story.2

ドフラミンゴの部屋を出て海岸に控えてる船の方へと歩みを進めた。
途中すれ違った幹部に挨拶を交わしながら。

「シルヴィア様、話はドフラミンゴ様よりお聞きしました。シャボンディ諸島への出発は整っております。」

『ありがとう、お願いするわね。向かうのはわたし一人だけだから出発してちょうだい』
「はっ!!承知致しました!!
出航!!」

海に浮いている船、ドフラミンゴの使用している船とはまた違うシルヴィア専用のドンキホーテ海賊のマークの旗が掲げられている海賊船へと到着したシルヴィアは、既にその船に控えていた部下に指示を出しシャボンディ諸島へと向けて出発した。



「シルヴィア様!!シャボンディ諸島に到着致しました!!」
『わかったわ、ありがとう。思ったより早く到着したわね。優秀な部下を持てて幸せだわ』
「!いえ、勿体なきお言葉です!!」
「「「勿体なきお言葉!!」」」
『ふふふっ、そんな謙虚にならなくてもいいのに。それじゃあ行ってくるわね』

そう言うとシルヴィアは頭に乗せていたサングラスを装着し、下げていたピンク色のフードを被ると船から降りて早速武器屋へと足を運んだ。背後ではシルヴィアの微笑みと褒め言葉で頬を染めた部下達のお気をつけてと言う言葉が聞こえた。彼等に見送られ向かう先は武器屋だ。



『店主さん、いらっしゃる?』

「!!これはこれはシルヴィア様いらっしゃいませ。例の品は用意出来ております。少々お待ち下さいませ」

シルヴィアが怪し気な武器屋、所謂裏専門の武器屋へ着くと周りに誰もいない事を確認して被っていたピンク色のフードを外し、微笑みを浮かべて店主を呼んだ。
そして奥から出てきた店主がシルヴィアの姿を確認すると、彼女の微笑みに頬を染め嬉しそうな顔になり手を擦り合わせながら声を掛けてきた。

そして取り寄せをお願いしていた商品を取りに再び店の奥へ消え、少し経つと店の奥から出てきた。手には大きい袋を待っていた。

それを見たシルヴィアが更に嬉しそうに微笑みを濃くした。

「こちらになります、シルヴィア様。」
『ふふふっ、どうもありがとう。確かに白狐一族の物だわ』

店主から手渡され、包を取り去りゴミを店主へと渡し二丁拳銃を確認したシルヴィアは満足気に頷きながら嬉しそうに笑い、今まで使用していた二丁拳銃を出し、店主へと見せた。

『この今まで使用していた二丁拳銃なんだけど売ることは可能かしら?』
「えっ!?それは可能ですか、いいんでしょうか?今まで使用していたとなれば愛着もあるでしょうし…」
『ええ、いいのよ。可能ならば是非お願いしたいわ。これからは白狐一族のを使うし、使ってもらう人の手に渡った方が二丁拳銃も喜ぶと思うの』
「そうですか、わかりました。そうゆうことでしたら高くで買わせていただきます」

今まで使用していた二丁拳銃を微笑みを浮かべて撫でながら言ったシルヴィアの言葉に店主は最初はあせっていったが、シルヴィアの言葉を聞いて納得した店主は高くで買い取ることを決めた。
その二丁拳銃は元々高価な物であるため、100万ベリーで買い取ってもらえた。
その金額で満足したシルヴィアはお金を受け取り今までの二丁拳銃を差し出した。

『ふふふっ、今日はとても良い買い物が出来たわ。どうもありがとう』
「いえいえ、とんでもございません!!また何かあれば是非お越し下さいませ!!」
『ええ、その時はまた寄らせてもらうわね』

そういって取り引きを終えたシルヴィアは店を出た。直ぐにドレスローザへ帰ろうと思ったが、せっかくシャボンディ諸島へと来て直ぐ帰るのも勿体ない気がし、部下を呼んで二丁拳銃を売って入手したお金を船へと運ばせ、もうしばらくは周りを見てみることにした。









____丁度その頃バーにて


とあるバーでは今シャボンディ諸島へと集まってるルーキー達の話題が麦わら一味の間でされていた。

「わたしの情報網によると…君達が上陸したことで現在このシャボンディ諸島には11人の1億越えの賞金首がいる」
「えっ!!!?」
「い、1億越えがっ…!!!?11…!!!?」
「んっ……」
「そう。モンキーちゃんとロロノアちゃんを除いても10人もいる」

その話にチョッパーとブルックは驚愕して怯え、ルフィは驚きながらも真剣に話を聞き出す。
更にシャッキーは無知なルフィ達の為に詳しい話を始めた。

このシャボンディ諸島には数々なグランドラインの困難の道をそれぞれのルートから辿ってきた実力者が集まり、新たな道の新世界への扉があるシャボンディ諸島に様々なルートから渡ってきた海賊達が集まる島なのである。
必ずしもシャボンディ諸島からでしかシャボンディ諸島へは行けないのである。

「掛けられた懸賞金で言えばモンキーちゃんはその11人のうちのNo.2よ!!」
「!!?ルフィより上がいんのかっ!!?この島に!!?」
「……」

チョッパーはあまりの驚きに机をバンッと叩き椅子の上で立ち上がる。ルフィは黙って話を聞いている。
そんなルフィ達にシャッキーは更に話を始めた。

「カポネ・"ギャング"ベッジ 懸賞金1億3800万ベリー
"大食らい"ジュエリー・ボニー 懸賞金1億4000万ベリー
"魔術師"バジル・ホーキンス 懸賞金2億4900万ベリー
"海鳴り"スクラッチメン・アプー 懸賞金1億9800万ベリー
ユースタス・"キャプテン"キッド 懸賞金3億1500万ベリー
"赤旗"X・ドレーク 懸賞金2億2200万ベリー
"怪僧"ウルージ 懸賞金1億8000万ベリー
"殺戮武人"キラー 懸賞金1億6200万ベリー
"死の外科医"トラファルガー・ロー 懸賞金2億ベリー
──あと、彼等とは別でもう1人気をつけないといけない人物がいるわ」

「……なんてやつだ?」

数人の名前と懸賞金を挙げた後に、危険人物のことを言って言葉を止めたシャッキーに、ルフィは疑問に思い質問した。
そんなルフィにシャッキーは口を開いた。

「その1人はルーキーではなくて、しかも女の子なの。その女の子は既にグランドラインより更に猛者達しかいない新世界で活躍してる子よ。見た目は人形の様にとても可愛らしいけど、実力はかなり上だから見つけてもし戦闘にでもなったら直ぐにでも逃げ出すことね」
「「!!?」」
「ええええええっ!!お、女の子でっ!!?しかも新世界って!!?」
「おれ逆にわくわくしてきたぞっ!!会ってみてーなァ!!──で、そいつの名前と懸賞金は!!?」


驚愕して怯えるチョッパーとは対照的に、ルフィは逆にキラキラした目をシャッキーに向け先を聞きたがる。
そんな2人をシャッキーは微笑ましそうに笑い、更に続けた。

「"白狐姫"シルヴィア 懸賞金元5億6000万ベリー」
「「!!?」」
「ご、ごごご5億6000万ベリーっ!!?」
「おおおっ!!すっげェェ!!何したらそんなになるんだァ!!?」

驚く彼等にシャッキーは更に続けた。

「彼女はね、今は滅んだ"白狐一族"の生き残りなの。白狐一族の戦闘能力の高さは折り紙付きで、双剣も使用するんだけど双剣の腕は世界一と言っても過言ではない程よ。更には悪魔の実の能力者で食べた実の能力は風を操れる"カゼカゼの実"」
「白狐一族!!?」
「びゃっこいちぞくー?何だそれチョッパー!すげェのか?」
「ドクトリーヌの本で読んだことあるぞ!!生まれつき戦闘能力が高くて火も操れて、高い治療能力を持ってるって!!」
「ぇぇええっ!!?なんだそれっ!!すげェなそいつ!!」
「ええ。だから一族のこと、双剣の腕、悪魔の実の能力などから掛けられた懸賞金は高かったの。彼女は普段は戦闘するのが想像つかない程温和でとても優しい子なんだけど、戦闘になると一変して性格が真逆になって危険だからくれぐれも戦闘は避けてね」

そう言ったシャッキーにルフィは目を輝かせ、チョッパーは青ざめて怯えている。どこまでも対照的である。

「…あれ?でも元って言ったよな?どういうことだァ?」
「いいところに気づいたわね。そう、彼女は今は賞金首じゃないの。王下七武海の1人の懐刀だから」
「「え〜〜〜っ!!??」」
「しかもただの王下七武海じゃなく、王下七武海の中でも"最も危険な男"と言われてる人物の懐刀なのよ。だから、実はモンキーちゃん達が1番気をつけなければならないのは、ルーキー達じゃなくてこの子ね」