SPIRIT WORLD
もしも夢主がアレクさんみたいなキス魔で男前だったら

 目を開けるとそこは見知らぬ体育館で、見た事のある人達がいて、恐らく寝ている間に掛けられたジャージまみれでした。

「あ!目が覚めましたか?」

 そう言って近寄ってきたのは黒バスの桃井嬢。ち、乳が動く度に揺れておる。触ったら怒られるよね。やめておこう。

「あー…えっと、此処、何処?」

 そう疑問を口にすると彼女が呼んだのは赤司少年。そして現状を教えてもらい此処に来た経緯を伝える話し合いを経て、あたしも探索に行く事になった。
 黒バスキャラが目の前にいるって事はトリップとかそんなんだ。この流れではホラーになるかもしれないけど。

 話し合いが終わって一人でいると相田嬢が近寄ってきて、あたしがみんなに見付けられた際に拘束されていたのもあって赤くなっている手首の手当てをしに来てくれた。

「痛くないですか?」

「…あ、大丈夫」

 治療する目の前の一生懸命な彼女がとても可愛くて、じっと見つめてしまっていた。
 急だと怒るかな、怒るよね。でも抑えきれる自信がない。隔離されるかな、いやこれしきの事で隔離はないか。
 自問自答を繰り返しているうちに出来たらしい。

「出来ました」

 そう言って顔を上げ笑った相田嬢は天使でした。

 ちゅっ

「え!?」

「「!!?」」

 堪らず柔らかそうな頬に軽く唇を押し当てると吃驚したように瞠目し顔を赤らめる相田嬢。見ていた主に誠凛の子達も吃驚していた。そして焦ったような顔に変わる。

「カントク!」

「えっ、え!?」

「ごめん、可愛かったもんでつい。でもお礼も兼ねて、ね?ありがとう」

 駆け寄ってくる日向少年と赤面して頬を押さえる相田嬢を見ながらニッコリ微笑んで言うと相田嬢は呆然としていた。

「リコさんには刺激が強過ぎました?」

「なっ、べべ別にほっぺにチューくらい普通よ!!」

「言い方も可愛い〜」

「も、もう!そらさんまでからかわないで!」

 同じく近寄ってきた桃井嬢にもからかわれている相田嬢はあわあわと慌てていてとて愛らしい。そして名前呼びありがとう。

「カントクに何してんすか!!」

「まあまあそう怒らず。ちょっとチューしただけじゃん。あ、もしかして自分も出来ないからって嫉妬してる?ジェラシー?」

「だだだだだダアホ!!んなわけあるか!!」

 どもり過ぎたろ日向少年。それじゃ隠せてないよ。

「私とも仲良くして下さい!」

「勿論!じゃあご挨拶のちゅ〜」

「待て!!」

 桃井嬢にも可愛らしくお願いされれば断る理由などなかろうて。抱き着こうとしながらキスもしようとすると後ろから日向少年に首根っこを掴まれて阻止された。

「あーん、いけずー」

「まあまあ、いいじゃないか。キスは欧米では普通だぞ?」

 ブーブー口を尖らせているとアレックスさんが助け舟を出してくれた。日向少年の手を離させたアレックスさんはあたしの両肩を掴むと無遠慮に唇を重ねてきた。

「んっ」

「ん〜」

 周りが固まったのがわかった。アレックスさんは重ねるだけのキスをしたが、あたしは漫画で色んな人にキスをしようとする彼女の本質が見たくてぬるりと舌を忍ばせる。
 座高的にあたしのが低いので見上げる形にはなるが、あたしは首に腕を回してぐいと彼女の頭を引き寄せながらそれはもうディープなキスを交わす。アレックスさんは驚きはしたが応えてくれている。うん、キス上手い。とろけそうになるとはこの事。

「「やっやめんかァァァァァァ!!」」

 赤面しながら間近で見ていた相田嬢と日向少年に止められるまで続いた。ウブな奴らめ。










 探索を重ねみんなとも和解し始めた頃、あたしに寄ってきてくれる子は多い。気を遣ってくれる子や、単に一緒にいるだけの子。あたしには可愛くて仕方がない。

「ねえ、チューさせて。エネルギー補充」

「駄目だよ。人前では目立つ」

「人前じゃなかったらいい?」

「だーめ」

 今現在隣に座っているたっちゃんにお願いすると微笑を浮かべながら断られた。くそぅ。

「じゃあかがみんにしてくる」

「ちょっと待った。それはそれで駄目だよ」

「じゃあたっちゃんにする」

「ちょ、っ」

「「ああああああああ!!?」」

 立ち上がったあたしの腕を掴んで引き止めた彼の言葉にニヤリと笑って振り向けば、相手が座っている事をいい事にその上に立て膝ついて座ると唇を重ねる。
 驚き目をも開くものの押し退けない彼は優しい。

「ん…は、ぁ…っ」

「っ、ちゅ…ん…」

 次はあたしが見上げられる形で、たっちゃんの後頭部に手を添えながら舌まで差し込み腰を砕いてやるつもりでキスを続ける。何だかんだ享受している彼が可愛くて益々調子に乗った結果。

「(予想以上にキスが上手かった…)」

「イエーイ!winner!!」

「「(あんな氷室見た事ない…)」」

 彼の腰は砕けた様子。あたしが両手を突き上げている間に、たっちゃんへ哀れみの目を向ける陽泉の人達。

「ごめんね?でも気持ちよかったでしょ」

「っ…狡いな、そらさんは」

 口を手の甲で覆うたっちゃんに微笑みながらコツンと額と額を合わせて詫びると、彼は怒るでもなく少し赤面をして苦笑した。

「だーかーら!!ほいほいやるなっつってんだろ!!」

「かがみんもして欲しいの?仕方ないなあ」

「ちょ!?どっ退け!!」

 また首根っこを掴まれて離されるが次はかがみんが犯人で、慌てながら止める彼にニヤリと笑って足払いをしてこかせる。尻餅ついて倒れたその上に跨いで乗っかり、襟元を掴みながら顔を近付けると真っ赤になりながら顔を押し返される。

「いいぞいいぞー!そらもっとやれー!」

「アレックスさん!!」

 押し問答をしているとアレクさんが楽しそうに応援してくれるがリコぴんに怒られていた。誠凛メンバーは哀れむような目で見ているだけで助け舟を出す気はない様子。

「かがみん」

「あ!?」

「手、退けて?キスしたい」

「〜〜〜っ!!!」

 一度引っ張る力を緩めてあたしの顔を押さえる手の隙間から真っ直ぐな眼差しを向けて言うと、かがみんは言葉に詰まって一瞬手が緩んだ。
 その一瞬を逃すまいと襟元を引っ張り唇を奪おうとしたところで、

「ストップです」

「む」

「これ以上やると火神君が狼になってしまうので」

「なっ!?ならねえよ!!」

 あたしとかがみんの間に手を差し込み止めたのはテッちゃん。あたしの唇にテッちゃんの手が覆われていて残念そうな眼差しを向けると微笑で返された。やっぱり男の子なので手が固くて大きかったのでちょっと胸キュン。
 かがみんが怒っているが無視をし、あたしを立ち上がらせたテッちゃん。

「じゃあテッちゃんに」

「だだだ駄目ですよ!!絶対駄目ですテツ君は駄目ー!!」

 テッちゃんの腰を引き寄せた瞬間さっちゃんに引き離され、

「じゃあさっちゃんに」

「倒れたらどうすんだ」

 さっちゃんの顔を掴んだ瞬間に峰さんに首根っこを掴まれ、

「じゃあ峰さんに」

「いいぜ」

「いいんかい!!」

 結構受け入れ態勢の整っている峰さんに抱き着こうとして若ちゃんに止められ、

「じゃあ若ちゃんに」

「おおおおおおオレ!?」

「パニック起こすでやめたってや」

 若ちゃんに飛び付いてキスしようとして翔ちゃんに阻止されて。じゃあ翔ちゃんにと言う前に背中をドンと押されてよろけ、受け止めてもらった相手は。

「あまり悪戯が過ぎると痛い目みますよ?」

 あたしより顔の位置が高い赤君が微笑を浮かべていた。だがその微笑には逆らえない何かがあって、動き回って火照った体の熱が一気に冷めた。

「少し向こうで話をしましょうか」

 そう言って指された先は体育館倉庫。やばい、締め上げられる。

「い、いやもう大丈夫かな?反省したし」

「口だけなら何とでも」

「ちょ、へ、ヘルプミー!」

「そういやこないださー」

「え、マジで?」

「無視すんなァァァ!!」

 こういう時だけ全員無視かい!!赤君にズルズル引きずられていき、倉庫へと閉じ込められた。

「…ちゃんと口開けて」

「んっ…は、ぁ、赤く…まっ」

「…静かに」

「ふぅ…っ、んっ(負けるもんか!!)」

「!…っ、ふ…ん、」


「「(このままの勢いで最後までいかないよな…)」」

 倉庫に聞き耳立てている峰さんときー君はドキドキしながらも心配していた事はあたしは知らない。

「(確かにこれは中々…)」

 赤君もまた、少し頬を上気させながあたしのキスの上手さを痛感していたとかなんとか。

 勿論これに懲りずにみんなに隙あらばキスしまくったのは言うまでもない。
 だって顔赤らめて照れる相手が可愛いんだもん。てへ。











蘭華様、お待たせしました!
あまり男前さが見えないかもしれませんが、設定ではキスをしている時の顔がキリッとしていて男前、終わった後の微笑が男前という設定です。無理がありますね(笑)
相手(被害者)は一応オールの中でも氷室と赤司のつもりです。
素敵なリクエストありがとうございました!

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