1番目の5
「なんか、なんかなぁかっこわるいな。」
なんでもとは思ってはないけれど、一応やると決めてこうも簡単に助けられちゃったのがかっこわるいなって思う
腕を後ろに組んだり、ぶらぶらさせながら私を助けた人の後ろを歩く
高校生なのかな、学生なんだろうなって思うんだけど。色々と宛のない想像をする
「あのね、助けてくれてありがとう〜。」
沈黙が気まずくて話しかける。あれ、これさっきも言ったけ。坂道を駆け寄ったから息が切れそうだった
「…そういやさっきもおんなじこと言ったけ?」
「お礼を言われるほどじゃない。」
「ふーん、そっか。」
機嫌悪くても仕方ないか。だって私の関係で巻き込まれたんだもんね
「やっと来たわね、遅い!!」
「伏黒、大丈夫だった?」
「私がいうことじゃないけどあの場においてくの危ないから連れてきてくれたから遅くなっちゃったんだよ〜。色々迷惑かけてごめんね、えっと…詳しくは知らないけど巻き込んじゃったの私だよね…?」
間に立って軽くおじきして謝った。今言わなきゃ後々気まずいような気がしたから
「全然、気にすんなって!無事そうでよかったじゃん。」
「私たちが勝手にしたことよ。はい、そんなにしおらしくしない!!」
いい人達だなって思った。自分とは全然違う
「君も、君のお友達も優しいね。」
少し振り向いてそういった
「あーこれこれ、あってるよ。ヤクザの下っぱさんが隣町のヤクザと喧嘩して壊したやつ。」
話に聞いていた祠の前に来た。
「結局呪霊は俺と釘崎が倒したからさそれはいいとして…形代だったけ?」
「うん、あってるよ。どうしたの?」
「その話だと多分これ壊したからあの呪霊が出てきたんだよな?」
「……専門的な話は知らないけど多分そうだと思うよ。残りカス?足跡みたいなのを追ってここに来たらいたから」
「なにがきになるのよ。実際そうじゃない?思ったより壊れてはないけど扉のところとか壊れてるし。」
「いやだって喧嘩したらもっと派手に壊れねぇ?」
不思議には思っていた。話に聞いていたよりも祠はホコリと朽ち果てた感があれどもボロボロじゃない
「もしかすると誰かがわざと開けたとかか?元々呪霊がいた札を誰かがはがした…」
「陰湿〜。ヤクザ同士の喧嘩ならそんな不思議パワー借りなくてもいいのにね。車で待ってるだろうから呼んできたら話聞いた方が早いと思うよ。」
車がある方向を目で探していると
「ヤッホー!!!!悠仁、伏黒、野薔薇、元気にしてた?」
「ほぁっ!?!?目の前に人!!ってあっ…」
ドスッ
普通にこけてしまった
「いたーい。えっと、どちら様?サラリーマンぽい人と違う新しい人だ〜。」
「それ七海のこと?めちゃくちゃうけるんだけど。」
七海…それがあのサラリーマンぽい人の名前なのかな。そういやちゃんと名前聞いてないから知らないんだよね
「他人のことをそんな風に呼ぶのはどうかと思いますが。」
「だって、名前知らないもん。」
「すみません、今日来るの七海さんだけじゃなかったんですか?」
話を変えてくれてちょっと助かった。そんなつもりじゃなくてもこのまま話続けるのしんどかったし
「事情が変わったんだよね、そこの祠のことなんだけどちゃんと確認して破棄しようと思って。」
「ふーん、ヤバいやつなんだ…?」
しゃがんで祠を見た。開けられてるのは上のところで二段目には札が貼られている
「じゃあ、ちゃっちゃと終わらせちゃお。」
ベリッ、ベリッ
勢いよく札を剥がす
「はい、どうぞ。」
「おっ、サンキュー。」
何気なく行われるやり取りに周りは絶句している。それがなんでかは形代はわからなかったのだ。素手でなんの対策もなしに札をはがした。知らないだろうから仕方ないが、五条悟が確認したいと言ったということはそれなりにヤバいやつである
「いやいや!!なんで素手でさわってんだ???」
「中からなにかでてきたら危ないかもだけどただのお札だよ。ほら、なんともないし。」
実際なんともなかった。悪い予感もしなかった
手を広げて見せてみる。反応がイマイチなのはなんでだろう
「あーものの見事に空だね。情報源が確かなら呪物くらいあってもおかしくないと思ってたんだけど。」
「…嘘の情報を掴まされたんですかね。」
「七海もわかるだろうけどそんなことするようなやつじゃないでしょ。」
自分をよそにされる会話を聞いてないふりをする。そしてちらちらと自分を助けてくれた彼を見る。もう少しだけ話をしてみたいなと小さな欲が溢れるけども、一番嫌悪感を抱いてるのは多分彼で…うーんでも名前ちゃんと知りたいな
でも数日の知り合いなのは変わらないのだ
「…あの、色々迷惑かけてすみませんでした。詳しくことはよくわからないんだけども素人がてきとうにやっちゃいけない感じでしょ?私が下手くそしちゃったからこんだけの人数きてる感じだし………。」
さすがにこれだけ大勢巻き込んでいて帰りますといえるほど図太くはなかった。善悪の判断やその場の空気が全く読めないわけじゃない。お母さんもしてもらったことにちゃんと感謝するべきだっていってたし
「えっと、…ありがとうございます。」
頭を下げる。そして顔をあげる。大人達の笑った顔が見えた
なんで笑ってるんだろ、なんかおかしかったかな。不思議に思ったけど帰らなきゃだし
「……じゃあ、帰りますね。お世話になりました〜!」
帰ろうと背を向けたはずなのに足が進まない
「形代白露。」
「そうだけど…??」
「呪術高専に入らない?んで、才能あるし呪術師目指せばいいじゃん。」
呪術高専…呪術…高専?高専ってたしか専門的な技術教えるとこじゃなかったけ電気とか機械系とか…なんで呪術?
「……?えっと、…えーと。」
「五条先生、まったくわかってないと思う。」
「悠仁のときと全然違うな、そりゃ状況が違うからか。」
「もう山に用はないのよね?降りましょ。」
「それもそうだな。五条先生、一旦降りながら説明した方がいいんじゃないですか。」
「…なんか話が進んでるような。」
こうしてよくわからないまま山を降りて、待っている車を出したヤクザ二人組のところまで戻ったのだった
「形代!!!!!お前無事やった〜!!」
「形代になにかあったら俺ら殺されるところだった……。んで人数増えてないか!?」
「私もよくわからないけど助けてくれた人だからみんなのせて送ってよ〜。別にいいよね?」
「おう、大丈夫だぜ!!ほら全員乗った乗った。」
うたた寝しそうになる。でもここで寝るのはなと思いつつ。ポケットの膨らみを触った、なにもいれてないけどなんかごたごたしてたからお金とかいれてたかもしれないな
感触は紙
‐次はお前だ、お前だ。お前が人をヤメルのだ‐
「………。」
窓を開けて放り投げる
「エアコンかけてるのに窓あけんなよ。」
「ごめん〜、だってこの車こないだ買ったのでしょ?葉っぱだらけだったから捨てたくて。八乙女さんそういうのうるさいじゃん?」
「それならいいけどな。」
「しめるから許してよ〜。」
どうやらお札はちゃんと私に効果を発揮したみたいだった
「どうせ、どうにでもなるよ。決めるのは私だもん。」
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