火影の戦い

紫炎が揺らめく。

**四紫炎陣**の内側。

そこには五人の影が立っていた。

三代目火影
猿飛ヒルゼン

そしてその前に

大蛇丸

さらに――

千手柱間
千手扉間

そしてもう一人。

うちはオビト

ヒルゼンは目を見開いた。

「オビト……!」

結界の外にいたはずの少年が、いつの間にかここにいる。

オビトは軽く肩をすくめた。

「ちょっと通してもらった」

大蛇丸が笑う。

「結界を抜けるなんて……面白い子ね」

その足元。

棺が崩れ落ちる。

そして現れた二人。

初代火影と二代目火影。

ヒルゼンの表情が険しくなる。

「初代様……二代目様……」

二人は静かに立っていた。

しかしその瞳には意思がない。

大蛇丸が愉しそうに言う。

「穢土転生」

「歴代火影との戦いよ、先生」

柱間がゆっくりと周囲を見回した。

「ここは……木ノ葉か」

扉間が目を細める。

「穢土転生か……」

そして視線がオビトに向く。

「……うちは?」

オビトは静かに二人を見つめていた。

(魂を縛ってる)

呪術師の感覚。

身体は器。

魂は拘束されている。

術式。

(なるほど)

オビトは拳を握る。

ヒルゼンが叫ぶ。

「下がれオビト!」

「これは火影の戦いじゃ!」

オビトは首を振った。

「いや」

そして前に出る。

「これはまずい」

大蛇丸が眉を上げる。

「ほう?」

その瞬間。

扉間が動いた。

「水遁・水龍弾!」

巨大な水龍が襲いかかる。

オビトは避けない。

手を振る。

水が、歪んだ。

水龍が崩れ、ばらばらに裂ける。

扉間の目が細くなる。

「……?」

オビトの周囲で水が浮かび上がる。

地面に広がった水。

それが刃のように変形する。

空中に浮かび、螺旋を描いた。

「妙な術だな」

扉間が呟く。

「印も結ばず、水をそこまで制御するとは」

柱間が笑う。

「面白い若者じゃ」

その瞬間。

柱間が地面に手をついた。

「木遁・樹界降誕!」

巨大な木々が爆発的に生える。

闘技場を飲み込む勢いで伸びる枝。

ヒルゼンが歯を食いしばる。

「まずい……!」

だが。

ドンッ!!

木の根が途中で止まった。

絡み合う木。

その中心。

オビトの手が地面に触れている。

そこから生えているのは――

木。

柱間が目を丸くした。

「お?」

扉間が鋭く見る。

「木遁……だと?」

オビトは小さく息を吐く。

「ちょっと借りる」

木はすぐに消えた。

柱間は楽しそうに笑う。

「うちはで木遁とはのう」

ヒルゼンの目が大きく開かれる。

(今のは……)

だが次の瞬間。

扉間が動いた。

「若造」

「そこを退け」

水遁が迫る。

オビトは踏み込んだ。

拳を振るう。

ドンッ!!

拳が扉間の胸に当たる。

その瞬間。

扉間の体が止まった。

完全に。

ヒルゼンが驚く。

「!?」

柱間も目を細めた。

「今のは……」

扉間の瞳が揺れる。

「……魂を」

わずかに声が漏れた。

「打った……?」

オビトは静かに言った。

「穢土転生」

「魂を縛ってる術だろ」

そして再び踏み込む。

今度は柱間。

ドンッ!!

拳が当たる。

柱間の動きも止まる。

大蛇丸の笑みが消えた。

「……あなた」

「何者?」

オビトは振り向かない。

ただ一言。

「木ノ葉の忍だ」

ヒルゼンがその背を見つめる。

穢土転生の動きが鈍っている。

(今じゃ)

ヒルゼンは印を結ぶ。

封印術。

柱間と扉間を抑え込む。

そして大蛇丸が舌打ちした。

「面白い子ね」

その目が細くなる。

「でも」

「あなた一人で何ができるのかしら」

オビトがゆっくりと振り向いた。

写輪眼が光る。

「さあな」

一歩踏み出す。

「でも」

拳を握る。

「サスケに変なもの付けた罰は」

視線が大蛇丸を射抜く。

「受けてもらう」

空気が張り詰める。

ヒルゼンが呟いた。

「オビト……」

そして。

火影と蛇。

そして少年。

決着の戦いが始まる。


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