三番目の3
「男の子の好みってどっちだと思う?野鶴さん。」
「うーん、俺じゃなくて虎杖くんだっけ彼に聞いたほうがいいんじゃないかな?」
「えーー聞けないよ〜!!」
「仕事終わりに付き合ってる俺の身にもなってほしいかな。」
はたからみれば兄と妹かそれとも恋人同士か。実際は養父と養子の関係である。そして仕事仲間…それだけなのだ
野鶴の仕事は今日は昼間だった。大概は夜だがそれは依頼者が夜に来てほしいという依頼が多いためである。昼間であったが暇なのが白露しかおらず同行をお願いした
同行するかわりに買い物に付き合ってほしいといった白露のお願いをきいて今ここに至る
「好きなの着たらいいと思うよ。」
「うーん……悩む。」
人の恋路に首を突っ込む気はさらさらない。ないけどもだ、実際彼女の周りの人間は気づいているのだろうかと疑問に思う。いやだってそうじゃないか。俺の学生の頃も先輩達で恋人同士の人はいたよ。俺には関係なかったけどね…だって俺の彼女は2次元だからさ!!……俺の話は置いとくとして
服を真剣に選んでいる彼女のことも知らないままきっと“彼”は彼女に会うのだろう
「ところで白露、もしかして任務だったりとかはしない?」
「絶対ない。」
「即答じゃないか……。」
これでもし任務だったらあまりにもかわいそうすぎる…と思いつつ
「野鶴さーん、いつもありがとう!私もお礼したいな〜なんて。こないだいってたなんとかのカフェここにあるんだよね?」
「ああ、あの漫画のことかい?あるよ。なんたって今一番人気だからねぇ…。」
「予約とれたんだー!」
「はっ!?嘘だろ、俺はりついても予約取れなかったのに!!!!」
「服買い終わったらすぐ行けるからいこー!」
白露の計画通りに動いていることを俺は知らなかったのだ
「うん、いこうか。早く行こう、そこに持ってるやつ俺が出すし」
「本当に、ありがとう!」
いやー、アドレナリンって人をおかしくするよね。俺全日予約落ちたから死んでたんだよ……。そんなところに一緒に行こうっていわれたらそりゃ喜ぶよな!コラボカフェはドリンクについてるグッズとか多いし白露も頼んでくれたら推しのグッズがでるかもだし
白露が引きがいいのか俺の推しを引き当ててくれたし、いや本当に嬉しい
実に充実した休日を俺は過ごしたのだった
「とんだ金は別としてもね…」
「えー、ちょっと野鶴くん。これはどうかと思うんだけども。」
「違う!俺はなんもしてない!!!!悪いのは全部誘惑なんだ!!」
お札がはいってない財布に通帳を広げながら叫ぶ俺
「まんまと白露ちゃんにのせられちゃって〜アドレナリンをどばどば出してたから額覚えてなくて、財布みて、通帳みて現実に気づいたのはさすがに笑うわね。」
涼しげな顔でコーヒーを飲む乙女百合
「まぁ、白露ちゃんも全く出してないわけじゃないし。本当に必要な分は野鶴くんがお会計するまえにちゃんと買ってたんだから野鶴くんがのってくれたらいいなぁってくらいだと思うわよ。」
「いやー、そういうことじゃなくて自分の管理能力のガバすぎに笑う。」
「若人の進展をひとつ押し進めたってくらいにおもって元気出しなさいよ。白露ちゃんも手練れよね、教えたのは私だけども。野鶴くーん、ふふっ。本当に残念なイケメンね、君。」
待てよ、と顔をあげる。俺ははめられたのか…?白露ではなく目の前でコーヒーをのんでいる彼女に。乙女百合に
「仕込みが終わってないから行ってくるわ。」
「ちょっと!!俺、乙女百合さんになんかした!?!?」
「野鶴くんは何もしてないわよ。」
「俺とばっちりじゃん!?」
黒い髪を揺らしながら彼女は俺の部屋を後にした。それをただ目で追いかけながら
「うっ、裏切り者ー!!!伏黒くんのばーーか!!!こんなのあんまりだよ!!」
駅前でそんな声が広がる
待ちに待っていたのに、準備に死ぬほど時間かけたのに。遊ぶ予定は任務に変わっていたのだ
いやな気分だ、そうと思いながらその日ははじまったんだ
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