#12 イチャイチャする

「ふ、不甲斐ない」
「名前ちゃん、大丈夫やった? 戦闘訓練、爆豪くんと思いっきりぶつかってたけど……」
「骨折れてた……」
「こ、こっせつ!?」
「リカバリーガールが今日の治癒は体力消耗が激しいから辞めとこって」
「向こうで爆豪くんピンピンしとるけど……」
「人間とトラックがぶつかったら、だいたいトラックは無傷なんだよ」
「トラック」
「にしても、利き手だから、ご飯食べれないの辛い……」
「あ、ほんとだ!」
「ダイニングに来たはいいけど、箸で食べるものしかないや……」
「蕎麦、おうどん、焼き魚……和食のオンパレードや」
「コンビニ、買いに行っても良いかな……」
「えぇぇ、こんな遅くに危ないって!?」
「……ううぅ、ごはん……ごはんが食べたい……ぅ、うぅ」
「ああー、名前ちゃん、泣かんといてー!あ!いいこと思いついた!」
「いいこと……」
「私が、名前ちゃんの右手になる!!」
「……………へ」



「はい、名前ちゃん、あー」
「まって、お茶子ちゃん、まって」
「あーー」
「…ま、まって、ほんと」
「あーーーーー!」
「………………あ」
「あーん。はい、どう、美味し?」
「これはも、照れで、味が、わからん……」
「え、薄かった!? 薄い部分取っちゃったかな……?じゃ、もう一口!あーー」
「(……うぅ、恥ずかしいし、めっちゃ視線バンバン感じるけど)」
「あーーー」
「…あー」
「ん。どう? 今度は美味しい?」
「……美味しいです」
「良かったー!!やっぱり、ご飯って疲れも一瞬でどこかに行っちゃうよね!」
「(お茶子ちゃんが、幸せそうだし……たまにはいいか)」
「はい、名前ちゃん、次は焼きジャケだよ!あー」
「あー」



「秘密の花園かよ、な、緑谷!!!」
「峰田くん、米粒飛ばさないで」