『私の好きな色』ツイステ:エース、デュース、グリム
「お前さ、もっとメイクとかしねぇの?」
「えっ?」
まさに唐突。飛行術の授業が終わって昼ご飯をエース、デュースの二人にグリムと謳歌してるところだった。オムレツを口にいれようとした手がとまる
「なんでそんなに固まってるんだ。」
「逆に聞くけどもしてないように見える?」
「エースとデュースに比べたら地味に見えるんだゾ。」
「…確かにそうだけどもさぁ〜〜〜!!!」
グリムの指摘が痛い。この世界の人達はみんな顔立ちがはっきりしていてメイクもカラーメイク?なにより肌馴染みがいい色というよりかは赤、青、紫とか色を使ってるメイクが多い。私が知ってたのは雑誌で見てるような顔にある程度馴染みがある色のブラウンとかコーラルとかそういう色のメイクが主流だった。
目に見えた世界が色とりどりで華やかだなとは毎日思っていた
これは私の見てたところではというところで実際、世界の違いとか流行り云々ではなく私がダサいからというのも原因がある気もする。
恥ずかしいところメイクというものに縁のない生活を送っていたのだ。高校生にもなり母親に見た目のことを指摘され、そして周りの子達との差には一目瞭然で…思い出しても全身が痛い。何が似合うのかもわからないままメイクをしないことが当たり前じゃなくなった日々に適応するためだけだ。手探りで普通になるために塩梅のいいところでいつも必死だった
「でもさ〜エースとデュースは二人とも顔もいいしイケメンだし何しても似合うじゃん!!!それに比べて私はこれだぞ!!!!この顔!!!!」
「似合うじゃなくてしたいようにすればいいじゃん。」
「俺は青が好きだからそうしてる。ユウもそうすればいいんじゃないか?」
その言葉を聞いてまた固まる。似合うように普通にしなくてもいいのだろうか
「何が好きとかわからないんだけど…。」
わからない。自分のことを考えるのは苦手だ。私のことを答えると、私自身の言葉を伝えるといままで否定しかされなかったから。
最近はこのメンバーといることが案外楽で楽しい。押さえ込んでた自分も少しずつ出るようになってきたけどもそれでも否定されることが怖い自分もいる
「緑とか好きなんじゃねぇの?だっていつも使ってるペンケースとか緑じゃん。」
「確かにそうだな。ハンカチも緑だったんじゃないか?」
「びっくりするぐらいよく見てて逆にビビるんだけども!?」
「ユウの顔が緑色になるの面白そうなんだゾ!」
「グリムの言い方だとゾンビみたいな感じに聞こえるんだけど!!もう…。」
私をよそにエースとデュースがスマホを見ながら化粧品の話をし始めている。私は今すぐするとは言ってないけどなぁ
でも、少し勇気を出してみたい
「うん、緑色好きなんだ。あのさそういう色でメイクやったことないんだけども教えてくれる?二人とも。」
案外、私もそうしてみたかったのかもしれない。
「おはよう、二人とも…変じゃない?」
「前は地味で今にも死にかけな顔だったけども思ったよりもいい感じじゃん。」
「エース、それは誉めてるの??」
「おはよう、……あっユウだったか!!昨日教えた時よりも似合ってるような気がするな。」
「メイク変えたからって見間違うほどにか!?」
「そんなこと言ってるけどもユウ、いつもより楽しそうなんだゾ。」
「まあね、そりゃ自分の好きな色だし?」
好きなようにしていいと言ってくれた彼らに心の中で感謝をする。度々鏡や反射した窓ガラスに映る鮮やかになった自分の顔を見て自分のことがもっと好きになれるかもしれないと希望をもった
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