67 巨人
セシル一行は、フースーヤを加えてバブイルの塔へ向かう事となった。バブイルの巨人が、今にもセシル達の青い星を襲おうとしているという。そして、セシルの父クルーヤは、ゼムスの謀略を食い止める為にセシルに力を授けたのだとフースーヤは言った。
しかし、巨人は既に生まれてしまっていた。既にあちこちが破壊されている。セシル達がエブラーナに戻った時、既に巨人がそこにいて、セシル達の飛空挺が飛んでくるのを虚な目で見ていた。
「ひどい」
リディアは甲板から惨状を嘆いた。畜生、畜生と言いながらエッジは地団駄を踏み、他の者もなす術無しと呆然としている。しかし、そこへ思わぬ援軍がやってきた。
「あれは──」
セシルが欄干の向こうを指した。地上にはドワーフの戦車が何台も連なって進軍してきている。地底からジオットが指揮して来たに違いない。
「ドワーフさんたちだ!」
リディアは戦車に手を振った。こうして駆けつけてくれた事が嬉しい。これは最早世界の大問題である。
その時、通信が入った。飛空挺中に響き渡る大声に、一行は思わず微笑み合う。
「ワシが来たからにゃ、心配要らんぞ! エンジン全開じゃあ!!」
「シド!」
セシルは思わずシドの名を呼んだ。通信の向こうでは、シドと、彼の弟子達の気合いの掛け声が響いて来る。
他にもミシディアやトロイアからも援軍がきていて、それぞれシドの飛空挺に搭乗していた。その中には、長老によって救い出されたパロムとポロム、ギルバートもいた。ドワーフ戦車隊には、なんとヤンも混じっていると言う。
「セシルさん」
アンはセシルを見上げる。セシルは微笑んで、もう一度援軍を見渡した。
「ああ、みんなが来てくれた」
地上の戦車は既に火を噴き、飛空挺も巨人への攻撃を初めている。すると、巨人は戸惑い始めた。まさか邪魔が入るとは思っていなかった、とでも言い出しそうな狼狽ぶりである。
「今のうちに内部に入る」
フースーヤは一行にそう告げた。
「なーるほど! 奴の心臓を叩くってワケか」
エッジはポンと手を打った。それならば、とセシルはシドに通信を繋いだ。乗り込むに当たって、シドの飛空挺で巨人の近くまで着けてもらおう、と言う事である。そうしてセシル達はシドの助けを借り、巨人の口の中から侵入した。
巨人の内部で出会した四天王を打ち倒し、セシル達はさらに奥へと進む。何やら広い空間に出ると、大きな球形の物体が三つ浮かんでいた。
「ここが巨人の心臓部、制御システムだ」
アンは身震いした。こんな高度な技術が、月の民には当たり前にあるのだ。魔導船といい、この巨人といい、本当に一歩間違えれば今頃この星はあっさり乗っ取られていただろう。
「でけえ」
エッジがぼやく。この星で、こんな物を見た者はそう多くはない。これまでの生活からは想像すら難しいような物が、素材すらよく分からない物で出来た何がそこに浮いている。しかも、これから壊そうというのだから何とも恐ろしかった。
2024/12/09
D+S FF-D New!夢物語
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