FF-D D+S m-ds New!夢物語


21 望みを託して



 一行はナルシェにいた。
 こそ泥に崖から落とされそうになっていた所を助けた事が縁で、人語を解すモーグリ・モグが新たに仲間に加わった。
 何でも、夢に出てきたラムウという老人がモグに言葉を教え、一行に同行するように言ったという。
 ナルシェの人々はようやく帝国と戦う事に同意した。そして、帝国と渡り合う為には何としても幻獣達の力を借りなければならないという意見で一致した。

「そのためには……幻獣を説得せねばなるまい。幻獣と人間の間に、もう一度絆を作る」 

 バナンはそう言い、ティナの目を真っ直ぐに見て続ける。

「その役割が出来るのは……」

 皆の視線が自然とティナに集まる。ティナは少し俯き、言葉を探し始めた。

「ティナ……」

 エルは小さく名を呼び、彼女を見やった。
 バナンが言うように、ティナにしか出来ないだろう。とは言うものの、あまりにも酷ではないかとも思ったのだ。
 その時、エルの右肩にトンと誰かの手が乗った。振り返ると、エドガーが目配せしている。「ティナに任せよう」と彼は唇の動きだけで言い、大丈夫だよと軽くウィンクした。エルがこくんと頷いた時、ティナも口を開いた。

「幻獣と人間……相容れない者ならば、私は生まれなかった……」

 ティナは顔を上げ、バナンに視線を返す。そして、はっきりと告げた。

「私がやる。私にしか出来ない! 」

 リターナーの面々からは歓声が起きた。ナルシェのガード達はそれぞれ希望に満ちた顔をしている。

「幻獣達を説得出来れば、この戦争にピリオドを打つことが出来る。ティナならば……きっとそれができるはずだ」

 バナンの言葉に、ティナは力強く頷いた。

「魔封壁は帝国の東にある。帝国が監視しているが、なんとか潜り込んで解放してくれ」

 バナンの側に控えていたジュンが一行を見渡して言う。皆、やる気と気合いは十分だ。
 ティナがマディンの魔石を両手でそっと包む。一瞬だけ、魔石が淡く光った。


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