクナイが刺さった。
ナルトの顔の横。
四人が凍る。
森の奥から声。
「お前ら!!」
カカシが現れた。
怒っている。
額に青筋。
「ルールを破るなって言っただろ!!」
サクラが震える。
ナルトが慌てる。
「違うってばよ!」
カカシが怒鳴る。
「忍者はルールを守るものだ!」
沈黙。
その時。
オビトが立ち上がった。
静かな声。
「……違うな」
カカシの視線が向く。
オビトはまっすぐ見返した。
「仲間を見捨てる奴の方が」
「忍者失格だ」
風が止まった。
カカシの目が見開く。
胸の奥に強い衝撃。
その言葉。
昔。
誰かが言った。
どうして。
この子供が知っている。
カカシはしばらく黙っていた。
そして。
突然。
笑った。
「……正解」
四人が固まる。
ナルトが言う。
「え?」
カカシは頭をかいた。
「この試験の目的は」
四人を見る。
「チームワーク」
「鈴は二つ」
「弁当は三つ」
「つまり」
「仲間を捨てる奴が必ず出る」
カカシが微笑む。
「忍者の世界では」
「ルール違反はクズだ」
少し間を置く。
そして続ける。
「でも」
「仲間を大切にしない奴は」
「それ以下だ」
カカシが指を立てた。
「第七班」
「合格」
ナルトが叫ぶ。
「やったあああ!!」
サクラが笑う。
サスケが小さく息を吐く。
オビトは空を見上げた。
(始まったな)
カカシは四人を見る。
だが視線は少しだけ
オビトで止まる。
(オビト……)
その名前。
そして。
さっきの言葉。
胸の奥に
小さな違和感が残っていた。
第七班。
四人の忍の物語が
今
本当に始まった。
【〆栞】