墓場まで持っていくから、赦してね
「全く、貴方も無茶をされますね。偶々通り掛かったから良かったものの……」
「御免フリンズ、助かった。有り難う」
湧き出たワイルドハントの掃討が完了し、全ていなくなった事を確認して取り出していた武器を仕舞うさなか、戦闘中に駆けつけてくれたフリンズが呆れを滲ませた声でこちらを振り返った。
「無事なのは良かったです。ですがもし僕がいなかったらどうするつもりだったのですか」
「はは……本当に御免ってば」
彼の指摘は尤もだ、フリンズにはかなり迷惑をかけたと思う。だから空としてはただ謝るしかない。
冒険者協会からの依頼が終わって帰る途中のことだった。突如ワイルドハントが湧き出る瞬間に遭遇した。ただ、その湧き出た位置的には見つからず通り抜けることも可能で、本来なら気づかれないよう通り抜けライトキーパー達に知らせるべきだったのだろう。けれど、敢えてそれをしなかった。数的に己の力だけでも余裕だろうと思ったから。実際、最初は余裕だった。だが途中から数に押され、囲まれてしまった。
あ、これヤバいかも。疲労からくる倦怠感とちらつく視界にそう悟った時、空とワイルドハントの間に割って入った影があった。それがフリンズだった。彼のお陰でこうして何とか切り抜けられたのだ。
……助けられた身で云うのもあれだけど。フリンズには、助けられたくなかった。だって、これじゃますます、
「…………なら、傍で無茶しないか見張っててよ」
なんて、ね。
――あぁ、でも。
言葉にも、態度にも出さないから。だから、君を想うことだけは。どうか赦してね、