フリーハグTシャツを着たよ

「ほー、フリーハグ」

○青山くん
なかなかこっちに来ないので無言でジリジリと壁際まで追い詰めてこちらからギュッとした。凄い顔でこっち見てた。捕食される前のヌーかな。

○三奈
名前呼んで1番に駆け寄ってきてくれるのは彼女。HeyHey〜ハグ、hug〜と休み時間の度にハグしに来てくれる。ハグしてる間にセクハラオヤジしてくるからやり返しもする。クラスで1番ハグしたと思う。

○梅雨ちゃん
梅雨ちゃーんと彼女の名前を呼んだら、ケロケロと梅雨ちゃんも手を大きく広げてくれるので迷わずダイブした。背がだいたい10センチくらい違うから梅雨ちゃんが背伸びしてくれてる。

○飯田くん
「異性に無闇矢鱈と触れ合うのは如何なものか……!!」と論じられたので「救助演習でも触れることは有るよね」と返しといた。ぐぬぐぬ言ってたけど、四の五の言わずハグしよーぜと飛び付いたら受け止めてくれたのでワンカウントはぐ。

○お茶子ちゃん
最初はどんと来い!!って感じで迎れてくれるのに徐々に恥ずかしくなってきたのか照れてる。照れながらもハグしてくれる。赤らむほっぺたが可愛いのでむにむにしてたら、少し拗ねた顔した彼女にむにむにし返された。

○尾白くん
なかなかハグしてくれない。ハグーと駆け寄っていって漸く軽く赤面しながらハグしてくれる。全然体密着しないけど。なのでギュッとこちらが近寄った。ビックリして身体が固まったけど構わず、腰に手まわしたら尻尾があったからモフモフさせてもらった。

○上鳴くん
めちゃくちゃ待ち構えられてるから、したくなくなる。「上鳴くん変なとこ触るからやだ〜」って言ったら「おおおお前、俺の何を見てたの!!!」って怒られる。いや、行動全部考慮してなんだけど。スンとした顔で見たら泣かれたからとりあえずハグして頭撫でといた。

○切島くん
全然ハグしに来てくれないじゃん、君も。純情ボーイの再来かな。とりあえず、上鳴くんと足して二で割っとこうかと思う。こっちからハグしに行こうとしても「いや、まて、待ってくれ!!」と止められる。心の準備がいるらしい。もう10分待ったんだけどなぁ。長ぇ。待ちきれなかったので飛びついた。

○口田くん
「口田くん、はぐー」と駆け寄っていったら慌ててたけど、ハグしてくれた。優しい。顔に似合わずがっしりしてた。これが世にいうギャップと言うやつなのか。結いちゃんともハグさせてもらった。

○砂藤くん
「じょ、女子とハグとかしていいのか?」と恐れ八割照れ二割な感じ。日頃甘いものを恵んで頂いてるので「望むだけハグ、どうぞ!!」と差し出したら照れがどっかに行って呆れが大半。ため息つきながらハグされた。お菓子のいい匂いがしたのでお腹の虫が鳴いた。非常食のチョコレートもらった。わーい。

○障子くん
障子くん、ハグー!と飛んでいったら先手うたれてお姫様抱っこされた。解せぬ。はずかしいです。今すぐ下ろしてください。顔覆った。泣いた。ハグもしたけどハグを楽しむ余裕がなかった。くそぅ。

○耳郎ちゃん
耳郎ちゃんもなかなかハグするのに時間がかかった。耳郎ちゃんと数回名前呼んだら、顔がめちゃくちゃ赤い彼女がギュッと抱きついてきてくれた。うわ、かわい。たまらず耳郎ちゃんの倍くらいちから強く抱き締め返したら、痛いわって頭叩かれた。ごめん。

○瀬呂くん
障子くんの見てたからこいつもお姫様抱っこしようとする。照れてるのがなんか良かったとか言われても知らぬ。やめろください。鬼ですか。逃げようとしたら個性使われて捕まえられた。鬼畜の所業。「あんま、障子のときより照れないからつまんねーな」と言ってるが君の行いが悪いと思うの私。

○常闇くん
「俺とハグして大丈夫なのか……?」めちゃくちゃこっちの心配してくれる。ごめん。体育祭の時、思いっきり怖がったからね。もう大丈夫だよという気持ちをいっぱい込めて力いっぱいハグした。ダークシャドウちゃんも呼び出して3人でハグした。

○轟くん
顔がずっと険しいんだけど。どうしたの。怖いよ。轟くんハグする?と手を開いてみたら、ビシッと固まられた。青山くんの時よりひどい。ええ、しないのかなあと思ってたら、指先に触れる感触があって、すぐ引っ張られた。頭まで抱え込まれて、ちょっとハグの定義と違うと思うの私。「……満足、した」って。なにをなにが。とりあえず、イケメンの微笑は顔が良すぎて、バグった。

○透ちゃん
服以外透明だからハグするの実は至難の業だった。いっかいおでこ思いっきりぶつけてしまった。ごめんね、と言ったら良いよ!!と大きな声で返してくれて、その後直ぐに透ちゃんから抱きしめてくれたので事なきを得た。透ちゃんの肌はすべすべしてる。

○バクゴー
フリーハグに爆豪が来るわけないじゃん。って思ったら、切島くん達に背中押されて来たよ。あの人たち怖いもの知らずかな。こっちに火の粉飛ぶからやめよーか。通常運転の顰めっ面がさらに凶悪なんだけど。とりあえず「爆豪、ほい、ハグ」とお決まりの言葉言ったけど無視された。無視るなら必死こいてあの人たち振り切ってこいや。腹が立ったので抱きついたらめちゃくちゃ身体が固まったの分かって笑ってしまう。「だっせぇー、童貞チェリーボーイくん」と言ったら爆破された。

○緑谷くん
久しぶりにうぶりやくんを拝もうと思っていたのに。雄英に入ってから随分と逞しくなって。ちょっと甘えた感じで「緑谷くん、ハグしよっか」と言ってやったのに、「はい、どーぞ」と両手を広げて待ってくれたので魂胆がバレバレだったようだ。ていうか、緑谷くん、ほかの女子だったら照れるのにな。解せぬ。

○峰田くん
やっべぇ。目が血走ってる。いや、普通にしてくれてたらハグくらいしたのに、ヨダレ垂らしてにじり寄られたら本能的に逃げてしまうのは仕方ない。ひっ、おってきてる。怖すぎる、ホラゲじゃん。ホラゲはディスプレイ越しだから良いんだよ。リアル変態は退散してくれと思っていたら、クラス総出で縛ってくれた。ひー、怖かった。とりあえず、瀬呂くんのテープと百ちゃんのロープの上から1回だけハグした。これで許してくれたまえ。荒神様よ。

○百ちゃん
「百ちゃん、ハグ」と両手を大きく広げたら。ソワソワしながら此方に近寄ってきてギュッと抱きしめてくれた。小動物みたいかわい、と思ってたらほっぺたにむぎゅと圧がきた。おぅ、ヤオヨロッパイ。百ちゃんの方が断然背が高いので、お顔にヤオヨロッパイなんだけど。うわ、すごい……。鼻血でそう。いい匂いする。たいへんだ。とりあえず、身体離して直ぐに、百ちゃんに女子以外とのハグ禁止令を出した。百ちゃんの貞操は女子が守るからね。

○心操くん
野生のしんそーくんをはっけんした。Tシャツみて何かを察知されてしまい逃げられたので、追う。うわ、心操くん脚早くなってないか。修行の成果が出まくりで、意地になって個性使ってしまった。捕まえたら「それは、ズルい」と苦言を呈されましたが、そもそも心操くんが逃げなければ良かったんでね。「罰ゲームとして心操くんからハグでーす」と言ったら心底嫌そうな顔されたけど、ハグしてくれた。「これでいいの?」はい、いいです。

○相澤先生
Tシャツ着て相澤先生のところに行ったら、「俺を犯罪者にしたいのか」と言われた。ハグはしてくれなかったけど、頭は撫でてくれたので良しとした。

○オールマイト
オールマイトの所に行ったら、切り出すより前に「マッスルフォームとトゥルーフォームどっちがいい?」と聞かれた。ノリノリですね。副担任先生は。とりあえず、筋骨隆々とほねほねさん両方とハグした。

○ジャンヌ
Tシャツみてゲンナリした顔で立ってる。そんな顔しなくてもと思いつつ「ジャンヌ、好きなだけハグしていいよ〜」と両手広げたら一言「バカじゃないの?」一刀両断。泣くよ、私。拗ね腐って、「じゃ、もうジャンヌは一生、私とハグしない」と告げたら慌ててた。「だ、誰もそんなこと言ってないじゃない!」と、「ハグなんか、か、簡単よ……!」とボソボソ鼓舞する声が聞こえてきて、可愛かったからここら辺で、すねタイムを辞めてハグした。そしたら、ボソボソが止んで「あ、あんた、本当に私の事が、だ、だ、大好きみたいね!!」なんて鼻を鳴らしてるけど、そういうのは自分で言わないよね。普通。私の相棒が素直じゃなくって可愛かった。

○武蔵ちゃん
「武蔵ちゃん!ハグ!!」「は、ハグ!!知ってるわよ!懇ろの男女が抱擁し合うことでしょ!!米利堅の言葉!さあ、ドンと来い!」「ちょっと待って???」大分と誤解をしてる武蔵ちゃんに取り敢えず正しい情報を提供しておいた。間違えていたことに気づいた彼女が照れた顔して「そ、そうなのね。いやぁー、私ったら、つい、うっかり!!」とそのあとハグしてくれたけど。よく考えたらあの間違えた認識でハグしてくれようとしたのって……。

○マーリン
「どうぞ、どうぞ!!思う存分抱きつきたまえ!なんならそれ以上のことmっ、グッはッ!」なんか口煩い夢魔が居たから個性使って殴った。彼もよく言うし。殴った方が早いじゃんって。私それに倣っただけだもん。彼いわく弟子らしいですし。師匠の言うことはちゃんと学ぶいい子だから。「いい子は殴ったりしないんだよ……」「ヒーローとして変態は撃退しないといけないんだよ」「あの葡萄くんにはハグしてたのに……!」「峰田くんと同じようにクラス全員の個性受けたらハグしてあげる」彼は清々しい顔で「うーん、無理だね!あのはんぶんこくんとバクゴーくんに殺されてしまう!」と潔く諦めてくれた。よし、これでこの男からのセクハラは回避したな。うんうんとうなずいてたが後日起きたら布団の中で抱きしめられて寝てた。
「寝てる君ならハグし放題だと気付いた私って、頭がいいと思わないかい」
よし、殺そう。