#29 可愛いことをする

「慈善活動で幼稚園っていうのも中々ない機会だったよねぇ」
「ええ。ヒーローは老若男女接する機会がありますから、こういった機会はとても勉強になりましたわ」
「劇用に小道具作ったりするのも楽しかったよね」
「最初は個性でお出ししようと思いましたけど、皆さんと協力して何かを創り出すのはとても楽しい時間でした」
「もう、使わないって思ったらちょっと惜しいなぁ」
「そうですわね……今回で幼稚園の慈善活動も終わりましたし」
「あ、見て見て、百ちゃん」
「あら、劇で使ったパペットですわね」
「この子だけ袋から顔が出てた」
「名前さんが使用してた猫……」
「何回も練習したからちょっとだけくたびれちゃったけど、そのかわり愛着湧いちゃった」
「私も、この猫を見る度に名前さんを思い出します」
「えへへ、そうー?」
「ええ」
「あ、そうだ」
「どうかなさりました?」
「ふふふ。ねぇ、百ちゃんちょっとだけ屈んでー」
「え? こうですか?」
「そう!そんでねーこの子を……えいっ」
「んッ」
「えへへへ、奪っちゃったー」
「そ、それは……いったい、」
「昔、CMで流れててふと思い出したの。百ちゃんのちゅー奪っちゃった」
「そ、その、あの、」
「ふふ、百ちゃん真っ赤かぁいね。もしかして初チューでしたか」
「も、もう!!名前さん!!!!揶揄わないでください!」