暁侵入

夜。

木ノ葉の里。

静かな夜だった。

だが――

里の外れ。

森の奥で。

二つの影が止まった。

黒い外套。

赤い雲。

暁。

うちはイタチ。

そして。

干柿鬼鮫。

鬼鮫が笑う。

「ここが木ノ葉ですか」

「結界がありますねぇ」

イタチは静かに前を見る。

「問題ない」

鬼鮫が肩を回す。

「派手にやりますか?」

イタチは短く言う。

「必要ない」

二人はそのまま歩いた。

木ノ葉の結界を――

静かに通過する。



その頃。

里の中。

屋根の上。

一人の少年が立っていた。

うちはオビト。

オビトの目が細くなる。

(……来たな)

写輪眼が静かに開いた。

遠く。

嫌な気配。

強いチャクラ。

暁。

オビトは屋根から飛び降りた。

「……行くか」



同じ頃。

別の屋根。

三人の忍が立っていた。

はたけカカシ。

夕日紅。

猿飛アスマ。

アスマが煙を吐く。

「侵入者だ」

紅が言う。

「結界班から連絡」

カカシの目が鋭くなる。

「暁だ」

その瞬間。

屋根の向こうに二つの影が現れた。

暁の外套。

鬼鮫が笑う。

「おや」

「歓迎ですか」

カカシの写輪眼が開く。

「……うちはイタチ」

イタチは静かに答える。

「久しぶりだな」

空気が張り詰める。

鬼鮫が刀を担ぐ。

「木ノ葉の上忍が三人」

「なかなかの歓迎ですねぇ」

アスマがクナイを構える。

「目的は」

鬼鮫が笑う。

「九尾ですよ」

その言葉で空気が変わった。

カカシが低く言う。

「ナルトか」

鬼鮫が言う。

「そういうことです」

戦闘の気配。

その時。

屋根の上にもう一つ影が降りた。

「……やっぱり暁か」

全員の視線が向く。

そこに立っていたのは――

うちはオビト。

鬼鮫が笑う。

「ガキ?」

カカシが少し驚く。

「オビト?」

紅が言う。

「下がりなさい!」

だが。

オビトは動かない。

イタチを見る。

ほんの一瞬。

視線が交差した。

だが。

何も言わない。

イタチも。

オビトも。

互いに何も語らない。

鬼鮫が笑う。

「知り合いですか?」

カカシが前に出る。

「お前は下がっていろ」

オビトは肩をすくめた。

「そういうわけにもいかない」

写輪眼が回る。

赤い三つ巴。

鬼鮫が楽しそうに言う。

「ほう」

「うちはか」

アスマが呟く。

「ガイはまだか……」

その瞬間。

遠くから声が響いた。

「待たせたな!」

緑の影が屋根に着地する。

マイト・ガイ。

鬼鮫が目を細める。

「おやおや」

「ずいぶん賑やかになりましたねぇ」

木ノ葉の上忍。

そして暁。

屋根の上で。

戦いの火蓋が――

切って落とされようとしていた。



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