意地を貫け
リドウとはいつかこうした本気な戦いになるんじゃないか?って、どこかで思った時が何回かあった
それがまさか、こんな大変な状況下で起こるなんて………
彼に向けるはじめの攻撃として短剣術を繰り出すもあっさりガードされ、骸殻化と共に長く伸びたメスの素早い反撃にバックステップでかわしながら、頭の隅っこでひっそりそう思う
けど、すぐに切り替えて相手がどんな動きで来るか集中した
リドウは次に、遠距離の攻撃術としてダンシング・ベオネットを唱え、四方に術の刃を飛ばす
あの刃はたしか決められた方向に動くはずだ。私はすぐにその場で前方を気にしながらバックステップで後ろに後ろに下がるとなんとか攻撃をかわす事が出来て、私も精霊術で反撃をしようと詠唱を始める
その時リドウはまた何かを唱え出すと、また4つの刃が出現した
さっきと同じダンシング・ベオネットか?と思い、離れてる私には完全には当たらないと自身を持って刃が動く反対側の方を狙ってリドウに近付いた
だが、それが間違いだった
「離れても無駄!バイエル・ベオネット!」
「っ!?」
四方に飛んだ刃から竜巻が出現してリドウの周りを守るように吹き荒れる!
しまった!前の技と最初のパターンが同じだから油断してた……!
まさかの新たな技に驚いた私は、その近付いた距離から逃げられなく、竜巻に当たり全身にダメージを受けた
荒れる鋭い風が止むと彼はすぐに私の後ろに回り込み、精霊術を帯びたメスで斬りかかる
「きゃあっ……!」
身をすぐに低くして転がるように、また彼から距離を置く
そこで左腕が痺れるような痛みを感じて見てみると、赤い線が出来ていた
どうやらさっきの攻撃で切れていたようだった。かわしてなかったら胸まで怪我していたかもしれない。そう思うと怖さから少し寒気を感じたけど動ければ……大丈夫
「ハッ!たしかにな……言ったように、少しはやるようになったじゃねぇか」
ここでリドウが対決前に私が言った言葉を少しは信じようと、感心した様子で軽く頷いてるのが見えた
だけど、それはただ彼の攻撃に耐えたり防いで早々にやられない姿を見てそう判断されたと思う。まだ私からの反撃は当たらないから……実力は甘く見られてる
だからリドウは次で終わらせてやる。と言うように武器を構え直すと
私の目の前から忽然と姿を消した
――――マズい!これは……!
あまり思い出したくないペリューンでの戦いが頭を過り、咄嗟に後ろを向くと
予想通りリドウは私の後ろに瞬時に回っており、6本のメスで十字を描くように斬りかかってきた!
「あ……っ!!」
私は無意識にだけど、すぐに両手を突き出し、素早く唱えた術で氷の盾を出現させる
あまりにも突然な事だけど、しっかり防御出来た自分の行動に自分の頭が追い付けなくて、口から出た言葉は戸惑いを帯びた一言だった
「……本当に上出来になったなぁ!」
氷の盾が出現しても、構わず斬りつけてくるリドウ
なかなか楽しませてくれるじゃないか!と笑う彼の顔は、なんだかとても生き生きとしてて……かつてユリウスさん対決したり分史世界壊しまくった時代もそんな風だったのか?って思ってしまう
やはり向こうが戦闘経験が長い分、長引かせるのは危険。一撃で大ダメージを与えるためには……
そうこう考えてるうちに
氷の盾が破壊されてしまい、粉々になった欠片が周りに飛び散る
「認めてやるよ。お前が強くなったのを……だが、もうここまでだ!」
防御するものがなくなった私に
「楽しかったぜ!あとは大人しく寝てもらうか!―――スパイン・ビュート!!」
最後の一撃としてリドウは秘奥義を繰り出してきた!
「きゃあああああっ!!」
今までとは比べ物にならない速さ、威力で全身を切り裂かれ、空中に投げ出される
このまま落下して次で強力な攻撃を喰らったら、もう立つ体力が…
「(ここまできたのに……彼らにやられ大人しく縛られながらルドガー達の戦いを見てる事しか出来なくなるの?)」
そんなのは………絶対嫌だ!
戻ってきたんだから、最後まで……一緒に戦いたい!
落下する空中の中で
私は思い切った行動に出た