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 自分が全く知り得なかったことをシニーの口から明かされる。
 知り得なかったというより知ろうとしなかった。今までぼくはシニーの気持ちだなんて考える余裕がなかった気がする。どこかで知ることを怖く思っていたような、知ったらこの世の終わりな気持ちになるような気がして、これっぽっちも聞く耳を持たなかった。
 眠っている間の世界でぼくを追いかけてくれていたこと、そこにいてくれたこと……「追いかける」の言葉の意味も、シニーが今ここにいるのがナランチャのおかげだったことも。胸が熱くなって込み上がるものが確かにある。凄く嬉しくて頬が綻びそう。今この瞬間がナランチャがくれたものだったんだと思うと涙だって出そうになる。
 ジョジョが言うようにシニーはぼくを意識してくれていた。いつの間にかぼくのことを男として見てくれていた。何も知らないぼくは屁理屈ばかり並べて、壁を作って歩み寄ってくれていたシニーに失礼なことを……酷いことをしてしまっている。あんな言葉を聞いたらそりゃあ泣くよな。残酷なことをした。

(妹だって思えば大丈夫だって思ってた。)

 そう決めてそばにいる道を選んだ。

(でもシニーは兄として見たくないって言う……)

 ぼくだって本当は妹として見たくないよ。でもこれしか方法がないんだ。ぼくがおまえを傷付けない方法は。
 一緒に住んでいるのだって兄心のつもりだった。いきなりいなくなってしまったことへの罪悪感もあった気もするけど、そんな気持ちを吹き飛ばす以上に思う気持ちは「一緒にいたい」っていう純粋な気持ちだけだ。それ以上もこれ以上もないって思っていたのに……こうやって話を聞いていたら固く誓った決意だって揺らぐ。これでいいのかという気持ちに苛まれてしまう。
 間違いがない選択肢を選んだはずなのに、シニーから見たらぼくの選択は間違いでしかない。今のままの波が打たない関係よりも、波しか打たない関係になりたいと言う。ぼくの気持ちなんてお構いなしだ。本当自由だよな。
 正解がない問題はぼくには難しい。やっと解けるようになったと思っていたけど、その問題にシニーが乗っかるとまた解けなくなってしまう。たった二択の選択なのにどうしたらいいのか分からない。
 手を出す瞬間がやって来るかもしれないのが怖い。触れられたら咄嗟にシニーを傷付けてしまうかもしれない。女の子だと見た瞬間に自分が「そういうこと」をいつしかすることも恐怖でしかない。どこまでも自分の都合だしシニーからしたら迷惑な話だよ。

(シニーのことは好きだ。)

 全く嫌いという感情はない。ずっと昔から好きだと思う。
 昔は元気いっぱいで活発な奴程度にしか思っていなかったけど、久しぶりに見たらただの女の子にしか見えなかった。ジョジョが愛しげに見ているのを見てこいつ実はモテているんじゃあないかって不安にもなった。正直ジョジョには勝てないって……内心では……

(そうだった……)

 そう、ジョジョには勝てないって思ったんだ。
 ぼくはジョジョを尊敬しているし敬愛している。シニーのことだって天秤にはかけたくないけど同じくらいに好きだ。そんな二人が幸せになってくれることをいつだって思ってきた。ぼくが引いたのはまずそんな気持ちがあったからだった……始めの一歩はこれだったように思える。
 ぼくはシニーを諦めたけど、ジョジョはシニーを諦めなかった。ぼくとジョジョには明らかにシニーに対する見方が違う。何年も避けてきたぼくに今更そばにいる権利だなんてないって思ってしまうくらい仲がいい。でも、それでもそばにいたいぼくはまず始めに理由を探したんだ。そばにいられる理由が欲しいけど他人でそばにいられるだなんて、そんな都合よくいかないしってなった時に浮かんだのが兄でいようという発想だ。妹みたいを妹にしようと必死になった。今となっては昔のことだけど、シニーといられる方法はこれしかないって刷りに刷り込んで……でも今はどうだろう?今のぼくはあの頃のジョジョに負けているのか?シニーの口から出てくる言葉は「ぼくが好き」って言葉で、決してジョジョが好きとは言っていない。
 あの忌ま忌ましいことをしてきた大人は汚かったけど、ここにいるシニーはあの大人とは違う。どこまでも綺麗だしひたむきで、こんなぼくのことを好きだって言っている。男のぼくを……ただ一人の男として、好きを向けてくれている。
 こんなぼくが綺麗なきみに触れていいのか分からない。でもぼくはきみといたい。きみが望む以上にぼくはきみがずっと欲しかった。


「私は街の子達みたいにお洒落じゃないし魅力的な部分とか全くないけど、」


 本当の気持ちはいつだって、ぼくはきみを女の子として見たかった。二度ときみを手放したくなかったからジョジョの命令を破ったりもした。
 あの星はどうなったのか分からない。でも何となく思う。あれは多分、ぼくの願いを叶えてくれる願い星だったんじゃあないかって。きみを守れなかったどこかのぼくが寄越したものだったのかもしれないって。


「私は、それでも……」


 そばにいるためにどうするかだなんて、そんな問題に答えはどこにもありはしない。理屈に適っているはずの答えを言ってしまっても、一度想ったらそんなもの……ただのゴミでしかない。
 妹じゃなくたっていいじゃあないか。他でもないシニーが……ぼくを見付けてくれたシニーはいつだってめちゃくちゃで、張っても張っても何度も壁を打ち破るんだ。きっとぼくが何度もおまえは妹だよって言ったって通用しない。きっとそれ以上の答えを用意して、また壁を打ち破ってくるんだ。

(きみはいつだってそうだよな。)

 ジョジョに勝ったからじゃない。純粋に感じるままシニーに触れたい。


「もうウーゴを諦めたくないって思うよ……」


 そしてきみに触れてほしい。

「……ぼくだって、」

 宝物みたいに大事なきみにならきっと、怖いのだって乗り越えられるから。

「ぼくだって諦めたくない。」

 最初は昔、ギャングになったからにはもう会えないと諦めた。二度目は次はきみへの気持ちを諦めた。
 本人が兄として見ないというならぼくも妹として見ない。触れていいと言うならもう遠慮せず触りたい。女の子として見てくれと言うのなら……ぼくはそういう風に見る。
 勇気を出して一歩一歩、背中を向けるシニーに真っ直ぐ歩み寄る。

「だから話をさせてくれ。」

 もう言い訳もしないし迷わない。正解じゃあなくたって、後悔しない答えをぼくは選ぶ。
 女の子のきみをぼくは愛したい。




******


(まずい……)

 たとえ相手に迷いがなくても私には迷いがある。とにかく逃げたいし遮りたい……慌てて隠れ場所を探すけれど残念ながらこの部屋には何もなくて、あるのは窓と扉と透明のメローネのみ……一番近いのはメローネだけれど透明だから隠れる行為には使えない。申し訳ないけれどメローネ、使えない。
 とにかく後ろにいる人間を……ウーゴを見たくなくて。そう思ってとりあえず逃げようと、立ち上がろうと膝を曲げる。

「っ!?」

 けれど私が立ち上がるよりも先にウーゴは私と距離を詰めてきた。私が腰を上げる前に後ろからその腰に手を回してきて……絶対に逃がさないと言わんばかりに脚を前に出して固定をしてしまう。力が強すぎて逃げだそうにも逃げ出せない。

「や、やだ!離して!離せ!!」

 突然の出来事に頭が追い付かないし少しの混乱もあった。ウーゴがこんなに接近をしてきたのは私が起きた時くらいかな?あの時はまだこんな感情がなかった時で、こんなに慌てたりもしなくて……ウーゴのことを受け入れていたと思う。そしてそれだけじゃなくてお前何様だっていう怒りも少しだけあって、複雑でしかない。

「やだね。絶対離さない。」

 ウーゴは私のお願いを頑なに拒むと、更に力を込めて私をホールドしてくる。肩に顔を乗せているみたいだけれどウーゴの顔は髪の毛で見えなくて、どんな顔をしているのか、どんな感情でそんなことをしてくるのかが全く分からなくて怖い……

(怒ってたらどうしよう……)

 私は怒っているけれど、相手が怒っていたらどうしようっていう気持ちもあって不安になってくる。わざわざここまで来て「おまえは妹だよ」って言われたら、絶対この後立ち上がれない自信があるぞ……何をどうしたって私の気持ちは無駄なんだって言われているみたいで、きっと耐えられない。

「まず最初にぼくはきみに言わなくっちゃあいけない。」

 不安で堪らなくなっていると、ウーゴは唸るみたいな声で話をし始めた。

「インベチーレ。」

 でも内容的にちょっと待てってなる。ここまで追いかけておいて言いたいことがインベチーレとかオルコなのか貴様?

「部屋に入る前にノックはしろ。中にジョジョがおられるんだぞ。いくら親しいからって駄目なものは駄目だ。」

 それって今言うことじゃないよな?まるで思春期の子供を持った父親みたいなことを言われた。

「バスルームに入る前に誰かいないかもしっかり見ろ。前にも言ったじゃあないか、男は危険だって何度も……そこの変態を軽々しく呼ぶんじゃあない。」
「おい待てコラァ。」

 さり気なくメローネをディスり、メローネから言葉が返ってきたらウーゴは腕に力を込めてくる。軽々しく変態を呼ぶなって……だって仕方がなかった。メローネしかさっきまで頼れなかったのだから。

「「きみ」は女の子なんだから、特に気を付けないと。」
(え……)

 全くどうしようもない説教をしていたかと思ったら、いきなり本題に入って私のことを「きみ」って呼んできた。
 きみって……最近はおまえだったのに、何でいきなり元に戻った?何だか同情をされているみたいで嫌だ。

「きみって呼ばないでよ……」

 散々人のことを雑に呼んできたくせに、いきなり丁寧に呼ばないでほしい。

「私は妹なんでしょ?」

 ウーゴの目にはそう映って見えるんでしょ?だったらいいよ雑なままで。むしろそれ以上何も言わないで欲しい。

「そうだな。」

 私の言葉に対して開き直ったかのように、ウーゴがさらりと下げるようなことを言ってくる。

「でも嫌なんだろ?そう思われるの。」

 そしてすぐに私を持ち上げるようなことを言って、腰にあった手を私の手の方に持っていく。そのまま指を絡めて手を握ると話を続けて、思ったらしいことを話し始めた。

「ぼくは自分から触ることは出来るけど、誰かに触られるのは凄く怖い。」

 本当のウーゴの気持ちを静かに教えてくれる。

「シニーと離れて遠くの学校に通ってた頃、嫌な大人に体中を触られて、無理矢理そういうことをされてさ。ぼくが壊れたあの日は関係を迫られて……凄く嫌だった。カッとなって気が付いたら持っていた本で殴ってたんだ。」

 ウーゴの口から気が付いたら殴っていたとか出てくると怖さがある……でもそれと同時に殴っちゃったのは悪いことだけれど、やっぱりウーゴは悪くはなかったんだ。理由があったことに少しだけ安心をしてしまう。辛かったろうなって思う。

「凄く嫌な思い出でさ、なかなか忘れられなくて。だから未だに誰かに触られるとどうしたらいいか分からなくて……怖いんだ。そういうものが。」

 知らなかった。怖かったんだ。メローネが言う通り、ウーゴは私を怖がっていたんだ。

「だからきみを女の子だと思ったら、もしもそういう関係になったりしたら傷付けるかもしれないって……だから妹だと思えば安全だって。そう信じてた。」

 握られているウーゴの手は冷たくなっていた。本当に怖いって思っているんだなって感じる……私が浮かれている時にウーゴは恐怖を感じていたのかな?そう思うと申し訳なさでいっぱいになって、ウーゴの手をぎゅっと握ってあげた。

「でも……」

 私が握るとウーゴは手に力を込めてくる。しっかりと私を掴むように、体もこの手も離さないと訴えるように力を入れてくる。

「シニーはあんな大人とは違うんだよなって、話を聞きながら思ったんだ。」

 少し照れ臭そうな声音でウーゴは言った。

「そりゃあぼくも男だから、女の子のきみにどうこうしたいとかそういうヨコシマな気持ちはある。まだきみに触られるのは少し怖いけど、ほんのちょっぴりなんだ。もしかしたら大丈夫なんじゃあないかとか……きみの気持ちを聞きながらいっぱい考え直したよ。」

 聞いている方が恥ずかしくなるようなことを意気揚々にウーゴは話してくれて、あのウーゴがこんなことを言うだなんて思わなかったから少し顔が熱くなってきた。

「それにこんなやんちゃな妹をぼくは手懐ける自信はないしな。ナランチャですら無理だったし。出来る自信がないよ。」

 ナランチャと私を同じにしちゃうのはずるい。ナランチャの方がしっかりしているし、そもそも私達より年上だ。そうだったにしても手懐けるまでは無理だとしても、紛れもなくウーゴが諦めずにたくさんのことを教えたり与えたりしたのなら、絶対にナランチャに染み付いたものだって必ずあると思う。だってウーゴが好きだって笑いながら言っていた。

「……穢れたぼくがきみに触る資格とかないかもしれない。」

 話をすり替えるように、ウーゴは今度は悲しくなるようなことも言ってきた。

「犯罪だってした。人を殺したりもした。でもきみは綺麗だし……汚したくないって思った。だから好きになれないってそう思って、そう話していたらいきなり現れて飛び出して消えちゃって……意識されてることを知ったら普通は喜ぶべきなのに、この世の終わりみたいに感じてしまって……ごめんな。」
「……」

 この世の終わり……そんなにショックだったのか、私に意識されるのが。聞いたら聞いたでショックだけれど、今までのウーゴの過去と泣きべそを聞いてしまったら確かにとか納得をしてしまう。怖い思いをしてこうなったならもう何も言えないし責められない。
 とりあえずウーゴの気持ちは大体分かった。万が一があっても妹だと思えば手を上げることもないって予防線を張って守ってくれたことも、私とはやり方が違うけれどこれが最善だと思ってしてくれた方法だったんだなって理解した。
 今ようやく落ちてきた。ウーゴはただ私に優しくしたかっただけなんだ。

「ありがとう、ウーゴ。」

 ウーゴは陰ながら愛してくれていたのかなって、何となく感じる。

「でも聞いて?私だって多分穢れてるよ。」

 お互いにお互いのことを知らなすぎた。仲良くしていたって気持ちを理解し合ってはいなかったんだ。メローネの言う通りだった。

「任務でいろんな人の心をへし折ってきたし、消すための手伝いだってしている。それに何よりウーゴになら何されたっていいって思っちゃってるし……ヨコシマなことを考えちゃった時だってあるよ。」

 今度は私の気持ちを言う番だと思って、自分の中で感じたことをぼたぼたとこぼし始めた。

「あのね、ウーゴの笑った顔が好きなの。美味しいものを食べてホクホクしてる時の顔も好き。見られたくない時に見られちゃって慌ててる顔も好きだし、ウーゴの優しい中身だって好きだよ。今の話を聞いてたらもっと好きだって思った。」

 好きだと思う姿がいっぱいある。玄関でずっと私を待っていてそのまま寝ちゃったりとか凄く可愛くてしょうがない。隣にいても邪険にしないところも好きだし、あと、この暖かくなってきたこの手も好き。汚れがない綺麗な手だなって純粋に思う。

「ごめんねウーゴ。ウーゴにもいろいろあったのに私ってば酷いことしちゃったね。」

 私はウーゴに謝ると、ウーゴの方に頭を寄せる。

「いいんだ。ぼくこそきみに酷いことをした。」

 ウーゴもウーゴで頭を寄せてきて、笑いながらそう言って。握っている私の手を優しく撫でてくれた。

「もうやめるよ。妹だなんて思わない。だって妹だったらこの歳でこんなにくっ付けないし、シニーとキスもセックスも出来ない。」
「え、」

 笑いながらとんでもない単語を言われて体がかちかちに固まりそうになる……せ、セック……ってまさかそんないきなりしたいことを明かしてくるとか思わないじゃん!いやでもさっきちょっとはそういうのを想像しちゃったりはしたけれど……恥ずかしい。恥ずかしいのにちょっと嬉しい。

(女の子として見てくれてる……)

 そういうこと、何だよね?キスもセッもしたいって、そういうことなんだよね?しかも昨日望んだばかりなのに今日いきなり両思いっていうのは幸せでしかない。

「キスって言うとよぉ〜、千五百年前のインドの本に四十は「おまえは黙れ変態。」
ディ・モールト酷い。」

 忘れかけていたメローネが何かうんちくを言おうとしたら、ウーゴは凄く低い声で黙らせる。そうだ、メローネがいるのにこんなところで幸せに浸っちゃうとかやばいよね……しかも変態の目の前でセッの話とか、今更ながら見られていたことに恥ずかしさと恐怖心が込み上がる。

「あーっと……アジトに戻らなきゃ、だよね?」

 まだ時間じゃないのに飛び出してしまった。きっとジョルノもミスタさんもてんやわんやで忙しいよね?ここに仕事が出来るウーゴがいるっていうことはきっと事務作業とか貯まっているんじゃないかな?

「いいや?アジトはもう閉まってるよ。」
「え?」

 しかしウーゴは大丈夫だと言ってくる。いつもならまだ扉は開いている時間だと思うからびっくりした。今日って早く終わる予定だったっけ?

「これからSPW財団が来るとかで幹部以下はみんな帰らされたんだ。だから直帰して大丈夫。」

 疑問がっていればウーゴは説明をしてくれる。幹部以下は帰るって……ウーゴって幹部じゃなかったの?普通にジョルノの部屋にいるから偉い階級にいるって勝手に思っていた。
 とにもかくにももうこの場所に用はない。ウーゴは私から手を離すとゆっくりと立ち上がって、メローネを背に目の前に立つと私に手を差し伸べた。

「帰ろうシニー。ぼくらの家に。」

 一瞬家を飛び出して迎えに来たお兄ちゃんみたいにウーゴが見えたけれど、ここにいるウーゴはもう私のお兄ちゃんじゃないんだよね。

「うん、帰る。」

 私の幼なじみで好きな人。もしかしたら別の意味で家族になるかもしれない……人でいいのかな?流石にそれは自惚れすぎかもしれない……
 でもこれから先もウーゴといられたらいいなって思う。もう絶対にウーゴを離したくないし、諦めようとは思わない。

「っていうかオレ、タダでノロケを聞かされただけ?お礼とかないの?」

 ウーゴに手を伸ばすとウーゴがそれを握ってくれて、私が立ち上がるとそれを見ていたメローネが不満そうに報酬を催促し始める。
 そうだよなぁ……話を聞いてもらったんだし、さっきははぐらかしたけどお礼に何かしてあげないといけないよね。凄く大事なことを一応教わったし、相応しいお礼って何がいいかな?

「ああ……じゃあ今度飲み物をここにお供えしてあげます。」
「マジで?オレビッラ飲みた「牛乳でいいな?いいよな?」
それ一瞬で腐るしここに置いたらまずいだろ。」
「じゃあ口と胃袋と膀胱を実体化して……」
「「ホラーだからやめろ。」」
「冗談だってば。」

 それはまた別の機会だ。それはそれとして今日は帰ろう。落ち着いたらまた改めてお礼をしにここに来ます。


 ウーゴの手を握りながらやっぱりあの日追いかけてよかったなぁって、心の底からそう思った。




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