D+S FF-D New!夢物語


11 王女



 わたしが目を覚ましたとき、ミンウさまが旅立たれてから既に4日が経っていた。すぐにでも追いかけたかったが、それは許されなかった。ヒルダさまの様子がおかしい。わたしが目覚めたころには、女王は気が触れたのではないかと街中で大騒ぎになっていたからだ。
 わたしは侍従長に連れられ、廊下を歩ている。目覚めた報告と、ヒルダさまの様子を看るためだ。


「リリー殿。こちらへ、早く診て差し上げて下され。」

「はい。ヒルダさまは、どんなご様子ですか? 」

「ここしばらくの間、何を話しかけても『うふふ』としか仰りませぬ。会話の内容も理解なさっておいでかどうか……。あの聡明なヒルダさまが、どうなさったのであろうか。」


 侍従長はそう言って、当惑しきった顔でため息をついた。
 事情を聞いているうちに、ヒルダさまのお部屋までやってきた。わたしはノックして扉を開く。すると、おぞましい空気が部屋中に満ちていた。わたしは思わず顔をしかめる。
 ヒルダさまはベッドの端に座っていらっしゃった。微動だにせず、じっと一点を見つめておいでだ。しかし、その目は虚ろで焦点が合っていない。わたしが声をかけても、こちらを向いてはくださらなかった。


「ヒルダさま、リリーです。先ほど目が覚めました。ご迷惑をおかけして、申し訳ございませんでした。」

「……うふふ。」


 ヒルダさまは、表情を変えずに口元だけで笑う。


「ご気分は如何でしょうか。」

「……うふふ。」

「スコットさまも、随分ご心配なさっていますよ。」

「……うふふ。」


 わたしは侍従長と顔を見合わせた。なる程、聞いた通りだ。異様な雰囲気の中、わたしは侍従長と共に一旦部屋を出る。


「侍従長、フリオニール達はいつ頃帰還する予定でしょうか。」

「はて。そろそろ帰る頃だとは思いますが、何故ですかな。」


 わたしは声をひそめて、侍従長の耳元で話す。


「大きな声を出さないでくださいね。……あれはヒルダさまではありません。魔物がヒルダさまになりすましているようです。」

「なんと! それは誠ですかな! ならば、本当のヒルダさまはどちらに……! 」

「しっ。それは分かりません。けれど、あの魔物を放ってはおけません。とはいえ、わたし達ではきっとあの魔物に太刀打ち出来ないでしょう。そこで、フリオニール達ならばと思ったのです。」


 するとそこへゴードンさまが通りかかった。


「フリオニールなら先程戻って来たぞ。今は広間で兄と話していると思うが。」

「ありがとうございます。ゴードンさま。」


 わたしは直ぐに広間へ向かった。けれど、どこですれ違ったのか、結局フリオニール達には会えなかった。スコットさまによると、彼らはヒルダさまのお部屋に行ったそうだ。わたしは急いで引き返す。
 再び部屋に着いたとき、扉の前でガイとマリア、そしてもう一人女性が立っていた。けれど、フリオニールが見当たらない。


「マリア! ガイ!探したわ。ここで何をしているの? 」

「リリー! 目が覚めたのね。ミンウもなかなか強情よね。びっくりしちゃった。ヒルダさまの様子を見に来たんだけど、フリオに話があるそうなの。だから、私達はここで待っているのよ。」

「いけない! あれは魔物よ! 」

「え? 」


 3人の顔に「?」と「!」が浮かんだその時、フリオニールの叫び声が聞こえた。すごく悔しそうだったけれど、何があったのだろう。後で聞いてみることにして、わたしたちは勢いよく扉を開けた。
 マリアを先頭に、部屋へなだれ込む。


「フリオ! 」


 何故かベッドの上で、フリオニールと魔物が激しい取っ組み合いを繰り広げている。マリアが悲鳴のような叫び声で、フリオニールを呼んだ。もう一人の女性も、目を怒らせてベッドへ突っ込んだ。


「化け物め! そうはさせないよ! 」


 ヒルダさまの姿をしていたのはラミアクイーンだった。わたしたちもフリオニールに加勢し、なんとか魔物を倒した。あんなにもおぞましいものがヒルダさまに化けていたなんて、何とも許し難い。
 一息ついたところでわたしはフリオニールに状況を聞いてみた。


「フリオニール。何があったの? すごく悔しそうだったけれど。」

「え? ああ、いや、その……。」


 フリオニールは目を泳がせて、必死で言葉を探しているようだった。小さな子供が母親に言い訳を考えているかのような雰囲気だ。心なしか、顔が赤い。


「大方、女王のふりをした魔物に迫られていたんだろう? 」

「レ、レイラ! 」


 フリオニールは、更に顔を真っ赤にして慌てふためいている。どうやらあの魔物は、フリオニールに色仕掛けをして油断させ、なびいたところで殺すつもりだったようだ。 


「なるほど、フリオニールのスケベ心につけ込んだわけね。」


 わたしがそう言うと、ガイとマリアも口々にはやし立てる。


「フリオ、いやらしい。」

「ほんと。鼻の下伸びてたものね。」


 そう言うマリアの視線は、凍てつくように冷たかった。フリオニールは一瞬で真っ青になり、必死で弁解している。赤くなったり青くなったり、彼も被害者なのに流石にちょっと可哀想だ。


「……女は怖いんだよ。」


 そう呟いたレイラに、わたしも強く共感した。

20140815

一応ミンウ夢のはずなのに、この回は冒頭に名前がちょろっと出るだけとかいう
ミンウさまはミシディアの塔に行きました
結構長いこと音信不通だったようですが、ずっと塔のあの部屋の前にいたんだろうか・・・・

「よし。今日もここで野宿だ。」
いそいそとテントを張るミンウさま
ミシディアの塔のあの部屋の前でしばらく生活
フリオニールがついたらちょうど午睡してて気持ちよさそうに眠るミンウさま
フルパワーで魔力放出アルテマみっけ!
「では少し休ませてくれ。」
テントに戻ってミンウさま午睡再開
フリオびっくり
仕方ないからほっとこうやる気ないなあ
という展開なら平和でいいかもしれないけど面白くないな

更に水とかトイレとか、なんて言い出したらファンタジーでなくなりそらうだからこの辺でやめとこう



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