13 空のまにまに
わたしはシドの飛行船に乗っていた。フィンのお城も、アルテア街も、あっという間に見えなくなってしまった。
窓に張り付くようにして、目の前に広がる景色を眺める。美しい緑や青い海、街や村も空から見ると、まるでおもちゃのようだ。
皇帝は、この世界の全てをおもちゃだとでも思っているのだろうか。皇帝のために、一体どれだけの人が犠牲になったかわからない。
はあ、とため息をつくと、後ろで陽気な声が聞こえてきた。
「あのチビさんが、こんなにでっかくなっちまっちまうんだもんな。そりゃあ、年もとるはずだ。でもおかげで助かったぜ。お前さんがいなけりゃ、俺はとっくに死んでいたからな。」
がはは、とシドが豪快に笑った。腕を組み、計器や地図とにらめっこしながら、スコットさまとお話ししている。
反乱軍は、遂にフィンを奪還した。けれどその直後、皇帝が竜巻を起こして再びフィンを襲った。
わたしは非難する途中でシドと出会った。
竜巻に巻き上げられた燃える瓦礫が逃げる人に向かって降ってきた。わたしはは咄嗟に黒魔法を唱え、瓦礫を凍り漬けにした。そうして助けたのがシドだった。
シドは、父さまの元上司だったそうだ。わたしは覚えていないけれど、シドはわたしのことを知っていた。初めて会った時もわたしを父さまによく似ていると言い、目を細めて喜んでくれた。
街が落ち着いてからも、わたしは時々シドを訪ねている。父さまの事を懐かしそうに話してくれて嬉しかった。
「本当さ。私だって、もしもリリーがあの酒場にいなければ、とっくにフィンで死んでいただろうからね。感謝しているんだ、リリー。」
スコットさまは舵を切りながら仰った。
スコットさまはシドさんに頼み込んで、飛行船の操縦を習っておいでだ。生き生きとした表情にほっとする。すっかりお怪我も良くなって、遂に戦線復帰されたのだ。
わたしがミシディアに行きたいとヒルダさまにお願いしたとき、初めは許可を頂けなかった。フリオニール達が既にミンウさまの捜索に出ていたし、竜巻で大勢の死傷者が出たからだ。
けが人が少し落ち着いた頃、わたしが再び懇願すると、今度はスコットさまからもヒルダさまを説得して下さった。その上、スコットさまは同行までもお申し出下さった。
わたしは恐縮してお断りしたのだけれど、次はわたしを助けるのだと聞き入れて下さらなかった。そして、運の良いことに、その間にシドも新しい飛行船を作っていた。こうしてわたし達はミシディアまで乗せて貰えることになったのだ。
「スコットさま。申し訳ありません。わたしの勝手に付き合って下さるなんて。」
「いいや、そんなことはないよ。私だって、君やミンウに命を助けられたのだからね。次は私の番さ。」
「ありがとうございます。けれど、スコットさまもお忙しいのに。」
「なに、フィンにはヒルダもゴードンもいる。大丈夫だ。それにね、実は私も飛行船に乗ってみたかったんだよ。」
そう仰って、茶目っ気たっぷりにウィングなさった。スコットさまは、子供のようにわくわくしている。乗るどころか操縦までなさっていて、本当に楽しそうだった。わたしはその姿が嬉しくてたまらない。
「ありがとうございます。スコットさま、シド。」
「おう。任せとけ! 」
「早くミンウを見つけなければな。」
もうすぐミシディア領だ。高くそびえ立つミシディアの塔が、遠目に見えて来た。恐らく、あそこにミンウさまがいらっしゃる。現地に着き次第、わたしはスコットさまと共にあの塔に登る。
わたしは覚悟を決め、塔を見据えた。
20140825
スコットさまに続き、シドも生きてました
本当は、竜巻でお亡くなりになるはずなんですが、便宜上生きておいてもらいました
シドさえいれば、空も飛べるはず!と、言うことで(^^)
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