301教室
三日後――
木ノ葉隠れの里、忍者アカデミー。
廊下には多くの下忍が集まっていた。
各里の額当て。
張り詰めた空気。
互いを値踏みする視線。
中忍試験。
それを受ける忍たちだ。
階段を上がってくる四人の姿があった。
うずまきナルト
うちはサスケ
春野サクラ
そして
うちはオビト。
ナルトが周囲を見回した。
「うおー……!」
「人めっちゃいるってばよ!」
サクラが眉を寄せる。
「当たり前でしょ……」
サスケは黙って周囲を見渡していた。
(強そうなのが多い)
その視線の先。
301と書かれた教室の前。
二人の忍が立っていた。
「ここは試験会場じゃない」
「帰れ」
ナルトが首をかしげる。
「え?」
サクラも戸惑う。
だがその時。
オビトが静かに言った。
「幻術だな」
サクラが振り向く。
「え?」
オビトは札を見る。
301。
だが、廊下の作り。
天井の高さ。
窓の位置。
(ここは二階)
サスケも気付いた。
「試験会場は三階だ」
門番の忍が目を細めた。
その時。
「まあまあ」
穏やかな声。
前に出てきた少年。
太い眉。
丸い目。
ロック・リー。
リーは深々と頭を下げた。
「すみません」
「これは試験前の実力確認のようなものです」
サクラが目を丸くする。
リーはサクラを見た。
そして真剣な顔で言った。
「あなたは綺麗な方だ」
サクラの顔が赤くなる。
「え!?」
リーは拳を握る。
「僕と付き合ってください!」
ナルトが吹き出す。
「ぶっ!!」
サクラは即答した。
「無理です」
リーは固まった。
サスケは無表情のままだ。
リーの視線がサスケへ向く。
「あなた」
「うちはサスケですね」
サスケが一歩前に出る。
「だったら何だ」
リーは構えた。
「勝負しましょう」
ナルトが驚く。
「いきなり!?」
サスケは静かに構えた。
「いいだろう」
緊張が走る。
その少し後ろ。
オビトは腕を組んでいた。
(ロック・リーか)
太い眉。
丸い目。
そして独特の体術の構え。
見間違えるはずもない。
(ガイの弟子)
忍術も幻術も使えない。
体術のみ。
だが――
(努力の天才)
その実力は知っている。
リーが動いた。
消える。
次の瞬間。
ドンッ!!
サスケが吹き飛んだ。
ナルトが叫ぶ。
「速っ!?」
オビトは小さく頷いた。
(相変わらず速いな)
リーの連撃。
拳。
蹴り。
サスケは写輪眼を開いた。
赤い瞳。
だが――
(見えても追いつかない)
ドンッ!!
サスケが壁へ叩きつけられる。
ナルトが叫ぶ。
「サスケ!」
その時だった。
「そこまでだ」
声が響く。
緑の全身タイツ。
西瓜頭。
マイト・ガイ。
リーが姿勢を正す。
「ガイ先生!」
オビトの視線が向く。
(……ガイ)
カカシの永遠のライバル。
そして――
(相変わらず暑苦しい)
口元がわずかに緩んだ。
ガイはリーの肩を叩く。
「青春だ!」
ナルトがぽかんとする。
「なんだあいつ……」
ガイとリーは去っていった。
その時だった。
別の気配が近づく。
砂の額当て。
三人の忍。
先頭に立つ赤髪の少年。
我愛羅。
その隣に
カンクロウ。
そして
テマリ。
ナルトが言う。
「砂の忍か」
カンクロウが鼻で笑う。
「木ノ葉か」
だがその時。
オビトの視線がわずかに細くなった。
(一尾の人柱力)
それは知っている。
砂隠れの兵器。
問題は――
(……違うな)
尾獣の気配ではない。
我愛羅の周囲に漂うもの。
それはもっと別のものだった。
殺意。
憎悪。
孤独。
そして――
(壊れてる)
人を殺すことでしか
自分の存在を確認できない目。
この時期の我愛羅。
まだ救われる前の姿だ。
だが。
その周囲で、わずかに砂が揺れた。
(……絶対防御)
母の愛。
死してなお守る砂。
それだけが、この少年を守っている。
オビトは小さく息を吐いた。
(愛されてたんだよ)
(お前も)
だが――
その事実を。
我愛羅自身はまだ知らない。
その瞬間。
我愛羅の目がゆっくり動いた。
オビトを見る。
一瞬。
視線がぶつかる。
重い沈黙。
だが次の瞬間。
ナルトが叫んだ。
「行くってばよ!」
301教室の扉が開く。
中忍試験。
第一試験。
それが――
今、始まろうとしていた。
木ノ葉隠れの里、忍者アカデミー。
廊下には多くの下忍が集まっていた。
各里の額当て。
張り詰めた空気。
互いを値踏みする視線。
中忍試験。
それを受ける忍たちだ。
階段を上がってくる四人の姿があった。
うずまきナルト
うちはサスケ
春野サクラ
そして
うちはオビト。
ナルトが周囲を見回した。
「うおー……!」
「人めっちゃいるってばよ!」
サクラが眉を寄せる。
「当たり前でしょ……」
サスケは黙って周囲を見渡していた。
(強そうなのが多い)
その視線の先。
301と書かれた教室の前。
二人の忍が立っていた。
「ここは試験会場じゃない」
「帰れ」
ナルトが首をかしげる。
「え?」
サクラも戸惑う。
だがその時。
オビトが静かに言った。
「幻術だな」
サクラが振り向く。
「え?」
オビトは札を見る。
301。
だが、廊下の作り。
天井の高さ。
窓の位置。
(ここは二階)
サスケも気付いた。
「試験会場は三階だ」
門番の忍が目を細めた。
その時。
「まあまあ」
穏やかな声。
前に出てきた少年。
太い眉。
丸い目。
ロック・リー。
リーは深々と頭を下げた。
「すみません」
「これは試験前の実力確認のようなものです」
サクラが目を丸くする。
リーはサクラを見た。
そして真剣な顔で言った。
「あなたは綺麗な方だ」
サクラの顔が赤くなる。
「え!?」
リーは拳を握る。
「僕と付き合ってください!」
ナルトが吹き出す。
「ぶっ!!」
サクラは即答した。
「無理です」
リーは固まった。
サスケは無表情のままだ。
リーの視線がサスケへ向く。
「あなた」
「うちはサスケですね」
サスケが一歩前に出る。
「だったら何だ」
リーは構えた。
「勝負しましょう」
ナルトが驚く。
「いきなり!?」
サスケは静かに構えた。
「いいだろう」
緊張が走る。
その少し後ろ。
オビトは腕を組んでいた。
(ロック・リーか)
太い眉。
丸い目。
そして独特の体術の構え。
見間違えるはずもない。
(ガイの弟子)
忍術も幻術も使えない。
体術のみ。
だが――
(努力の天才)
その実力は知っている。
リーが動いた。
消える。
次の瞬間。
ドンッ!!
サスケが吹き飛んだ。
ナルトが叫ぶ。
「速っ!?」
オビトは小さく頷いた。
(相変わらず速いな)
リーの連撃。
拳。
蹴り。
サスケは写輪眼を開いた。
赤い瞳。
だが――
(見えても追いつかない)
ドンッ!!
サスケが壁へ叩きつけられる。
ナルトが叫ぶ。
「サスケ!」
その時だった。
「そこまでだ」
声が響く。
緑の全身タイツ。
西瓜頭。
マイト・ガイ。
リーが姿勢を正す。
「ガイ先生!」
オビトの視線が向く。
(……ガイ)
カカシの永遠のライバル。
そして――
(相変わらず暑苦しい)
口元がわずかに緩んだ。
ガイはリーの肩を叩く。
「青春だ!」
ナルトがぽかんとする。
「なんだあいつ……」
ガイとリーは去っていった。
その時だった。
別の気配が近づく。
砂の額当て。
三人の忍。
先頭に立つ赤髪の少年。
我愛羅。
その隣に
カンクロウ。
そして
テマリ。
ナルトが言う。
「砂の忍か」
カンクロウが鼻で笑う。
「木ノ葉か」
だがその時。
オビトの視線がわずかに細くなった。
(一尾の人柱力)
それは知っている。
砂隠れの兵器。
問題は――
(……違うな)
尾獣の気配ではない。
我愛羅の周囲に漂うもの。
それはもっと別のものだった。
殺意。
憎悪。
孤独。
そして――
(壊れてる)
人を殺すことでしか
自分の存在を確認できない目。
この時期の我愛羅。
まだ救われる前の姿だ。
だが。
その周囲で、わずかに砂が揺れた。
(……絶対防御)
母の愛。
死してなお守る砂。
それだけが、この少年を守っている。
オビトは小さく息を吐いた。
(愛されてたんだよ)
(お前も)
だが――
その事実を。
我愛羅自身はまだ知らない。
その瞬間。
我愛羅の目がゆっくり動いた。
オビトを見る。
一瞬。
視線がぶつかる。
重い沈黙。
だが次の瞬間。
ナルトが叫んだ。
「行くってばよ!」
301教室の扉が開く。
中忍試験。
第一試験。
それが――
今、始まろうとしていた。
【〆栞】