INFINITY WORLDあたしとお見合い
【相田side】
十一月の下旬。来月に入れば二学期の期末テストがあり、十二月はなんと言ってもWCが予定されている。
去年は優勝する事が出来たけど今年の夏のI・Hは一回戦敗退しちゃったし、気持ちを切り替えてWCに向けて日々酷な練習や何度か合宿を行い鍛錬している。鉄平が抜けたのとキセキの世代が本領を発揮している事で去年よりも更に勝利の確率がぐんと下がっている。
でも負けてない。みんな日々進歩してるし火神君もキセキの世代同等に本領発揮してるし。今年のWCも負けないわよ。
私達三年生は受験を控えてるけど、WCまで残ると決めたから今まで通り毎日部活だ。今日も今日とて部活に打ち込み、一年二人も入部して随分経つしそれはもうみんなに馴染んでいる。
それにしても、もう直ぐ十二月かぁ。早いな。私は成績に問題ないし先生にも志望大学に余裕を持って入れると言われているけど、みんなが少し心配。勿論部活だけじゃなくて勉強に当てられるように、また体を休められるように定期的に休みを入れているけども。
それともう一つ、今後の事について心配な事がある。来年からの誠凛の監督、どうしよう。パパに相談してみようかな…。
ピロリンリンピロリロリン
部活終わり、みんなで校門に向かって歩いていると携帯に着信があった。画面を見てみるとそらさんの名前が書いてあり、迷わずに画面をタップして電話に出る。
「はい、リコです」
『もしもし?リコぴん今大丈夫?』
「はい。どうかしましたか?」
『ちょっと話聞いて欲しくて…』
「また何かありました?」
バスケットボール教室の時に宮地さんから公開告白をされていて、そらさんの困惑する様子を見て私は恋愛についてまた桃井さんと話を聞くと言った。その後時間がある日に三人でそらさん宅で話をして、状況整理をしたから誰からアタックされているとかそんな話は一応聞いている。
そらさんの電話口の声が少し低いのでどうしたのかと思いそう聞くと、暫し悩むように唸ってから再度言葉が発せられた。
その言葉に、あたしは目をひん剥く事になる。
『あたし明日さ…お見合いする事になって…』
「え。………えええええええええ!!?」
「「!!?」」
私の声に吃驚した全員があたしを振り返る。私はあんぐり開いた口が塞がらなかった。
【伊月side】
カントクの叫ぶ声に吃驚して振り返ると口をあんぐり開けて固まっていた。
「か、カントク?」
「…ちょ、ちょっと待ってそらさん!今から家行きます!そこで話聞きますから!」
日向の声に反応する事なくそう言って電話を切ったカントクは、オレ達に向き直った後興奮したように言った。
「そらさんがお見合いだって!!」
「…え?」
「「おっお見合いいいいいいいい!!?」」
オレは勿論それを聞いて全員が叫んだ。黒子とか一部は叫んでないけど。
お見合いと聞いて何故だという言葉しか出なかった。だってそらさん、そんなの断るタイプじゃないか。見ず知らずの人とわざわざお見合いなんてあり得ない。別に結婚を急いていたわけでもあるまいし。
何だか胸がムカムカする。
「オレも行く」
「オレ達も行くぜ!」
「全員は駄目!そうね…三年生だけで行くわ」
「「ええ〜」」
「何か文句あんの?」
「「イエ全く」」
オレがそう言うとみんなが行くと言い誠凛全員が行く流れになり掛けたが、カントクの言葉で一蹴され三年だけで行く事になった。黒子とか特に不満そうな顔をしている。カントクは気付いてなさそうだけど。
とにかくオレは直接話を聞ける事に少し安堵した。納得いかないからな。
ハッ!労働組合が慄く見合い…キタコレ!!
「伊月黙れ」
「オレ口に出して言ってなかったよな!?」
勝手に心の中を読むなよ日向!
そらさんなら絶対笑ってくれるぞ!…多分。
そしてその足でそらさんの家に行くとそらさんがやや疲れた顔をしながら家に上げてくれた。
どうやら見合いの話は前の喫茶店の店長からお願いされたもので、何でも店長からよくそらさんの話題が出る事で親戚の人が興味を持ったらしく、是非お見合いで仲を取り持って欲しいとお願いされたらしい。そしてそらさんに話が回ってきたという事のようだ。
相手はそらさんよりいくつか上の人らしい。そしてお見合い写真をもらってきたらしいので、みんなでそれを見る。
「「(い、イケメンだ…)」」
いかにも何でも出来そうな感じの…身近な奴で言えば赤司みたいな人だ。しかも大人の気品というか、そんなものを写真からも感じる。流石あの店長さんの親戚というだけある。
「マスターにはお世話になったしどうも断りにくくて。取りあえず会うだけ会ってみて欲しいって言われたから行くんだけど」
「何時から?」
「明日の17時から。その前に着物の着付けしてもらうからもっと早くに行く予定」
コガの問いにそう言うそらさんは堅い場が苦手だから気が重い、流石にマスターの親戚の手前粗相出来ないと随分緊張している様子。
既に疲労している様子を見て、オレは咄嗟に言いそうになった言葉を飲み込んだ。「見合いになんて行かないでくれ」「行く必要ないだろ」と言えればどれだけ楽か。他の奴らも同じ心境なのか顔が若干歪んでいる。
今まで当たり前みたいに近くにいたそらさんが、いくら店長の知り合いとはいえ見知らぬ男ともしも結婚なんて事があったら…駄目だ。先が見えない。
だからと言ってオレ達のバスケ関係の中から誰かと結婚とかいいのかって言われればそれも少し違う気がする。そらさんに懐く以上の感情を抱いているであろう紫原とか見てて面白くないし、もし将来「結婚しまーす」とかイチャイチャしてるの見たら冷静を保てるかどうか…。何にしても面白くない。
「大丈夫ですよそらさん。普通にしてればいいんです。普通にお話しして普通に食事して帰ってこればいいんですよ。特別何かしようとか思わなくてもありのままのそらさんを見てもらって、それで好意があるっていうならまた真剣に考えればいいじゃないですか」
「…そだね。わかった、普通にしてくるよ。今日はわざわざ来てくれてありがとね。聞いてもらったら楽になった」
いつもの笑顔に戻ったそらさんに安堵しながらカントクの言葉を思い返して静かに息を逃した。普通にしてて魅力があるからそらさんの周りに人が集まってるのが現状なんだし、普通にしてただけでも好意は寄せられると思う。そらさんは何が人を惹きつけるかわかってなさそうだし。結果が目に見えているようで明日が心配だった。
そしてその日は夕食を食べて行かずそのまま帰る事に。みんなで歩いていると隣にいたカントクがオレの顔を覗き込んで声を掛けてきた。
「いいの?伊月君」
「?何がだ?」
「そらさんのお見合い!一番面白くなさそうな顔してたけど」
そうかな。他の奴と似たようなもんだと思うけど、と思いながら他の奴らを見てみるとウンウン頷いていた。な、何だよ。
「嫌なんでしょ?」
「そりゃあ…って、それはみんなも一緒じゃないのか?」
「そうだけど、伊月君のは何かちょっと違う気が…」
「…?」
「…まあいいわ、その話は置いといて。私も気になるし、明日見に行くわよ。あとこの話は他校に話さないようにね。後々面倒だから」
「!?まさか見合い会場まで行くのか!?」
「当たり前でしょ!知らない人にそらさんを易々と渡せないもの!部活帰りに行くわよ!」
「ええええ…」
明日は土曜日。部活は一日練習だが終わるのは平日の部活より早いので行けると言えば行ける。会場の場所聞いたし。
行ったところでどうなるんだ?と思いつつ、直接この目で見届ける事が出来るならそれもありかもと思いながら帰路についた。
「此処ね」
翌日の部活後。オレ達は会場であるとある料亭に来ていた。時計は17時前を指しておりもう直ぐ見合いが始まる。
今いるメンバーは誠凛全員だが、十人以上いるので団体行動は目立つという事で、数名ずつに分かれて侵入する事になった。
明らかに高そうな料亭なので勝手に入っていいのか心配だったが何かあったらそこは臨機応変になんとかしよう。ちなみに服装はジャージから着替えて、各自なるべくはしたなく見えないように身嗜みを整えている。
連絡手段でLINKを使う事を確認してそして各自分かれて行動を開始し、オレは黒子と火神の三人で忍び込み中庭の木の陰などに隠れた。
「あ、来ました」
黒子の声を聞いて視線を移すと広い料亭の廊下、というか縁側を歩いてくる女性と男性。店長とそらさんで、紺色の着物を着て歩き難そうに歩いている。でもよく似合っている。こんな状況じゃなく見られたらよかったのに。
すると丁度いい事にオレ達が隠れている付近の部屋の襖を開けて中に入った。しかも襖は開けっ放し。庭が綺麗だとか何とか言ってる。
「綺麗ですね」
「大人しくしてりゃな」
黒子と火神が話す内容を聞きながらオレの視線はずっとあの部屋に向いている。そらさんが座った対面に男性が座っていて、優しく微笑みながら会話を始めた。あの顔は正しく見合い相手。生で見る方がイケメンだ。この世の中は不公平だな全く。
「伊月先輩、顔が怖いです」
そんな事ないよ黒子。オレは至って冷静だ。
そして見合いが始まり、内容はよく聞こえないが楽しそうに話している。店長とそらさん、男性とその父親っぽい人の四人で食事をしながら会話しており、時折賑やかなおじさんの笑い声が聞こえてくる。
「もう少し近付こうぜ。何言ってるかわかんねえ」
火神の声に頷き忍び足でささっと縁側の下に移動する。まるで忍者だ。黒子は陰が薄いので堂々と歩いていたが全然気付かれていなかった。こういう時に便利だなお前は。
「そらさんは素敵な方ですね」
「ええ?そうですかね〜」
「話に聞いていた通りの方で笑顔が素敵ですし、面白い方です。それに18歳の年齢の割には落ち着いてらっしゃいますし」
「あはは。よく言われます」
普通の会話だな。まあそらさん中身成人越えだし落ち着いてて当たり前だな。オレ達慣れたからふとたまに思うくらいだけど、初対面ならやっぱそう思うよな。
暫く緩い会話を聞いているとLINKの通知が来る。サイレントにしてあるから音もバイブもなしだ。
[店員さんに追い出された]
コガからの連絡で、土田と水戸部の三人で行動していたらしいが運悪く見付かってしまい追い出されたらしい。他にも降旗河原福田は何処に部屋があるか見付かっておらず迷子で、一年二人は連携が取れずで同様に迷子らしい。何やってんだと返信していると、日向からも通知が入る。
[オレとカントク天井裏なう]
オレ達以上に忍者っぽいのいた!!っていうかよく入れたな。しかし二人きりか、上手くやれよ日向。
[伊月黙れ]
あれ!?口に出してないしLINKにも送ってないのに何で!?怖いよ日向!!
すると足音が聞こえ何人かが上を通って行った。
「…今二人きりです」
「え」
黒子の言葉に瞠目する。どうやら店長と父親が去って行ったらしく、今そらさんと男性の二人きりらしい。こ、これはよくある「後は若い二人に任せますかな〜」「そうですなぁ」ってやつじゃないか!
「そらさん」
「あ、はい」
「僕はあなたを気に入りました。今後二人きりで食事でもどうですか?」
「え、と…二人っきりでですか?」
「はい。二人きりで」
そらさんが困っている。助けに行きたいが此処で飛び出したところで何も解決しない、というか追い出されて終わりだ。
「え、あの」
「はい」
「近くないですか?」
「そうですか?お隣に来たかったもので」
足音がしたと思ったらそらさんの隣に移動したらしい。
「あ、あたし実は幽霊が視えるんです!霊感あってあたしといると不幸な事に…」
「そうなんですか?それは特殊な能力だ。きっと将来授かる子どもにも特殊な能力が備わる事でしょう」
こ、子どもおおおおお!?
何を言ってるんだあいつは!
「ひ…」
「ひ?」
「引くわァァァァァ!!」
「ボルシチ!!」
そらさんの叫び声が聞こえたかと思えばドガン!!と何かにぶつかる音が聞こえて一同目を見開く。音がだけしか聞こえないので何が起きているかわからない。
「っていうか自分の子どもに霊感持って欲しいなんて思わないでしょうが!!霊視えるだけで大変だってのにっ!!」
ズゴン!!
「バルサミコ酢!!」
「早速子どもの話とか引くわ!!ドン引きじゃ!!己は何処ぞの変態法師かァァァ!!」
バゴン!!
「ベルガモット!!」
幾度かぶつかる音が聞こえて只事ではないと顔を見合わせる。恐らく聞くだけだがそらさんがキレて殴っているのかもしれない。変態法師というのは恐らく漫画の話だろう。
LINKで日向達からも止めた方がいいんじゃないか回ってきていて返事するより早くオレはそこから飛び出た。
「そらさん!!」
「え?」
襖が開きっ放しの部屋を見るとそこには頭を机に叩き付けられ両断された机に埋めるように頭を押さえ付けられて、頭から血を流した男性とそうしたであろう当事者のそらさん。
流血…暴行…殺人罪…!!
一気に罪名などが脳内を巡りそらさんが犯罪者になってしまうと青ざめた。
「そらさん!逃げましょう!」
「え?何で?」
「こんなにして…ただでは済みません!急いで此処から早く!」
「こっちに抜け道見付けました!」
「店員には上手く言っとくから早く!」
オレに続いて黒子と火神、日向やカントクが出てきた。みんな惨状を見て顔面蒼白だったが、そらさんは俯き頭を掴んでいた手を下ろすとプルプル震えた。え、?
テッテレーン!
「「ドッキリ大成功〜!!」」
すると何処からか音が聞こえてきてそらさんは机の下から何やらプレートのような物を取り出し、顔を上げた血だらけの男性と二人が笑顔でプレートを掲げた。まるでテレビであるドッキリ企画のように。
「「………は?」」
スパァン
「いや〜よかったよ!初ドッキリにしては中々みんなを引き込んでたよ!」
オレ達が某然としているとそこに隣の部屋の襖を開けて先程退室したはずの店長と父親が笑顔で入ってきて、父親が笑顔でそう言って店長は苦笑しながら佇んでいた。
「え?ドッキリ?」
「うん。誠凛のみんなを騙そうの会でサプラーイズで〜す!」
ドッキリ大成功〜!と言いながら男性とハイタッチするそらさんはそれはもう大層嬉々としていた。
「「「…ふざけんなァァァアアア!!」」」
「ぎゃあああああ!!」
「ほらもう、怒られた」
カントクと日向、火神が目を吊り上げそらさんを戒める。それを見て店長が苦笑しながら呟いた。
聞けばドッキリ企画は喫茶店に行った時に思い付いたそらさんのアイデアらしく、自分が働き出して何もしてこないだろうと安心しきっているみんなに久しぶりに仕掛けてやろうと思ったのがきっかけらしい。何とも陳腐な理由だった。
それに便乗したのが喫茶店の常連(学校潜入で色々してくれた人)で、騙し込む為に店長にも協力してもらって店長のアイデアで親戚も手伝ってくれたらしい。
「本来この方々は真面目な方ではなくふざけた方達らしいです」
「よく動画サイトに友達と馬鹿な事をしてアップして、全国の人々の反応を楽しんでいる者です」
「ちなみに父親役の僕も彼と同年代で、これは特殊メイクです」
見合い相手役と父親役の紹介をされる。そこまでする必要あるのか…と誰もが思った。そらさん忙しいんじゃないのか。案外暇人かおい。
「いつ気付くかな〜って思ってたけど全然気付いてくれないからさ、大袈裟に血糊まで使ってやった」
「叫び声で気付かなかった?ベルガモットとかボルシチとか」
「まあ叫び易い語呂ではあるかもしれねえから…」
変わった叫び声だなとしか思わなかったと言いつつ日向が呆れてもう何も言えない顔をしている。オレも呆れはあるが心底ホッとしている。ドッキリって事は見合いの話は嘘で、何もないって事だもんな。よかった。本当によかった。
「じゃあ全部嘘って事ですよね?」
「うん。お見合いもないよ。しかし楽しかったなー」
「僕は本気でもいいですけどね」
「え」
黒子の問いに答えたそらさんとは対照的ににこやかに笑って見合い相手役の奴がとんでもない事をかました。そらさんは目を丸くさせているが男性は満更でもない顔をしている。
そんなの、絶対駄目だ。
「そらさんは駄目です!他を当たって下さい!」
オレはそう言い切ると辺りがシンと静まり返った。オレは自分の言った事を振り返り勢いで言ってしまった事を理解するとじわじわ赤面してしまい、咄嗟に謝るとその場から逃げるように去った。
…去ろうとしたがついてきていた店長に縁側で肩を掴まれて呼び止められた。
「すまないね、弄ぶような真似をして。でも安心しなさい、そらちゃんにお見合いが必要ない事はわかっているからね」
だからあの子の言った事は気にしないで。そう言うと店長は戻って行って、オレは店長にも気持ちを見抜かれていると知り恥ずかしさのあまり出口まで突っ切って行った。
そらさんはダジャレを笑ってくれる唯一の女性でダジャレを馬鹿にせず一緒にやってくれるいい人だ。だからオレもそらさんといる事が嬉しくて楽しくて、いつの間にかそらさんに惹かれていたのかもしれない。だから見合いの話は面白くなかったしさっきもあんな事言って…あああああ!!穴があったら入りたい!!
その後出口でコガ達と合流して説明を請うみんなを無視していれば戻ってきた日向達とも合流し、ニヤニヤする日向とカントクの視線やじーっと見つめる黒子と火神の視線には気付かないフリをしてそっぽ向きながら帰った。だが全部洗いざらい日向達に暴露されてしまったのは言うまでもない。
そらさんに会った時に合わせる顔がない…。
【そらside】
喫茶店に行った時に話の流れで久しぶりにサプライズ的な事をやりたくなって、そういや昨晩ドッキリ企画のテレビを見てドッキリやりたいなーって思ってたからドッキリやろうって話になって、全校また騙してやろうと思ってやったのが今回の始まり。
みんな笑ってくれるかと思ったら案外本気で心配してくれていたようでリコぴんらにめっちゃ怒られた。頬っぺたビヨンビヨン引っ張られて頭ぐわんぐわん揺さぶられた。死ぬ。
そして何より吃驚したのが俊ちゃんの言葉で、聞きようによってはあたしはあげないと言ってくれたようなものなのであたしも恥ずかしくなった。しかも言い逃げしちゃって…可愛いと思いつつもそういう風に受け取った自分が嫌だった。何でもかんでも恋愛に結び付けてしまいそうで自分が怖い。
その時にリコぴんらに頼まれ、心霊ドッキリや悪戯ドッキリならまだしも恋愛や結婚などに関するドッキリはみんなの心臓に悪いからもうしないでくれと懇願された。懇願までされたら聞かないわけにはいかないが、思えばこれをもしあっちゃんとかにしたらあたしの事が本気で好きだって言ってくれてたし相手ぶち殺すとか殺気立ってた可能性があり、あまりに軽率で危険なドッキリだったと思い知らされた。よ、よかった初っ端の相手を誠凛にして…。
ヘマして怒られるの嫌だからドッキリはもうやめよう。
帰宅後風呂に入り頭からシャワーを浴びながら、俊ちゃんがダジャレ連発するふざけた(本人は大真面目だが)様子ではなく真剣に言ったあの言葉に、また胸がドキドキした。
あたし翻弄され過ぎな気がするけど…大丈夫かな。
ちなみにその時のドッキリはビデオに撮っていたけど、自分達だけの観賞用として撮っただけなので動画サイトにアップはしませんでした。個人情報保護法の為でもある。
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