14 ミンウの魂
ミシディアの塔に登り始めてから数日が経った。私は遂に、アルテマの本を封印してあるという部屋の前にたどり着いた。この場所で、そろそろ着くであろうフリオニール達を待っている。
部屋の扉は重厚で、ただ押しただけではびくともしない。扉というよりも、大きく頑丈な壁のようだ。私は魔物が近寄れなように結界を張り、その中で瞑想をして過ごしていた。
ふと、人の気配を感じた。遂にこの時が来たのだ。
フリオニール達がやって来くると私は立ち上がり、彼らの来る方を向いた。フリオニールとマリアが私に気付き、笑顔で大きく手を振っている。その後ろでガイも柔和に笑っていた。さらにその隣にいるのは知らない顔だったが、あの風貌はディストの竜騎士だろうか。
「ミンウ! 無事でよかったよ。皆心配していたんだぞ。特にリリーなんて、見ていられないくらいに落ち込んでいたよ。」
「そうか……済まないな、ありがとう。ところで、そちらは? 」
「ディストの竜騎士、リチャードだ。我々の国も帝国によって滅ぼされた。竜騎士は私が最後の一人になってしまった。」
我々は互いに手を差し出し、固く握手を交わす。
「私はフィンの魔導師、ミンウ。帝国め、惨いことを……。なぜ、君はここに? 」
「封印されたアルテマを取りに来た。抵抗するには、最早これしかないだろう。」
「考えることは皆同じようだな。」
私はその場の皆を見回した。決意に燃える、強い戦士達だ。
少し見ない間に、フリオニール達はみちがえるほど逞しく、精悍になっていた。フィンには彼らがいる。そして、今ではリチャードも加わってくれた。これほど心強いことはないだろう。
「お前たちを待っていた。私の魔力の全てをこの扉にぶつける。上手く行けば、封印は解けるだろう。さあ、下がっていろ。」
「わかった。」
フリオニールは私の話を聞き、黙って頷いた。マリアとガイも後ろに下がり、リチャードと共にこちらを見ている。
私は精神を集中し、全ての魔力を手のひらに込めていく。私を中心に風が巻き起こり、壁や床がビリビリと震え始めた。地鳴りが起き、やがて周囲の壁が少し欠ける。破片が落ちては魔力の波に乗り、宙を舞っている。
精神力と魔力のバランスが整い、魔力が最高潮に達した。私は、私の全てを魔力の塊に換えて放つ。それは強い光を発しながら扉を貫き、大破させた。
轟音が響いた後、辺りはしんと静まり返った。扉がはじけ飛んだことを見届けると、私は全身の力が抜けてその場に崩れ落ちた。
「ミンウさま! 」「ミンウ! 」
視界が反転した。先程まで立っていたはずの場所が、眼前に迫ってくる。だが、直ぐに誰かに抱き起こされたらしく、衝突は免れた。
天井が広がるのが遠目に見えた。フリオニールが焦った顔をして足をもつれさせながら駆け寄ってくる。
そういえば、先ほどリリーの声が聞こえた気がした。意識の端の方でぼんやりと考えていると天井が消え、代わりにリリーの顔が目の前に現れた。
既に意識は朦朧とし始めている。リリーは何かを言っているようだが、もう私には聞こえない。彼女の表情もよくわからないが、恐らく泣いているのだろう。泣かせてしまった事は残念だが、最後にリリーに会う事が出来て私は幸せだ。本当に、こんな所まで追いかけてくるとは、なかなか骨のある弟子ではないか。
身体が暖かい。リリーに抱きしめられているのだろうか。春の陽だまりに包まれているような心地よさに身を委ね、私はゆっくりと重いまぶたを閉じた。
20140830
アルテマめー!くそう!
の、あたりです
相変わらず捏造しまくってます
こんな会話してたのかなー?なんて、思いまして
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