君が気づきませんように。
「最近、貴方を見ると動悸が激しくなるんですよ」
「え、それって……!フリンズ、のんびり話してる暇なんてないよ早く医者に診てもらわないと!」
付き合ってもらった秘境探索からの帰り道、ぽつりと呟かれた言葉に思わず肩が震えそうになるのを堪え、大袈裟にそう云い返した。途端にオイラはツッコまないからな、とパイモンから呆れたように云われたが、え?と隣のフリンズと共に聞き返した。ほんとに解ってなかったのかよ!とパイモンが叫ぶのを聞いてほっと内心で息を吐く。あぁ、良かった、バレてない。
――フリンズには、俺なんかより相応しい人がいるから。
だからこれでいいのだ、彼の想いは受け取れない。幸い、向こうもそれが恋だと気づいていないようだから。
どうか、他に好きな人が出来るまで。フリンズがその想いを自覚しませんように、