ファンサしたい

「うちのクラスってみんな顔整ってんじゃん」
「そうなのか?」
「まぁ、モブ女よりはな」
「ちょっと世間一般より顔が整ってるからって調子乗ってんじゃねぇぞ、下水野郎」
「あぁ!?」
「まぁ、下水は無視して」
「してんじゃねぇ!!!」
「整ってるんだよ轟くん。君とか(ムカつくけどそこの男)筆頭に」
「………?」
「おい!!!」
「で、だね。皆顔整ってるから将来ヴィジュアル的にも売れて、ファンが着くじゃん」
「無視すんな!!」
「まぁ、人気が出るのはありがてぇな」
「爆豪は分かんないけど」
「あ!?俺にもファンが着くわ!!!」
「あー、はいはい、着くよ着く着く」
「適当にあしらってんじゃねぇぞ、くそモブ女!」
「で、ファンが着いてどうなるんだ?」
「よくぞ聞いてくれた、轟くん。こう、ファンサのうちわが出んのかなぁって」
「ファサの団扇…?」
「ハっ、何言い出すかと思えば、てめぇ、昨日のヒーローライブ見てたんだろ。このミーハー女!!」
「ここぞとばかりに…だが、ミーハーと言われてもいい。a・rashiがかっこよかった……」
「a・rashi…」
「んでね、みんなもあんな感じの団扇とか掲げられんだろうなぁと思って」
「あんな感じってどんなだ?」
「知るか。俺に聞くんじゃねぇ」
「ん?こう、その自分の推しの団扇に自分のして欲しいことを書くの『バキューンして』とか『ウィンクして』とか」
「あぁ、なるほど」
「で、みんなの考えたの」
「暇かよ」
「轟くんはね、2つで迷ってるんだ」
「どんなだ?」
「『凍らせて』か『燃やして』」
「あぶねぇな。被虐願望でもあんのか?」
「爆豪は『爆破して』」
「なんでそんな危険なんだ?」
「お望み通りしてやんよ」
「私にじゃねぇよ。そんな過激なファンサお断りだよ」
「てめぇが言い出したんだろうが。つーか、テメェのはねぇんか」
「私?」
「あぁ、そうだな。個性的には、強化とヒーラーの部分があるから、俺らより少しはましに」
「『ガンドして』?」
「……行動不能にして貰いたいってやべぇな」
「こいつの頭がヤベぇんだよ」