四方八方から歓声があがり、戦い終わった戦士達を褒め称える。
 ついに私達イナズマジャパンは、世界への切符を手にしたんだと実感した。

『明王君、初出場かっこよかったよ!』

 フィールドで観客を見ていた不動明王に歓喜あまって抱きつく。
 明王君は少しよろけたが、それでもしっかりと地につけた足を離さない。

「重いんだけどよぉ名前ちゃん」

 いつものように嫌味ったらしく言ってくるが、彼の声にも喜びが混じっているせいかいつものようにムカつくことはなかった。むしろすべてに愛しさを抱いてしまうくらいだ。
 一度離れて正面に回り込む。にやける顔を隠せずに笑っていると、気持ちわりぃとつねられた。
 痛いと言えばすぐに手を離しそれを私の頭に持っていった。
 やっぱり明王君も嬉しいんだよね。

『おめでとう』
「……どーも]

 ガシガシと頭を撫でる。
 チラリと明王君を見たら、少し照れているようだった。可愛いとこもあるじゃんか。
もう一度勢いをつけて抱きついた。今度は明王君も抱き締めてくれた。
 ずっとこうしていたい。そう思っていたら、何かの視線が背中に突き刺さる。

「不動に苗字……お前ら」

 振り向くとジャパンメンバーのみんなが私達を見ている。
 キャプテンの驚きが含まれた声が聞こえた。そういえば言ってなかったな。
 とたんに恥ずかしくなり明王君から離れようとした。だが、明王君がそれを許さない。さらに抱き締められてしまい抜け出せなくなってしまった。

『ちょっ、明王「名前は俺の物だから、てめぇら手出すなよ」

 ニヤリと笑う明王君は、凄くかっこよかった。



大分お待たせして申し訳ありません…不動で甘夢です。
朱廻鈴音様、リクエストありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。
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