「…………」
「…………」
「……ねぇ」
「…………」
「ねぇ、ばくごー」
「……ンだよ」
「いつまで怒ってんの?」
「怒ってねぇわ、カスボケ殺す」
「怒ってんじゃん」
「…………」
「声かけられただけで、別に何もされてないよ?」
「そういう問題じゃねぇんだよ…ちょっと目ぇ離した隙にアイツら…!!」
「てか、爆豪がすぐにボコボコのけちょんけちょんにしようとしたから、あの人たち逃げたし」
「てめぇの肩触った」
「あーーー、腕ね、…回されたけども」
「……クソが。だから、外に出たくなかったんだよ」
「爆豪意外とヤキモチ妬きだよねぇ。…いや、意外とって訳じゃないか?」
「好きな女、ベタベタ触られたらムカつくに決まってんだろ」
「お、おぉ……そっか」
「なぁに、赤くなっとんだ」
「こう、改めて好きと言われると照れ…ってか……ちょっと嬉しくって、顔にやけちゃうな……」
「………」
「なにそんな目見開いて」
「……………寮、今すぐ帰んぞ」
「え、なんで」
「ヤリたくなった」
「はぁ!?だ、ダメですぅー!映画観るって約束したじゃん!」
「クソが」
「今日、爆豪とお外デート楽しみにしてたんだから、ヤダ!」
「…ぎゃあぎゃあ吠えんなよ」
「吠えるに決まってんじゃん!映画のチケットも取ったのに」
「あー、忘れてた……チッ」
「舌打ち」
「しゃーねぇな……くそ」
「クソじゃないんですけど。まったく…」
「ボソボソ言ってんじゃねぇ」
「ま、何時もの爆豪だな」
「あ?」
「なーんにも」
「そーかよ」
「そーです。じゃ、行こっか。もう入場時間だし」
「…………」
「…ん?」
「……………手」
「……へへへ、爆豪って、ド直球で自分本位なとこあんのに、甘えてくるとほんと可愛いよね」
「……ほォ?」
「爆豪は苗字名前ちゃんが好きで好きで堪らんと言うわけですな」
「誰もンなこと言ってねぇわ」
「はっはー、嘘だねぇ、かっちゃん」
「…てめぇ、その顔くそむかつくな」
「いやぁー、愛されてるなぁって、ぶきっちょ過ぎるというか超絶恋愛ド下手野郎だけど!かわいーから良い」
「(ぶちっ)」
「……ん?」
「……へぇ、そうかァ。 じゃ、今日はてめぇ覚悟しろよ」
「今日?」
「今から映画観て、適当に飯食ってテメェの好きなとこ何処でも着いてってやる」
「お、おおー??さっきと違って椀飯振舞!」
「そのあとは、俺ん部屋こい」
「………んん?」
「今日は精々泣くまで可愛がってやるわ。ついでに俺んこと可愛いなんて減らず口は二度と叩けなくしてやる」
「………」
「赤くなって何考えてんだァ? 名前ちゃん?」
「ど、…どスケベ!!変態!!」
「お前ん中の俺、どんなことしてたんかなァ?」
「な…!?……こ、こんなんで映画観れるわけないじゃないか!」
「ハハ、ざまぁねぇな。てめぇが見てぇ見てぇって言ってたくせに」
「も、ほんと、馬鹿!」
「おら、もうすぐ上映だわ」
「爆豪の悪魔、鬼、閻魔野郎」
「へぇへぇ。上映中襲ってくんなよ」
「しないわ馬鹿!」