おこたでゴロゴロ


「おこたでのアイスってなんでこんなに美味しいんだろ」
「違いがわかんねぇけど、何か変わってるか?」
「轟くんには、このくっっそ寒い冬に炬燵という魔の巣窟で、敢えて冷たい物を食べるというこの背徳感が分かんないんだ……かわいそう…」
「俺の部屋の俺の炬燵だ」
「はい、ありがとうございます!ぬくぬくでございます! あ、みかんあるけど要る?」
「…いる」
「はい、どーぞ」
「………」
「あれ?剥かないの?」
「手、出すのさみぃ。剥いてくれ」
「うわ、末っ子気質」
「頼んだ」
「炬燵で顔だけ出して寝転んでるイケメンとか需要しかないよね」
「需要あんじゃねぇか。ならいいな」
「うわ、振り切ってる」
「まぁな」
「てか、私も末っ子属性なんだけどな(前世は)」
「……お前は一人っ子だっただろ」
「まぁ、そうなんですけどね」
「一人っ子は末っ子じゃねぇぞ」
「あー言えば、こー言う。じゃ、轟くん、私の事、お姉さんって呼んでみてよ」
「呼びたくねぇ」
「え、まさかのガチ拒絶。ちょっとツラい…なんで…」
「………そのうち分かるんじゃねぇの」
「そのうちとは」
「早く、みかん」
「くっそ、コイツみかんみかん言いやがって…!そんなに言うなら、剥き殺してやる!!」
「それ、爆豪みたいだからやめろ」