INFINITY WORLD
閑話:風呂での男子会

【若松side】

 二日目の風呂場にて。現在各校のいつもの面子が揃っている。話の内容はそらさんの海であった事と女の事だ。風呂で話す事じゃねえだろ…と思ったが丁度みんな揃って事情を知らない奴はいないのでとの事。

 赤司達から聞いた内容は聞くだけでゾッとし、もしあの時気付かなかったら…と思うと血の気が引いた。しかも此処に幽霊いんのかよ…視えなくても嫌だわ。

「もう此処の海には入れさせない。あまり近付けるのもよくないかもしれません。そらさんの傍に極力誰かが付いているように注意していきましょう」

「「おう」」

 真剣な面持ちで言う赤司に一同頷いた後、急に青峰が赤司の肩に腕を回した。

「そういや赤司さんよぉ。緊急事態とは言え人工呼吸でまたそらとキスした事になったけどさー」

「オイ青峰!不謹慎なのだよ!」

「煩えよ緑間。ぶっちゃけどうなんだよ、そらの事。何かと真っ先に駆け付けるよなぁ?」

 赤司は何を考えているかわからない顔で青峰を見据えており、危険な目に遭っての行動なのでそれをわざわざ話題に出すのは可笑しいと指摘するが青峰はそれを物ともせず話を続ける。
 確かに全員が気になっていた事だとは思う。勿論赤司だけじゃなくて他の奴も何かとそらさんに引っ付いているが、特に赤司はそういう事に興味がなさそうなだけあって気になる。

 あの世界でもそらさんを起こす為にき、キス…してたしな…。あ、わかんない奴は番外編を見たらわかんぞ。

 全員からの視線を受けて赤司は苦笑する。

「オレ達はあの世界でそらさんに沢山助けてもらった。そして今の絆も出来、恩返しというわけではないがそらさんの為に色々してあげたくなる気持ちはある」

「確かにそれはあるっス!でもそらっちオレ達が何かしようとすると逆にお返ししてくれるからあんまり恩返しした気分にならないっスよね…」

「それがそらのよさっしょ」

「あら、珍しくいい事言うじゃない」

 黄瀬がそれに食い付き些か残念そうな顔をしながら尽くしてあげたいのにと言う。葉山がそれを聞き湯船で泳ぎながら笑って実渕は感心したように褒めた。確かにそらさんのよさだな。

「で?」

「青峰が期待するような話ではないよ。あの世界での出来事も今回の件でもそらさんが危険な目に遭っての事だ。助ける為に致し方なかった事だよ。オレの勝手な行動でそらさんには悪いけどね」

「あーそう」

 何だよ…と若干ガッカリした感じで青峰が離れた。周りも同じ感じの反応だ。赤司はそれを見てフッと鼻で笑うと、浴槽に腰掛けていたが湯船に浸かり直す。

「ただ一つ言える事は、相手がそらさんでオレとしては申し分ないという事かな。これこそ不謹慎ではあるが」

 その言葉を聞いて全員がフリーズした。
 …え?

「おいおいおいマジかよ!」

「もっと詳しく!赤司っちの浮いた話初めて聞くっス!」

「僕も聞きたいですが…目の前がクラクラします」

「「黒子ォォォ!?」」

「オイしっかりしろ!また逆上せてんのかよ!」

 青峰と黄瀬が食い付き赤司に迫っていく中で自分もと動き出したがずっと浸かっていたのか真っ赤な顔でブクブク沈んでいく黒子とそれを助ける誠凛組。火神が引き上げて浴槽に腰掛けさせる。そして段々カオスになっていく。

 ちなみに女子は先の風呂を終えているので隣にいないから話は聞いていないはず。これで聞かれてたらどうなるんだろうな。

「赤ちんにそらちんは渡さないよー」

 そういや紫原はそらさんと再会した時に告白紛いの事してたな。紫原は赤司に背後から近寄ると肩を掴んでグラグラ身体を揺さぶって攻撃と言えるかわからない行動をしているが赤司は何食わぬ顔だ。

「花宮は参戦しなくていいの?」

「あ゛?オレは関係ねえだろ」

「「「「(とか言って不機嫌なくせに…)」」」」

 霧崎の連中もその話題に便乗しているが原の言葉を聞いて花宮が不機嫌に返すが、他の四人が見守るような目で見つめていた。原に関しては目は見えてねえが。

「そういやそんなそらさん水着似合ってたなー。ちゃんと褒められなかったから今褒めたら照れてオレにキュンキュンしてくれっかなー」

 高尾がそう言うと周りが反応した。コイツ、確実に周りに喧嘩ふっかけたな。

「お前にトキメキはしないのだよ」

「ブッフゥ!!真ちゃんがトキメキって…!!」

「何でそこで笑うのだよ!」

 と笑う高尾に怒る緑間。

「まあおっぱい小さかったけどスタイル悪くねえしな。おっぱいナンバーワンはやっぱさつきだけど」

「足綺麗だったよん」

「日向もカントクに見惚れてたし、やっぱ女子の水着って目の保養になるよなー」

「オオオオオイコガ!余計な事言うな!」

 青峰と原が思い出しながら呑気に話しその近くで小金井が日向をからかった。何だ?アイツ誠凛の監督が好きなのか?
 確かにそらさんスタイルよかったからドキドキした。此処だけの話だが。勿論他の女子も悪くない…って何言ってんだオレ!!

「そんな真ちゃんはそらさんお姫様抱っこしてたよな?」

「どうだった?触り心地」

「!?さささ触ってないのだよ!!」

「何でそんな嘘吐くアル」

「しっかりそらさんの肌に触れていたよね。妬けるなぁ…あ、もしかして胸でも触ったのかな?」

「触ってないのだよ!!あの時は仕方ない状況だったのだよ!」

 緑間が弄られ始めた。青峰と高尾と劉と氷室がからかうと緑間は真っ赤になって慌てている。
 ふとオレの隣を見ると桜井と早川と水戸部がおり三人共顔を赤くして違う方を見ながら湯船に浸かっている。話に巻き込まれない賢明な判断だな。此処に今吉さんがいなくてよかった…いたら確実に面白がって主に桐皇のオレらに絡んでくるからな。
 視界に入った根武谷に視線を移すと一人で筋肉を動かし筋肉のつき具合を確認していて、女より筋肉かよと呆れた。筋肉馬鹿め。

「高尾、もう遅いよ」

「え?」

「オレが先にそらさんにそれ言ったから」

 とドヤ顔をして言うのは伊月。お前そんなキャラだったか?そんな周りに挑発するような奴だったか?
 既に水着を褒めて照れさせたという伊月にまた周りが反応する。

「えっ伊月ちゃっかりしてんだけど」

「流石PG…」

「いや、それは関係ないと思います土田先輩…」

 小金井が目を丸くしておりそれに土田が感心したように呟くがそれは違うと思う。的確なツッコミをしたのは降旗だった。コイツ言うようになったな。

「みんなそらさん好き過ぎて怖い…」

「それな…オレ達も充分懐いてると思うけど…」

 ボソボソ話す福田と河原は騒いでいるみんなを見てそう言った。確かにコイツらどんだけそらさんが好きなんだよと思った。勿論誠凛監督も桃井もすっげえ懐いてるし何かあればそらさんそらさん言ってる。

 最初会った時はあんなに疑っていたのに今ではこれだ。そらさんがもし知らねえ奴と付き合ったとか結婚するとか聞いたらどうなるんだ。暴力沙汰になったりしねえかな。

 オレは遠い目をしながら湯に肩まで浸かる。未だ赤司に追求している奴や自分がいかにそらさんに可愛がられているかの言い合いや筋肉を確かめている様子などを見て溜め息を逃した。

「ゴルァ!!うっせえぞてめえらいい加減に上がれ!!」

 数分後に騒がしいのを聞き付け怒鳴り込む相田さんが来るまで騒ぎは続いた。










【おまけ】

「で、そらさんは赤司君に二回以上もキスされてどう思ってるんですか!?」

「意識しないはずないですよね!?」

「え、何この子ら。急に何でその話題?」

 携帯アプリでゲームをしていたそらに桃井とリコが詰め寄り、急な事に吃驚して唖然とした。落ち着いた今、聞くならこのタイミングとこの話題を振ったらしい。

「キスって…今回のは人工呼吸でしょ。前のも起こす為ので…」

「でも赤司君迷わずにしたんですよ!」

「そりゃ死にかけた人がいたら赤君なら誰でもすると思うけど」

 そらがそう言って少し遠い目をしたのを見逃さず、女子二人から益々詰め寄られる事になった。
 赤司の話だけに留まらず他の部員の話も振っていくが、そらはあまり語ろうとせず、二人はまだそこまで考えていないのかな…と残念に思った。

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