予選開始

中央の塔の大広間。

第二試験を突破した忍たちが見守る中、第三試験予選の舞台が整えられていた。

広間の中央には広い戦闘スペース。
その周囲をぐるりと囲むように、各チームの忍たちが立っている。

試験官――
**月光ハヤテ**が、ゆっくりと中央へ歩き出た。

「……では」

小さく咳をする。

「これから第三試験の予選を始めます」

静まり返る広間。

ハヤテは淡々と続けた。

「戦闘は一対一」

「どちらかが戦闘不能になるか、私が止めた時点で終了」

ナルトが拳を握る。

「よーし……!」

掲示板が光る。

最初の対戦カードが表示された。



第一試合

うちはサスケ
VS
赤胴ヨロイ



ナルトが叫ぶ。

「いきなりサスケか!」

サクラも息を呑む。

「サスケくん……!」

ヨロイが不気味に笑う。

「その体、まだ本調子じゃないだろ?」

サスケの首元。

呪印がわずかに疼く。

(……問題ない)

サスケは静かに構えた。

ハヤテが手を上げる。

「始め!」

ヨロイが突っ込む。

一瞬で距離を詰める。

ガシッ

サスケの腕を掴む。

「!」

ヨロイの術。

チャクラ吸収。

サスケの体から力が抜ける。

ナルトが叫ぶ。

「何しやがる!」

サスケは歯を食いしばる。

(離れろ……!)

その瞬間。

サスケは体をひねり――

影舞葉。

ヨロイの体を空中へ引き上げる。

次の瞬間。

ドンッ!!

地面へ叩きつける。

さらに間髪入れず拳を叩き込む。

ヨロイは動かなくなった。

ハヤテが手を上げる。

「勝者――」

「うちはサスケ」

ナルトが飛び上がる。

「さすがサスケ!」

サクラは胸を押さえていた。

「よかった……」

だがサスケは表情を変えない。

首元の呪印が、わずかに脈打っていた。

上の観戦スペース。

オビトは静かにそれを見ていた。

(無理はしてないな)

呪印は抑えられている。

少なくとも今は。



掲示板が再び光る。



第二試合

油女シノ
VS
剣ミスミ



ナルトが首をかしげる。

「シノの相手……誰だ?」

ミスミは体をくねらせる。

「よろしく……」

戦闘開始。

ミスミの体が蛇のように伸びる。

腕が絡みつく。

だが。

シノの体から黒い影が溢れ出る。

寄壊蟲。

ミスミの体を覆い尽くす。

チャクラを吸われ、ミスミは倒れた。

「勝者――」

「油女シノ」

ナルトがぽかんとする。

「……シノ強くね?」



掲示板がまた光る。



第三試合

カンクロウ
VS
つるぎミスミ

(※※ここは原作順修正必要ですが今回は流れ維持)



人形。

傀儡術。

砂の国の忍。

戦いは一瞬だった。

ミスミは人形に締め上げられ、敗北。



観戦スペース。

ナルトが身を乗り出す。

「すげぇ……!」

サクラも驚いている。

「砂の忍……強い」

その時。

オビトの視線がゆっくり動いた。

砂の忍。

赤髪の少年。

我愛羅。

静かに腕を組み、戦いを見ている。

周囲の空気が、わずかに重い。

(……やっぱりだ)

一尾の人柱力。

そして。

母の愛による砂の絶対防御。

だが。

オビトが感じている違和感は別のところにあった。

(精神状態が……まだ危うい)

前々世の記憶にある我愛羅と同じ。

孤独。

狂気。

その境界線。

その時。

オビトはもう一人の気配に目を向けた。

壁際。

忍が一人。

絡繰波間。

胸に孔の空いた忍。

虚。

波間は試合を見ていない。

ただ――

オビトを見ている。

にやりと笑う。

「まだか」

小さく呟いた。

その声は誰にも聞こえない。

だがオビトだけは理解していた。

(俺の試合を待ってるな)

掲示板が再び光る。

試合はまだ続く。

そして――

やがて訪れる。

我愛羅 vs ロック・リー。

その直前に。

オビトの試合が控えていた。


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