木ノ葉へ

木々の隙間から――

里が見えた。

巨大な門。

岩山に刻まれた顔。

火影岩。

その光景を見て、足を止めた女がいた。

綱手。

隣には
自来也。

その後ろでは
**うずまきナルト**が目を輝かせている。

「着いたってばよ!」

ナルトが走り出そうとする。

自来也が首根っこを掴んだ。

「落ち着け」

綱手はしばらく黙っていた。

懐かしい景色。

遠い昔。

ここで走り回っていた少女。

弟と。

仲間と。

綱手は小さく息を吐く。

「……久しぶりだな」

自来也が笑う。

「何十年ぶりだ?」

綱手は睨む。

「数えるな」

ナルトが振り向く。

「早く行こうってばよ!」

三人は門へ向かった。

その少し後ろ。

静かに歩く少年。

うちはオビト。

木ノ葉の門をくぐる。

見慣れた里。

だが。

これから変わる。

そんな予感があった。



火影室。

机の前に立つ老人。

三代目火影。

猿飛ヒルゼン。

扉が開く。

ヒルゼンが顔を上げた。

そして。

笑った。

「帰ってきたか」

綱手は腕を組む。

「呼びつけたのはあんただ」

ヒルゼンは穏やかに言う。

「顔を見られて安心した」

綱手は机の前に立つ。

「話は聞いた」

「火影だろ」

ヒルゼンは頷く。

「そうだ」

少し間を置き。

静かに続けた。

「木ノ葉は今」

「新しい火影を必要としている」

綱手は目を細める。

「年齢の問題か?」

ヒルゼンは笑う。

「それもある」

「だが」

声が少し低くなる。

「木ノ葉崩し」

「あれは儂の責任だ」

部屋が静かになる。

綱手はしばらく黙っていた。

そして。

言った。

「……断る理由はないな」

ナルトが叫ぶ。

「やったー!」

自来也が苦笑する。

ヒルゼンは深く頷いた。

「では」

「綱手」

「お前を――」

「五代目火影に任命する」

静かな宣言。

木ノ葉の歴史が動く瞬間だった。

その時。

扉が勢いよく開いた。

「綱手様!」

飛び込んできたのは黒髪の女性。

シズネ。

綱手の目がわずかに開く。

「シズネ」

シズネは駆け寄る。

「本当に火影に……?」

綱手は鼻で笑う。

「そうらしい」

シズネは目を潤ませる。

「良かった……」

ヒルゼンが穏やかに言う。

「これで木ノ葉は安心だ」

そして。

視線が動く。

部屋の端。

静かに立っている少年へ。

うちはオビト。

ヒルゼンは言った。

「今回の件」

「お前の働きは聞いている」

オビトは軽く頭を下げる。

「大したことは」

ヒルゼンは首を振る。

「謙遜するな」

老人の目が鋭くなる。

「お前は」

「木ノ葉の柱になる忍だ」

オビトは何も言わなかった。

だが。

ナルトが横で叫ぶ。

「オビトすげーってばよ!」

綱手は腕を組みながら言う。

「まあ」

「強いのは認める」

「身体はボロボロだがな」

ナルトが驚く。

「え!?」

オビトは苦笑した。

火影室の窓から。

木ノ葉の里が見える。

新しい火影。

新しい時代。

そして。

若い忍たち。

物語は――

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