雷鳴

中忍試験、本戦会場。

第二試合
奈良シカマル vs テマリ
が終わり、会場の空気はまだざわついていた。

その時。

入口の方で人垣が揺れる。

忍たちが振り返る。

ゆっくりと歩いてくる二つの影。

一人は――
はたけカカシ。

そしてその後ろに立つのは
**うちはサスケ**だった。

観客席が一斉にざわめく。

「サスケくん!」

思わず立ち上がったのは
春野サクラ。

その横で
**山中いの**が腕を組む。

「遅刻とか、相変わらずね」

闘技場では
**我愛羅**が静かに立っていた。

サスケの姿を見た瞬間。

我愛羅の目が細くなる。

「……来たか」

試験官の
**不知火ゲンマ**が二人を見る。

「遅刻だが……」

肩をすくめた。

「まあいい」

手を上げる。

「第三試合」

「始め!」

その瞬間。

サスケの姿が消えた。

ドン!!

我愛羅の砂が弾ける。

観客席がざわめく。

「速い……!」

**ロック・リー**が驚く。

その横で
**マイト・ガイ**が頷く。

「リーと同じ体術だ」

サスケの動き。

それはリーの速度に近かった。

我愛羅の砂が反応する。

だが――

サスケの蹴りが先に入る。

ドン!!

我愛羅の身体がわずかに揺れる。

観客席がどよめく。

「当たった!?」

だが。

我愛羅の体を守る砂は健在。

サスケは後ろへ跳ぶ。

印を結ぶ。

「火遁・豪火球の術!」

炎が我愛羅を包む。

だが砂が防ぐ。

煙が晴れる。

我愛羅の目は変わらない。

サスケは静かに言う。

「……やっぱりな」

カカシが教えた術。

そして。

サスケの手に雷が集まる。

チチチチチ……

観客席がざわめく。

カカシが静かに呟く。

「行け」

サスケが突っ込む。

「千鳥!!」

雷が走る。

我愛羅の砂の防御を突き破り――

ドン!!

胸を貫いた。

観客席が一斉に立ち上がる。

だが。

我愛羅の顔に浮かぶのは。

苦痛ではなく。

笑みだった。

「……血」

我愛羅の頬を血が伝う。

初めて。

絶対防御が破られた。

その瞬間。

我愛羅のチャクラが暴れ出す。

砂が狂ったように動く。

腕が変形する。

巨大な砂の腕。

観客席が騒然となる。

「なに……?」

火影席で
**猿飛ヒルゼン**が目を細める。

「……尾獣か」

その時。

上空から羽が舞った。

白い羽。

幻術。

会場の観客たちが次々と眠り始める。

「幻術だ!」

忍たちが叫ぶ。

そして。

屋根の上に現れる影。

砂の忍。

音の忍。

木ノ葉崩し。

戦いが――

始まった。

その混乱の中。

我愛羅の砂が爆発する。

サスケが後ろへ跳ぶ。

だが我愛羅はすでに動いていた。

闘技場の壁を破り。

森へ逃げる。

サスケが追う。

観客席。

オビトが立ち上がった。

(始まったな)

木ノ葉崩し。

そして。

それぞれの戦い。

忍界を揺るがす戦いが、いま始まった。


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