四番目の2
やっぱりこいつも呪術師なんだなと思った。一般人じゃなくて普通から抜けてしまった呪術師だ。出逢った時はそんな風には思わなかったが
「伏黒くん、私サポートするから。安心して攻撃してね。」
「分かった。」
安心して非日常みたいな世界に背中をあわせて戦っても大丈夫なくらいには変わったのかもしれない
「確認したいんだけども、怪我した人達の程度ってどんな感じ?」
「最初に言わなかったか、聞いてないのかよ…」
「えへ、すみませんでした。次いくところが敵のところだしなんか気になるなぁって。だって元々あの神社にいた何かが原因なら乙女百合さんが勝手に対処してる気がするし…」
「どうしてそう思うんだ。」
真面目な話に変わる。この呪霊は確かにおかしなところが多い。スタンプラリーをした人達限定に襲いかかっているから俺はこのスタンプラリー自体がなにかの術式や呪具があると思ってた。情報が少ない、俺の聞いた話では被害者の怪我は相当なものだった。だったら悪い噂が広がっててもおかしくないはずだ
「とりあえず、被害者の状況を教えてほしいなー。伏黒くん。」
「三回目はねぇぞ。」
「一組目は高校生の男女。別れた後男のほうの顔が別れたガラス片で切られる。」
真剣に聞いていることを確認して俺はさらに話す
「二組目は高校生の男子二人。片方が謎の骨折で足を折る。」
「三組目は成人した男女。女の方の腕から手にかけて骨折と神経麻痺。」
「四組目が事故で死亡ってところかな、もしかして…」
「知ってたのか?」
首を横に振る形代
「乙女百合さんが4は不吉だからもしエスカレートするならってなにかで教えてもらったんだよ。ここからは憶測でしかないんだけどね…」
思い付いたことを話はじめる。町の人達が思ったよりもスタンプラリーについて嫌気がさしているわけではないこと、嫌な噂がほとんどないこと。そこが引っ掛かっているらしい
「多分、確かにヤバい状態なのかもしれないけども6割が普通で4割がまずいなら利益の方が多いから…嫌なことを見なかったことにしようみたいな感じになるかも。」
「じゃあお前の友達から聞いたあの話はどうなるんだよ。」
「あれは多分じゃなくても真実だよ。うーん、極一部まずいだけだからいい話にかき消されてるだけなんだよ。多分この町の偉い人がある程度情報を調整?してるんじゃないかな」
「多分呪霊自体はそんなに強くないけどもややこしいのは大人の事情だよ。お金は誰だってほしいからね。でも呪霊は倒さなきゃ、そうだよね。」
「俺らにきた依頼はそうだからな。」
もし大人の事情がどうだったとしても俺は呪術師だしこいつも呪術師だ
「伏黒くん、なんか気配とかする?みえる?」
「いや全然だな。」
和菓子屋を出た後すぐに最後の目的地の神社に来た。スタンプラリーのカードにスタンプをもらい特別な絵馬と交換する。そしてその絵馬に願い事を書けば叶うというのが最後。
「呪霊とかって条件付きのとかいる?」
「普通にいるぞ。」
「私が願い事書いた時に呪霊見つけて欲しいな。お願いしてもいい?」
「それはいいけど、大丈夫なのか。」
「えっ、なんか手順とか呪術師的にまずかったりする!?」
「そういうことじゃねぇよ。お前、最初あったとき祠の札も素手で破っただろ。用心しろよ。その絵馬が呪具の可能性もある。」
「心配してくれてありがとう。でも多分大丈夫だよ。なんかそういうの効かないらしいし。」
明らかに気になることを言ったが聞けなかった。もうすでに絵馬にペンで形代が書き終わった後だった。呪霊の気配があたり一面に感じるようになった
―今日も縁結び、縁結び。素知らぬ女子は恋の願い事―
「大丈夫、伏黒くん?」
「お前は?」
「全然大丈夫!元気〜!ところであれが呪霊かな。あの鳥居のところにいるの。」
―縁結び、縁結び。それは一瞬のこと―
「そうだろうな。」
鳥居の真下にいる、人ではないもの。呪霊
「罰当たりな娘はお前だな。」
形代の後ろに回り込む呪霊。そのまままっすぐ形代に向かったと思うと一気に呪霊は後退した
「ダメだよ、そんなまっすぐに来たら。後ろでもわかるよ。私の術式は尺沙丈!力の向きを変えれるんだよー。だからあなたの進む向きを後ろ向きにしたんだよね。」
「お前戦えたんだな。」
「なっ、なにそれー!?さすがに伏黒くんでも言っていいことと悪いことがあるよ!!」
「まあ、戦えなきゃ困る。」
お互いに見据えるのは鳥居の真下にいる呪霊だ
「鳥居の真下にいるってことは鳥居の方が本体だったりする?」
「そうだろうな。呪力の感じる力が鳥居の方がでかい。」
「2つでひとつなのかな。あっ、なんか増えてる!!」
鳥居の幹から分裂していくのは絵馬だ。絵馬の紐の部分が変化していく羽になる。敵が増えた
鳥居の真下にいる人型ではない蛇のような呪霊に蝶のような絵馬の呪霊
「鳥居を潰した方が早いね。私の術式は攻撃力はそんなにないから伏黒くん頼んでいいかな。」
焦りはなかった。冷静な形代に安心した
「伏黒くん、私サポートするから。安心して攻撃してね。」
「分かった。」
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