西方に月が沈むまで

2


「そろそろ包帯を取っても大丈夫だね」

 二週間後、ダミアンが枯山水の部屋に入ってそうそう、仁王立ちで宣言する。
 この頃にはふたりとも怪我の痛みは取れていた。傷も大分薄くなっており、たしかに包帯を取っても問題はないだろう。
 言われたとおり包帯を取り去ったジェイソンは、肩の動きを確認するため無遠慮に両肩をグルグル振り回す。
 次兄の様子をみたダミアンが呆れた様に目を細めた。

「まだあまり激しく動かさないほうがいいよ」

「わかってるって」

 末弟の注意に答えたジェイソンが、ニカリと歯を見せて笑う。
 なんだかんだいって兄が心配らしい。ダミアンはため息をつき、次いでディックに視線を向けた。
 足を軽く曲げて痛みの有無を確認していたディックは、緑玉が自分を見据えていることに気づきヘラリと笑う。
 仁王立ちするダミアンに視線を合わせた長男が

「久しぶりに、みんなで集まって食事ができるな」

 と言うと、ダミアンはフンと鼻を鳴らし、照れたように顔を逸らしたのだった。
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美しくなんて死ねると思うな