遅れてくる者

中忍試験、本戦会場。

第一試合――
うずまきナルト vs 日向ネジ。

その激闘が終わり、会場はまだざわめきに包まれていた。

観客席では
**春野サクラ**が身を乗り出している。

「ナルト、すごかった……!」

横で
**山中いの**も頷く。

「まさかネジに勝つなんてね」

少し離れた席で
**うちはオビト**は腕を組んでいた。

(あとは……)

視線が向く。

闘技場の中央。

次の対戦カード。

うちはサスケ
vs
我愛羅。

だが。

会場がざわつき始めた。

「……あれ?」

「サスケは?」

闘技場には――

我愛羅しかいない。

試験官の
**不知火ゲンマ**が眉をひそめる。

観客席ではサクラが立ち上がった。

「サスケくん……?」

さらに。

もう一人。

姿がない。

はたけカカシ。

ゲンマが言う。

「……時間だが」

少し間。

そして宣言する。

「サスケが到着するまで――」

「次の試合を先に行う」

会場のざわめきが変わる。

次の対戦者が降りてくる。

一人は。

退屈そうに頭を掻きながら歩く少年。

奈良シカマル。

もう一人は。

扇を肩に担いだ少女。

テマリ。

ゲンマが手を上げる。

「第二試合」

「始め!」

シカマルはため息をついた。

「めんどくせぇ……」

テマリが笑う。

「やる気ないの?」

シカマルは肩をすくめた。

「勝っても昇格、負けても終わり」

「どっちでもいいんだけどな」

その瞬間。

テマリの扇が開く。

バサッ!!

突風。

シカマルが後ろへ跳ぶ。

(速いな)

だが焦りはない。

シカマルは静かに影を見る。

太陽。

位置。

建物の影。

そして。

テマリの足元。

テマリが扇を振る。

ドン!!

風圧。

砂煙。

シカマルは転がって避ける。

観客席。

オビトが小さく笑った。

(頭使ってるな)

テマリは再び風を放つ。

だが。

その瞬間。

テマリの影が伸びた。

地面を滑るように。

そして。

重なった。

シカマルが言う。

「影真似の術」

テマリの身体が止まる。

観客席がどよめく。

いのが叫ぶ。

「シカマル!」

シカマルは立ち上がる。

「……捕まえた」

だが。

シカマルは動かない。

ただ空を見る。

太陽が少しずつ傾く。

影が伸びていく。

テマリの顔が歪む。

「……なるほど」

「全部計算してたのね」

シカマルはため息をつく。

「めんどくさいけどな」

そして。

しばらく沈黙。

やがて。

シカマルは手を下ろした。

「……降参」

観客席が驚く。

テマリも目を丸くする。

ゲンマが確認する。

「本当に降参か?」

シカマルは肩をすくめた。

「チャクラ切れだし」

「これ以上めんどくさい」

ゲンマは手を上げる。

「勝者――テマリ!」

観客席がざわつく。

だが。

火影席では
**猿飛ヒルゼン**が小さく頷いていた。

「……良い忍だ」

戦い方。

判断力。

シカマルは確かに中忍の器だった。

その時。

会場の入口がざわめく。

忍たちが道を開ける。

ゆっくりと歩いてくる二人の影。

一人は――

はたけカカシ。

そして。

その後ろには。

うちはサスケ。

観客席が一斉にざわめいた。

次の試合。

サスケ vs 我愛羅。

嵐のような戦いが、今始まろうとしていた。


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