蛤の結界
森。
夕暮れ。
木々の隙間を風が抜ける。
その中央で向かい合う四人。
うずまきナルト
自来也
そして暁。
うちはイタチ
干柿鬼鮫
ナルトの目から幻術の残滓が消える。
視界が戻る。
「……っ」
ナルトが息を整える。
目の前にはイタチ。
そして鬼鮫。
自来也が前に出る。
「ナルト」
「下がってろ」
低い声。
だがその手はすでに印を結んでいた。
「口寄せの術」
地面が震える。
次の瞬間。
周囲の景色が変わる。
壁。
ぬめる肉。
閉じた空間。
ナルトが驚く。
「な、なんだこれ!?」
自来也が言う。
「蛤の胃袋だ」
「ここからは逃げられねぇ」
鬼鮫が周囲を見回す。
鮫肌を肩に担ぎ直す。
「なるほど……」
「結界忍術ですか」
壁を軽く叩く。
鈍い音。
鬼鮫が笑う。
「これはまた」
「面倒な術ですねぇ」
自来也が腕を組む。
「暁相手だ」
「普通に戦うほど甘くねぇ」
鬼鮫が鮫肌を握る。
「三忍とやり合う機会なんて」
「そうそうありませんからねぇ」
「少し楽しませてもらいますよ」
その瞬間。
鬼鮫の足が動く。
だが。
「鬼鮫」
イタチの声。
鬼鮫が止まる。
「なんです?」
イタチは短く言う。
「目的を忘れるな」
鬼鮫が肩をすくめる。
「九尾でしょう?」
ナルトが睨む。
「誰が捕まるかよ!」
だがイタチは静かに言った。
「今は時期ではない」
鬼鮫が少し目を細める。
「……珍しいですね」
「イタチさんが引くとは」
自来也が言う。
「逃がすと思うか?」
その瞬間。
イタチの万華鏡写輪眼が回る。
黒い炎。
天照。
蛤の肉壁が燃える。
自来也の目が見開く。
「……!」
肉壁が焼け落ちる。
外へ続く穴。
鬼鮫が感心したように言う。
「結界ごと焼くとは」
「便利な術ですねぇ」
イタチは何も言わない。
そのまま外へ出る。
鬼鮫も続く。
森。
夜の気配が降りている。
鬼鮫が鮫肌を担ぎ直す。
「もったいないですねぇ」
「九尾を取り逃がしましたよ」
イタチは歩きながら言う。
「また機会はある」
鬼鮫が笑う。
「それもそうですねぇ」
二人は森の闇へ消える。
⸻
少し離れた木の上。
一人の男がその様子を見ていた。
うちはオビト
腕を組み、静かに見下ろす。
戦いの痕跡。
燃えた木。
蛤の結界の残滓。
オビトは小さく息を吐く。
「……撤退か」
その目が闇を見る。
暁。
そして――
イタチ。
オビトは静かに呟く。
「書簡は届いた」
「なるほどな」
忍。
そして。
その裏。
「暁は一枚岩じゃない」
風が吹く。
森が揺れる。
遠くでナルトの声が聞こえる。
自来也の声も。
オビトは背を向ける。
「まだ動く時じゃない」
そう言って。
闇の中へ消えた。
忍界の影は――
静かに動き始めていた。
夕暮れ。
木々の隙間を風が抜ける。
その中央で向かい合う四人。
うずまきナルト
自来也
そして暁。
うちはイタチ
干柿鬼鮫
ナルトの目から幻術の残滓が消える。
視界が戻る。
「……っ」
ナルトが息を整える。
目の前にはイタチ。
そして鬼鮫。
自来也が前に出る。
「ナルト」
「下がってろ」
低い声。
だがその手はすでに印を結んでいた。
「口寄せの術」
地面が震える。
次の瞬間。
周囲の景色が変わる。
壁。
ぬめる肉。
閉じた空間。
ナルトが驚く。
「な、なんだこれ!?」
自来也が言う。
「蛤の胃袋だ」
「ここからは逃げられねぇ」
鬼鮫が周囲を見回す。
鮫肌を肩に担ぎ直す。
「なるほど……」
「結界忍術ですか」
壁を軽く叩く。
鈍い音。
鬼鮫が笑う。
「これはまた」
「面倒な術ですねぇ」
自来也が腕を組む。
「暁相手だ」
「普通に戦うほど甘くねぇ」
鬼鮫が鮫肌を握る。
「三忍とやり合う機会なんて」
「そうそうありませんからねぇ」
「少し楽しませてもらいますよ」
その瞬間。
鬼鮫の足が動く。
だが。
「鬼鮫」
イタチの声。
鬼鮫が止まる。
「なんです?」
イタチは短く言う。
「目的を忘れるな」
鬼鮫が肩をすくめる。
「九尾でしょう?」
ナルトが睨む。
「誰が捕まるかよ!」
だがイタチは静かに言った。
「今は時期ではない」
鬼鮫が少し目を細める。
「……珍しいですね」
「イタチさんが引くとは」
自来也が言う。
「逃がすと思うか?」
その瞬間。
イタチの万華鏡写輪眼が回る。
黒い炎。
天照。
蛤の肉壁が燃える。
自来也の目が見開く。
「……!」
肉壁が焼け落ちる。
外へ続く穴。
鬼鮫が感心したように言う。
「結界ごと焼くとは」
「便利な術ですねぇ」
イタチは何も言わない。
そのまま外へ出る。
鬼鮫も続く。
森。
夜の気配が降りている。
鬼鮫が鮫肌を担ぎ直す。
「もったいないですねぇ」
「九尾を取り逃がしましたよ」
イタチは歩きながら言う。
「また機会はある」
鬼鮫が笑う。
「それもそうですねぇ」
二人は森の闇へ消える。
⸻
少し離れた木の上。
一人の男がその様子を見ていた。
うちはオビト
腕を組み、静かに見下ろす。
戦いの痕跡。
燃えた木。
蛤の結界の残滓。
オビトは小さく息を吐く。
「……撤退か」
その目が闇を見る。
暁。
そして――
イタチ。
オビトは静かに呟く。
「書簡は届いた」
「なるほどな」
忍。
そして。
その裏。
「暁は一枚岩じゃない」
風が吹く。
森が揺れる。
遠くでナルトの声が聞こえる。
自来也の声も。
オビトは背を向ける。
「まだ動く時じゃない」
そう言って。
闇の中へ消えた。
忍界の影は――
静かに動き始めていた。
【〆栞】