うちはオビトvs絡繰波間

中央の塔、大広間。

第三試験予選はすでにいくつかの試合を終えていた。
忍たちの緊張は、徐々に高まっている。

壁の掲示板が光る。

次の対戦カード。

そこに表示された名前を見て、ナルトが声を上げた。

「オビト!!」

掲示板にははっきりと映し出されていた。



うちはオビト
VS
絡繰波間



広間がざわつく。

聞いたことのない名前。

しかし一人だけ、静かに笑っている忍がいた。

壁際。

ゆっくりと歩き出す。

絡繰波間。

その歩き方は、どこか人間らしくない。

サクラが不安そうに呟く。

「オビト……」

いのも腕を組む。

「なんか……嫌な感じ」

ナルトは拳を握った。

「オビトなら勝つってばよ!」

オビトは軽く肩を回す。

そしてゆっくり戦闘スペースへ降りた。

対面する。

波間が笑う。

「やっとだ」

「ずっと見ていた」

その声には妙な湿り気があった。

ハヤテが咳を一つする。

月光ハヤテ

「……始め」



瞬間。

波間の腕が裂けた。

肉が開き、その内側から

刃が生える。

ザンッ!!

空気を裂く音。

オビトが一歩踏み込む。

(やっぱりか)

虚。

人間の体ではない。

波間は笑う。

腕が変形し、刃がいくつも伸びる。

「切れるぞ」

無数の斬撃。

オビトは体を捻りながら避ける。

そして――

踏み込む。

拳。

逕庭拳。

ドンッ!!

波間の体に衝撃が遅れて炸裂する。

「……?」

波間が首を傾げる。

「遅れて……?」

次の瞬間。

体内から衝撃が弾けた。

ドゴン!!

波間が数歩下がる。

ナルトが叫ぶ。

「なんだ今の!?」

シカマルが目を細める。

「妙な打撃だな……」

波間は笑う。

「面白い」

その瞬間。

腕がさらに変形する。

刃が鞭のように伸びる。

斬撃の嵐。

オビトは印を結ぶ。

「火遁・豪火球」

ドォォッ!!

炎が広がる。

だが波間の体は形を変え、炎を裂く。

「無駄だ」

次の瞬間。

刃が伸びる。

ドスッ。

腹部。

オビトの体を――

貫いた。

一瞬。

空気が止まる。

サクラが悲鳴を上げた。

「オビト!!」

いのも叫ぶ。

「嘘でしょ!?」

血が床に落ちる。

ポタッ。

ポタッ。

波間が笑う。

「終わりだ」

だが。

オビトは倒れない。

むしろ――

静かに笑った。

(やっぱり虚だな)

体内。

反転術式。

致命傷部分のみ、内側から再生。

出血は止めない。

血が落ちる。

オビトはそれを見下ろす。

(ちょうどいい)

指先に血を集める。

ナルトが呟く。

「オビト……?」

オビトが小さく呟いた。

「赤血操術」

その瞬間。

血が弾けた。

「赤鱗躍動」

ドンッ!!

筋肉が跳ね上がる。

速度が一気に上がる。

波間の目が細くなる。

「速い」

オビトが踏み込む。

血が刃へ変わる。

「血刃」

斬撃。

波間の体が裂ける。

だが虚の肉体はすぐ再生する。

「効かない」

波間が腕を振るう。

刃の嵐。

オビトは跳ぶ。

空中で血を凝縮。

「百斂」

指先に集まる。

極限圧縮。

そして――

「穿血」

ズドォン!!

赤い閃光。

血の弾丸が波間の胸を撃ち抜く。

胸の孔。

そこへ直撃する。

波間の体が大きく揺れる。

「……なるほど」

虚の声が低くなる。

「やはりお前は」

「面白い」

オビトは軽く息を吐いた。

血がまだ流れている。

(ちょっと出しすぎたな)

若干の貧血。

だが――

ポケットから取り出す。

小さな丸薬。

増血丸。

オビトはそれを口に放り込んだ。

「……よし」

再び拳を構える。

波間は笑う。

刃がさらに増える。

広間の空気が張り詰める。

この戦い。

まだ終わらない。


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