第三試験・予選

中央の塔。

第二試験を突破した忍たちが、大広間に集められていた。

高い天井。
広い石造りの床。

各国の忍たちが、互いを警戒するように距離を取って立っている。

その中に――

うずまきナルト。
うちはサスケ。
春野サクラ。
うちはオビト。

第七班の四人の姿もあった。

ナルトは落ち着きなく周囲を見回している。

「すげぇ人数だってばよ……」

サクラが小声で言う。

「第二試験を突破したチームだけよ」

サスケは腕を組み、黙って前を見ていた。

その時だった。

広間の奥の扉が開く。

静まり返る空気。

現れたのは――

猿飛ヒルゼン。

三代目火影。

老いた忍は、ゆっくりと歩み出て集まった忍たちを見渡した。

「よくここまで勝ち残った」

静かな声が広間に響く。

「だが――」

「中忍とは、ただ強いだけでは務まらぬ」

忍たちは黙って聞いている。

ヒルゼンは続けた。

「第三試験は、各国の大名や上忍たちの前で行われる」

「忍としての実力を示す場でもある」

ナルトが小声で言う。

「なんかすげー試験だな」

サクラが肘で突いた。

「静かにして」

ヒルゼンは後ろを振り返る。

「説明を」

一人の忍が前へ出た。

青白い顔。

細い体。

そして、時折咳き込む。

月光ハヤテ。

「……では」

ハヤテは咳を一つした。

「これから第三試験の説明をします」

忍たちが耳を傾ける。

「ただし」

「この人数では、本戦が長くなりすぎます」

少し間を置き。

「よって」

「第三試験の前に――」

「予選を行います」

ざわめきが広がった。

ナルトが声を上げる。

「予選!?」

ハヤテは淡々と続ける。

「一対一の個人戦」

「負けた者は、その時点で失格」

サスケの瞳が鋭くなる。

ナルトは拳を握った。

「望むところだってばよ!」

その時。

一人の忍が手を上げる。

薬師カブト。

「棄権します」

広間がざわつく。

ハヤテは特に驚く様子もない。

「了解しました」

カブトは静かに背を向け、そのまま去っていく。

オビトはその背中を見ていた。

(予定通りか)

あの男が、ここで消えることも。

オビトの知識の中にある出来事に近い。

だが。

(問題は……)

視線がゆっくりと動く。

広間の隅。

そこに立つ忍。

胸に――

ぽっかりと空いた孔。

虚。

その忍は静かに壁にもたれていた。

名前はすでに把握している。

絡繰波間。

外見はただの忍。

だが、その奥にあるものは明らかに異質だった。

オビトと目が合う。

そして。

波間は、ゆっくり笑った。

まるで最初からこの瞬間を待っていたかのように。

ハヤテが言う。

「それでは」

壁の電子掲示板が光る。

名前が表示されていく。

ナルトが身を乗り出す。

「おお!?」

次々と対戦カードが決まっていく。

そして――

オビトの視線が止まる。

うちはオビト
VS
絡繰波間

その名前。

虚の忍。

ナルトが横から覗き込む。

「オビト!」

「お前の試合あるぞ!」

オビトは小さく息を吐いた。

(やっぱりな)

波間は壁から離れる。

ゆっくり歩き出す。

その歩みは、まるで舞台へ上がる役者のようだった。

そして。

オビトの前で止まる。

小さく笑う。

「楽しみにしていた」

「うちはオビト」

その瞳の奥に宿るのは――

人ではないもの。

予選。

その戦いの中で。

最も異質な一戦が、確実に近づいていた。


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