それぞれの思い

木ノ葉病院。

白い廊下の奥。

病室の扉の前に立っていたのは
**うずまきナルト**だった。

その後ろには
春野サクラ、
そして少し離れて
うちはオビト。

ナルトが扉を開ける。

「リーー!!」

ベッドの上には
ロック・リー。

全身包帯。

だが。

「ナルト君!!」

元気だった。

ナルトが叫ぶ。

「生きてたってばよ!!」

リーは真剣に言う。

「死んでいません!!」

サクラが呆れる。

「当たり前でしょ……」

リーの横には
マイト・ガイ。

涙を流していた。

「リー……!」

「お前の青春はまだ終わらない!!」

リーも涙を流す。

「ガイ先生!!」

二人は抱き合った。

ナルトが小声で言う。

「……暑苦しいってばよ」

サクラが頷く。

「うん」

その時。

病室の窓の外。

静かに立っている影があった。

我愛羅。

誰にも気づかれず。

ただ。

リーを見ていた。

ベッドの上で眠る少年。

自分が壊した相手。

我愛羅の砂が、わずかに揺れる。

(……なぜ)

理解できない。

壊したはずなのに。

まだ生きている。

まだ立とうとしている。

その姿が。

なぜか――

気に入らなかった。

我愛羅は静かに背を向けた。



その頃。

火影の執務室。

机の向こうに座るのは
猿飛ヒルゼン。

第三代火影。

その前には
**はたけカカシ**が立っていた。

ヒルゼンは煙管をくゆらせる。

「大蛇丸、か」

カカシが頷く。

「間違いありません」

「第二試験の時点で里に侵入しています」

ヒルゼンは静かに目を閉じた。

「……あやつめ」

弟子。

だが今は敵。

ヒルゼンは言う。

「砂の動きも怪しい」

「本戦は警戒を強める」

カカシが頷く。

「はい」

そして少し間を置いて。

ヒルゼンが言った。

「オビトはどうじゃ」

カカシが一瞬驚く。

「……オビト?」

ヒルゼンは煙を吐く。

「予選の戦い」

「見事じゃった」

カカシは静かに言う。

「ええ」

「規格外です」

ヒルゼンは小さく笑う。

「木ノ葉の未来は」

「まだ捨てたものではないな」



うちは屋敷。

夜。

縁側に座る
うちはフガク。

その横には
うちはイタチ。

フガクは庭を見ながら言った。

「中忍試験」

「本戦」

イタチが静かに聞く。

「オビトのことですか」

フガクは頷く。

「あれは……」

少し考え。

言った。

「うちはの可能性だ」

イタチは黙る。

フガクは続けた。

「写輪眼」

「それだけではない」

「別の何か」

イタチの脳裏に浮かぶ。

あの夜。

呪霊。

そして。

それを祓った術。

フガクは静かに言った。

「見てみたいものだ」

「本気のオビトをな」



一方。

木ノ葉の団子屋。

テーブルに座っているのは
**春野サクラ**と
山中いの。

団子を食べながら。

話題は当然――

恋だった。

いのがニヤニヤする。

「で?」

「サスケくんとはどうなのよ」

サクラが頬を膨らませる。

「どうもこうもないわよ」

いのが笑う。

「また振られた?」

「振られてない!」

サクラは団子を突く。

「……でも」

いのが身を乗り出す。

「でも?」

サクラは少し顔を赤くする。

「最近……」

「オビトのことが」

いのが目を見開く。

「は!?」

サクラは慌てる。

「ち、違うの!」

「そういうんじゃなくて!」

「なんていうか……」

少し言葉を探す。

「頼れるっていうか」

「安心するっていうか」

いのがニヤリと笑う。

「それ」

「恋の入り口よ」

サクラが真っ赤になる。

「違うってば!!」

だが。

その夜。

それぞれの心に。

小さな変化が生まれていた。

中忍試験本戦まで。

残りわずかだった。


〆栞
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