黒閃

絡繰波間の体が変形していく。

腕は刃。

背中からも刃。

まるで鋼の怪物だった。

虚の第二形態。

波間は笑う。

「人間」

「ここまでだ」

刃の嵐。

無数の斬撃。

オビトは跳ぶ。

血を操る。

「苅祓」

赤い刃が飛ぶ。

ザンッ!!

虚の肉が裂ける。

だが再生する。

波間が笑う。

「効かない」

オビトは構える。

「なら」

血を圧縮。

「百斂」

一点集中。

「穿血」

ズドォォン!!

赤い閃光。

虚の体が吹き飛ぶ。

だが。

それでも立つ。

波間は笑った。

「いい」

「だが終わりだ」

刃の腕が伸びる。

オビトを囲む。

その瞬間。

オビトが踏み込んだ。

逕庭拳。

ドンッ!!

衝撃が遅れて炸裂。

波間の体が揺れる。

そして。

次の瞬間。

空間が歪む。

拳が再び叩き込まれる。

黒い閃光。

黒閃。

虚の目が見開かれる。

「……!?」

さらに。

もう一撃。

黒閃。

そして。

もう一撃。

逕庭拳からの黒閃連撃。

黒い衝撃が虚の体内で爆ぜる。

波間が叫ぶ。

「これは……!」

虚すら知らない力。

呪いを祓う衝撃。

最後の一撃。

オビトが踏み込む。

「終わりだ」

拳。

黒閃。

ズドォォォン!!

衝撃が爆発した。

虚の体が崩れる。

孔が砕ける。

波間の体は黒い霧となって崩壊した。

祓い。

静寂。

広間が凍りつく。

ナルトが叫ぶ。

「オビトすげぇぇぇ!!」

観戦席。

誰も言葉を失っていた。

その中で。

オビトは小さく息を吐く。

「……血、出しすぎたな」

少しだけ。

ふらついた。


〆栞
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