#13 アイスクリームを食べる

「テッテレー」
「あら、名前ちゃん、それ」
「この間ね、買い物に出掛けたら駅前でお姉さんが無料券配ってたの」
「新しく出来たアイスクリーム屋さんね」
「そーです! お姉さんがね『是非、お友達とどうぞ』って。だから、梅雨ちゃんどうかな」
「ケロ、私でいいのかしら」
「うん! 実はね、ここのアイスクリーム、動物を模したデコレーションしてくれるんだけど、そこのカエルのデコレーションが可愛くって! 梅雨ちゃんに見せたいなって!」
「そうなの。嬉しいわ」
「今日の帰り、ご一緒しませんかー?」
「ふふ、喜んで」
「やったー!」



「ということで、アイスクリーム屋さんに梅雨ちゃんとなうだ」
「ケロケロ、名前ちゃんが言う通り、このカエルすごく可愛いわ」
「でしょー?! 見つけた瞬間、あ、梅雨ちゃんに見せたい! 見せないと! って使命感がですね、湧いてきまして」
「嬉しいわ。……あ、こっちの」
「ん? 黒猫?」
「少し、名前ちゃんに似ているわ」
「そう?」
「えぇ、名前ちゃんは猫みたいだって思うの」
「そうかなー?よく犬みたいって言われるけど、ネコは初めてだ」
「私も何でかは分からないの、けど、何となく」
「そっか。けど、似てるって言ってくれるなら、この黒猫にしようかな」
「私は名前ちゃんが教えてくれたカエルにするわ」
「カエルは抹茶だって!」
「黒猫はチョコレートみたいね」
「梅雨ちゃん……」
「ふふ、一口いるかしら」
「−−−! へへ、ありがとう! 梅雨ちゃんも一口どうぞ!」
「ありがとう」
「美味しいね〜」
「ええ。お友達と、名前ちゃんと食べるアイスはとても美味しいわ」