#15 いつもと違う格好

※プロヒ設定

「こちら烈怒頼雄斗、目星い奴は店の周りには居ません…店内に潜入後、引き続き、任務を続行します」
《了解》
「…ふぅ……にしても、潜入調査って緊張すんなぁ……八百万とか耳郎とかよくやるって聞くけど、あいつらすげぇ」
「お客様、おひとり様ですか?」
「あ、えぇっと、……そ、そうです」
「あ。こういったお店は初めてですか?」
「…あ、いや、仲間内で何回かは、あるんですけど、1人では、初めてっす……わ、わかりますか?」
「何となく、初々しい感じが」
「はは……いや、まぁ、ちょっとお姉さんの格好が刺激的って言えば、……あーー、はい」
「当店売りの可愛いうさぎですよ、それに表の看板にも書いてますし。バニーガールはお嫌いでしたか?」
「あ、いや、嫌いとかじゃ……」
「じゃ、ご案内致しますね。んー……こちらの席にどうぞ」
「あ、あー、どうも(やっべぇ、思ったより目に毒な店っていうか……ヴィランまじでこんなとこ潜伏して何してんだよ……)」
「ご指名は如何致しますか?」
「あー、えっと、えーーっと……じゃ、あの、お姉さんで」
「やだー、おめが高いですね〜ありがとうございまーす!それじゃ、お隣失礼して」
「は、はい」
「お飲み物は如何しますか? 生?ピンドン?シャンパン?」
「−−!?あ、あー、えっと!(胸が…! あーーー、やべ、無心になれ)」
「個人的にこのワインが美味しいなって」
「(2.3.5.7.11.13.17……)」
「………切島くん、キャバレーの客が女の子見ないのは、流石にバレるんじゃないかな」
「………………へ????」
「いやぁ、いつ気づくかなって思ったけど、全然気づかないね」
「ま、まて、……その声、……苗字?」
「ご明察、バニーガールの苗字名前ちゃんだよー」
「は、はぁぁぁー?!むぐっ!」
「ちょ、声でかい!」
「−−−!! わ、わりぃ」
「敵には、……バレてないな。あー、焦った」
「……いや、敵って……苗字も、潜入???」
「別件でね。ちょっと外の空気吸いに行ったら、切島くんが入口にいるもんびっくりした。お客様で?って」
「きゃ、客じゃなくって、一応潜入で」
「今日は、でしょ? さっき、こういう店初めてじゃないって言ってたもんねー」
「うぐっ……」
「ま、うぶい感じが可愛いからそんな回数来てないのは分かってるけど」
「……まじ、埋まりてぇ」
「やだ、お客様、お顔が疲れてる〜お仕事おつかれさまです〜!……笑って、バレるから」
「……てか、苗字染まりすぎ」
「全然わかんない?」
「ああ」
「髪は入学当初の色だよ? 巻いてるだけだし。化粧もいつもよりちょい濃いめくらい?」
「女って怖ぇな……全然分かんねぇし」
「てっきり、私指名した時、分かってるもんだと思ったけど違ったしね。融通きかせてほしいもんだと思った」
「全然考えなしだったわ」
「で、切島くんが追ってるの何番テーブル?右端から一番だけど」
「……四の濃い方のグレースーツ。今日、あいつらが動くからその場で取り押さえる算段になってる」
「薄々感じてたけど、私の追ってるのと同じテーブル付いてる」
「マジか」
「どうする?ヒーロー」
「近づきたいんだけど、いけるか?俺、客なんだけど」
「ここの店、特殊だからいける」
「特殊?」
「サービスショーってのがあってね、客が動き回ってお目当てのバニーにサービス強請り放題タイム。どこでもお触りOKにキスも強請り放題。だから、そいつらが歩いたらなるべく切島くんが近くにいったらいける」
「……ちょ、ちょっと待て」
「ん?」
「確認してもいいか?」
「どーぞ」
「バニーに触り放題?キスし放題?」
「yes」
「因みに、苗字ってこの店でなに?」
「バニーガール」
「…………」
「ん?」
「おまえ、俺と一緒に動くぞ?いいな?」
「え、いいけど、怪しくない?」
「良いから!」
「えー? まぁ、触りながら行ったらいけるか」
「…………まじ、今回の任務、爆心地とショート居なくてよかった」
「あー、あの二人、演技とか苦手だもんね」
「…………はぁ、頭痛てぇ」