1番目の4
「……くれぐれも気を付けるように。私も今から向かいます。」
「七海、僕も次の仕事が終わったら合流するよ。」
「忙しいんじゃなかったんですか?」
「なんか嫌な予感がするんだよね。じゃあまたあとで。」
そういっていつの間にかいなかった
「私も行きますか。」
死にたくない
死にたくない
でも時々考える。死んだ後のことを、わからないから想像を繰り返してそんなことないなって笑うけども
はっきりと明確にこの後どうなるかってわかったらそれはとてもとても怖い。難しいことがわからなくても
投げ出された体が地面に落ちたらどうなるかはわかるでしょ
昔のことを思い出す
「ただいま、お父さん、お母さん。」
小学校五年生。なんでもない日常を普通に過ごしていた。学校から帰った日なぜか返事が返ってこない両親を不審に思うけれど、そのまま家にすすんだ
動かない二人分の体を見て硬直した。いまでもそれがどういった状況なのか思い出せずにすぽんと抜けてしまっている
なんとか救急車をよべたところまでは覚えているけれど
今の私はこんな誰もいないような場所で両親のように動かなくなるのか
「―!!」
遠くで誰かの声が聞こえた
「伏黒、七海さんには電話した。」
「ありがとな、虎杖。」
「で、確か祠の話の続きだったわよね?」
車に乗り裏山に向かう虎杖、伏黒、釘崎の三人
「あんたら本当にあそこに行くんです?」
「マジあそこ不気味だよな、昼間でも暗いしよぉ……」
運転席と隣の助手席に座る男二人はそういった
「形代もよく歩きでいくよな。俺らが血塗れて帰ってきても平気な顔してるだけあるけどなぁ。」
「この距離を歩いてって、見かけによらずにタフよね……。」
釘崎の言う通りである
車で連れられているがそこそこの距離がある。山を歩くだけの体力があの見た目にあるとは思えなかったから
ゴロゴロッ
タイヤの摩擦の嫌な音が同時に聞こえる。落石からよけるために急にハンドルを切った
「あぶねぇ…。」
「この辺は地盤が緩いからな。にしても雨なんて昨日も一昨日も降ってねぇから落石するとは…」
止まった車から外をみていた
「この辺に祠はあるからお前ら歩くか?」
「この辺なんだ。伏黒、釘崎、歩いた方が見つかるんじゃね?」
「確かにそうだな。」
後部座席に座っていた三人は降りる
「俺らはここで待ってるわ。形代に山で遭難されちゃあ後味わりぃからな。頼むわ。」
人任せで偉そうなと呟いた釘崎に同意だったが呪霊がいることを考えると一般人を巻き込むのはよくない
「―――!!!!」
叫び声が聞こえる。声の聞こえた方に向かって三人とも走った
目の前に真っ先に入ってきた光景は急斜面から落ちる大量の木と石。土砂崩れだ。そして投げ出された人間の体。形代白露、自分達が探していた彼女だった
「あそこにいるの呪霊だよな!」
虎杖の視線を追う。確かに呪力を帯びている
「伏黒、あの子の方頼む。俺と釘崎は呪霊の方に行く!」
うなずく。別々の方向に走った
鵺を出す。鵺は俺の指示通りに動いて投げ出された彼女の体をしっかりつかむ。俺は近づいて少し抱えてゆっくりと地面に下ろそうとした
青ざめた顔に虚ろな目
「おい、大丈夫か!?」
呼吸はしている
「お父さん…お母さ…ん?ってあれ……?生きてる。うわっ!?こないだの黒髪くんじゃん、助けてくれたの?」
夢から起きたようだった。俺の顔と自分を交互に見ては不思議そうな顔をする
「疲れた〜。君らと別れてから何時間たってるっけ、もう朝じゃん。………ごめんね。」
明るい表情が影を落とす
「いつ死んでもおかしくはなかったんだけど、それが今日か明後日かとかそういう違いなだけでね。実際、今こうして生きてるのが正しいのかわからなくなっちゃった。」
「…俺は正しいと思ったから助けた。」
「……そっか。助けた人が正しいっていってくれるならそうなんだろうなぁ。」
さっきの青ざめた顔に虚ろな目は嘘のようになかった
「ねぇねぇ、あそこで呼んでるの君の友達でしょ?」
伏黒、としつこく呼ぶ二人。あの様子じゃ呪霊を倒してわったがなにかあったんだろう
「行っておいでよ、私ここで待ってるし。」
「いや、また逃げられたら困る。そもそも今回は呪霊を倒しに来る予定じゃなかった。お前のことで用事があったんだ。目的の本人を放っておくわけにはいかない。」
座り込んでいたのをやめて立ち上がり俺の隣に近づく
「わかった、逃げないから大丈夫だよ。ついていくからさ。」
「本当か?」
「本当だよ。」
二人も待たせてる。ここまできて嘘をつくようでもなさそうだ。虎杖と釘崎がいる方にあるきだした。横を見ればちゃんとついてきている。
大人しくついてきている
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