第二次試験突破

死の森の奥深く。

鬱蒼とした森の中を、四つの影が進んでいた。

うずまきナルト。
うちはサスケ。
春野サクラ。
そして――
うちはオビト。

四人は中央の塔を目指して歩いていた。

ナルトが大きく伸びをする。

「まだ着かねーのかってばよ!」

サクラが呆れる。

「森の中心なんだから遠いのよ」

ナルトは腹を押さえる。

「腹減った……」

「さっきからそればっかり!」

サクラが怒鳴るが、ナルトは気にしていない。

サスケは黙ったまま歩いている。

首元の呪印が、わずかに疼いた。

(……大蛇丸)

脳裏に浮かぶ蛇のような男。

サスケの瞳がわずかに細くなる。

だが暴走する気配はない。

オビトが抑えた影響だ。

完全ではないが、確かに封じられている。

やがて――

木々の間から巨大な建造物が見えた。

中央の塔。

サクラが声を上げる。

「着いた!」

ナルトが拳を突き上げる。

「よっしゃあ!」

四人は塔へ入った。

石造りの内部はひんやりしている。

すでにいくつかのチームが到着していた。

忍たちの視線が一斉に向く。

ナルトは気にせず床へ座った。

「で、巻物どうすんだってばよ」

サクラが確認する。

「ここに書いてあるの」

“天と地が揃いし時
その身をもって開くべし”

ナルトは首を傾げる。

「意味わかんねー」

サスケが言う。

「同時に開けるってことだ」

サクラが慎重に言う。

「罠の可能性もあるわ」

サスケは頷く。

「……いくぞ」

天の巻物。

地の巻物。

二つを同時に開いた。

その瞬間――

ボンッ!!

白煙が弾けた。

ナルトが飛び上がる。

「うわあ!?」

煙の中から人影が現れる。

サクラが目を見開く。

現れたのは――

うみのイルカ。

ナルトが叫ぶ。

「イルカ先生!!」

イルカは腕を組み、四人を見渡した。

「よう」

「よくここまで来たな」

ナルトが駆け寄る。

「なんでイルカ先生がここにいるんだってばよ!」

イルカは苦笑する。

「第二試験突破の確認役だ」

周囲の忍たちもざわつく。

イルカは第七班を見回した。

ナルト。

サスケ。

サクラ。

そしてオビト。

「全員無事だな」

ナルトが胸を張る。

「当然だってばよ!」

イルカが小さく笑った。

「よく頑張ったな」

その言葉に、ナルトは少し照れた顔をする。

サクラはほっと息をつき、

サスケは静かに立っていた。

オビトはその光景を見ていた。

ナルトの前に立つ男。

うみのイルカ。

ナルトにとって、この里で最初に自分を認めた大人。

それはオビトの知る出来事の中でも、印象深いものだった。

(……やっぱりこの人か)

ナルトがここまで折れずに来られた理由。

その一つが、この男だ。

イルカが振り向く。

「このあと、第三試験の説明がある」

塔の奥にはすでに多くの忍が集まっていた。

第二試験突破者たち。

その時だった。

オビトの視線が動く。

人混みの中。

一人の忍。

胸に――

孔が空いている。

虚。

それは確かに存在していた。

そして。

オビトを見て、わずかに笑った。

(……やっぱり来るか)

第三試験。

その舞台は、もう整いつつあった。



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