暁の影
夜。
森の奥。
月明かりの下を、二つの影が歩いていた。
黒い外套。
赤い雲の紋様。
暁の装束。
静かな目を持つ青年。
うちはイタチ。
その隣を歩くのは、巨大な刀を背負った男。
干柿鬼鮫。
鬼鮫が笑う。
「火の国ですか」
「木ノ葉の里……懐かしいですねぇ」
イタチは答えない。
ただ静かに歩き続ける。
鬼鮫は続けた。
「しかし意外でしたよ」
「あなたが里を抜けるなんて」
「しかも暁に入るとはね」
イタチは短く言う。
「任務だ」
鬼鮫が肩をすくめる。
「暁の任務、ですか」
イタチはそれ以上語らない。
森を抜ける風の音だけが響く。
やがて鬼鮫が言った。
「今回の目的は」
「九尾でしたね」
イタチの目がわずかに動く。
「そうだ」
鬼鮫は笑う。
「人柱力か」
「面倒そうですねぇ」
そして刀を軽く叩く。
「だが、やりがいはありそうだ」
イタチは何も言わない。
ただ。
遠くを見る。
火の国の方角。
その先には。
**うずまきナルト**がいる。
⸻
その頃。
別の場所。
霧のかかる川辺。
二人の忍が立っていた。
巨大な刀を背負った男。
桃地再不斬。
その隣に立つ少年。
白。
白が静かに言う。
「暁が動きました」
再不斬が鼻で笑う。
「ああ」
「イタチと鬼鮫だな」
白は小さく頷いた。
再不斬は空を見上げる。
「九尾を狙う、か」
白が聞く。
「木ノ葉へ伝えますか」
再不斬は答えた。
「ああ」
「情報屋の仕事だ」
白の手に封書が現れる。
伝達用の文書。
白は言った。
「火影は変わりました」
「五代目」
綱手。
再不斬が笑う。
「三忍か」
「面白くなってきた」
⸻
木ノ葉の里。
夜。
屋根の上に一人の少年が立っていた。
風が吹く。
うちはオビト。
オビトは静かに空を見ている。
脳裏に浮かぶのは、あの夜の会話。
うちはイタチ。
暁への潜入任務。
里を守るための役目。
オビトは小さく息を吐いた。
「……来るな」
もし里で出会えば。
二人は敵として振る舞う。
そう見せなければならない。
それが。
イタチの任務を守ることになる。
オビトは屋根から跳んだ。
闇の中へと消える。
遠く。
森の奥。
暁の影は――
静かに木ノ葉へ近づいていた。
森の奥。
月明かりの下を、二つの影が歩いていた。
黒い外套。
赤い雲の紋様。
暁の装束。
静かな目を持つ青年。
うちはイタチ。
その隣を歩くのは、巨大な刀を背負った男。
干柿鬼鮫。
鬼鮫が笑う。
「火の国ですか」
「木ノ葉の里……懐かしいですねぇ」
イタチは答えない。
ただ静かに歩き続ける。
鬼鮫は続けた。
「しかし意外でしたよ」
「あなたが里を抜けるなんて」
「しかも暁に入るとはね」
イタチは短く言う。
「任務だ」
鬼鮫が肩をすくめる。
「暁の任務、ですか」
イタチはそれ以上語らない。
森を抜ける風の音だけが響く。
やがて鬼鮫が言った。
「今回の目的は」
「九尾でしたね」
イタチの目がわずかに動く。
「そうだ」
鬼鮫は笑う。
「人柱力か」
「面倒そうですねぇ」
そして刀を軽く叩く。
「だが、やりがいはありそうだ」
イタチは何も言わない。
ただ。
遠くを見る。
火の国の方角。
その先には。
**うずまきナルト**がいる。
⸻
その頃。
別の場所。
霧のかかる川辺。
二人の忍が立っていた。
巨大な刀を背負った男。
桃地再不斬。
その隣に立つ少年。
白。
白が静かに言う。
「暁が動きました」
再不斬が鼻で笑う。
「ああ」
「イタチと鬼鮫だな」
白は小さく頷いた。
再不斬は空を見上げる。
「九尾を狙う、か」
白が聞く。
「木ノ葉へ伝えますか」
再不斬は答えた。
「ああ」
「情報屋の仕事だ」
白の手に封書が現れる。
伝達用の文書。
白は言った。
「火影は変わりました」
「五代目」
綱手。
再不斬が笑う。
「三忍か」
「面白くなってきた」
⸻
木ノ葉の里。
夜。
屋根の上に一人の少年が立っていた。
風が吹く。
うちはオビト。
オビトは静かに空を見ている。
脳裏に浮かぶのは、あの夜の会話。
うちはイタチ。
暁への潜入任務。
里を守るための役目。
オビトは小さく息を吐いた。
「……来るな」
もし里で出会えば。
二人は敵として振る舞う。
そう見せなければならない。
それが。
イタチの任務を守ることになる。
オビトは屋根から跳んだ。
闇の中へと消える。
遠く。
森の奥。
暁の影は――
静かに木ノ葉へ近づいていた。
【〆栞】