波の国

木ノ葉の任務受付所。

朝から忍たちが行き交っている。

その中央。

机の前に並ぶ四人。

うずまきナルト
春野サクラ
うちはサスケ
そして
うちはオビト。

第七班。

担当上忍はもちろん

はたけカカシ。

机の向こうにいるのは任務管理を担当する忍。

**神月イズモ**と
鋼コテツ。

ナルトが机に身を乗り出す。

「もっとすごい任務くれってばよ!」

イズモが眉を上げた。

「下忍はまずDランクだ」

コテツが紙をめくる。

「畑の草むしり」

「迷い猫探し」

ナルトが叫んだ。

「忍者の仕事じゃないってばよ!!」

後ろでカカシが本を読みながら言う。

「忍者の仕事だよ」

ナルトが振り向く。

「カカシ先生!」

その時。

部屋の奥の扉が開いた。

煙管の煙。

ゆっくり歩いてくる老人。

三代目火影。

猿飛ヒルゼン。

「ほっほっ」

ナルトを見る。

「騒がしいのう」

ナルトが叫ぶ。

「火影じーちゃん!」

ヒルゼンが笑う。

「そこまで言うなら」

「Cランク任務を一つ任せよう」

カカシが少し目を細める。

「護衛任務ですか」

ヒルゼンが頷いた。

「うむ」

「こちらじゃ」

奥から現れたのは

少し酔ったような男。

橋職人。

タズナ。

タズナは第七班を見回した。

そして言った。

「……子供ばかりじゃねぇか」

ナルトが怒る。

「ガキじゃねーってばよ!」

タズナは鼻を鳴らす。

「まぁいい」

「ワシを波の国まで護衛してもらう」

こうして。

第七班の最初の本格任務が決まった。



木ノ葉の門。

第七班は出発していた。

ナルトははしゃいでいる。

「初めての国の外だってばよ!」

サクラが呆れる。

「遠足じゃないのよ」

サスケは静かに歩いている。

オビトは周囲を見ていた。

森。

風。

静かな道。

(平和だな)

だが。

ふと。

オビトの目が細くなる。

道の端。

水たまり。

晴れているのに。

「……」

オビトは気付いていた。

だが何も言わない。

そのまま通り過ぎる。

次の瞬間。

水たまりが弾けた。

二人の忍が飛び出す。

霧隠れの鬼兄弟。

鎖付きの鉤爪。

一瞬でカカシを拘束。

「やった!」

鎖が締まる。

そして。

カカシの体が砕けた。

血。

肉片。

ナルトが固まる。

「カカシ先生!!」

鬼兄弟が笑う。

「次はガキだ」

鎖が振られる。

ナルトの体が動かない。

恐怖。

足がすくむ。

その瞬間。

風が鳴った。

ザン。

鬼兄弟の鎖が切れる。

オビトがクナイを構えていた。

「よそ見すんな」

サスケが動く。

蹴り。

クナイ。

鬼兄弟が地面に叩きつけられる。

一瞬。

戦いは終わった。

ナルトが震えている。

サクラが息を呑む。

オビトは鬼兄弟を見下ろした。

「ただの山賊じゃないな」

その時。

木の上から声。

「よく気付いた」

カカシが降りてきた。

ナルトが叫ぶ。

「生きてた!」

カカシが笑う。

「影分身だよ」

カカシは鬼兄弟を縛りながら言った。

「これはCランクじゃない」

タズナを見る。

「どういうことですか」

タズナが黙る。

重い沈黙。

やがて言った。

「……すまねぇ」

「本当は」

「暗殺者に狙われてる」

ナルトが叫ぶ。

「ええ!?」

カカシはため息をついた。

「Bランク以上だ」

そして第七班を見る。

「ここで任務をやめてもいい」

ナルトが拳を握る。

「やるってばよ!」

サクラも頷く。

サスケが言う。

「問題ない」

オビトは静かに空を見た。

(波の国)

この先にいるのは。

霧の忍。

そして。

伝説の暗殺者。

桃地再不斬。

オビトの目が静かに細くなった。

(さて)

(どうなるかな)

波の国。

霧と血の物語が



動き始めた。


〆栞
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