黄昏時に似ている
観測室によると、たしかに分史世界は全て消滅した。との事だ
一族は……いや、ルドガー君とエル。そしてリルが見事に審判を越えたお蔭か
その事にヴェルは最大の敬意を払い、今後について話す
分史対策室の閉鎖についてもだが……まず、この会社の社長を誰が継ぐか
あの人……ビズリー前社長の意思だとルドガー君になるだろうし、ユリウスからの推薦って事もあって話はルドガー君を社長に。という流れが主流になった
本人は「俺なんかに務まるか?」と戸惑いながらも了承する
おいおい……社長が変わって会社が落ちぶれた〜なんてなったら笑い事にならねぇぞ。と頼り無さげな新社長に対して俺が頭を抱えると、ユリウスがすぐに奴を庇いながら俺に言い返す
はいはい良い兄弟仲だな。どっちにしろ前社長の血縁者が会社を継ぐのは何の不思議はないからな
そうした関係の話しを数時間行い、後半はルドガー君のやる事についてがメインになりそうだったから俺はここで席を立ちリルの病室に戻った
明かりが小窓から漏れる病室のドアを開けると
残っていた少女達とスヴェント家の子息はベッド横の椅子に座って寝息を立てていた
はぁ……病室に寝泊まりはできねぇぞ?もう少ししてからこいつらを叩き起こすか。そう思いながら俺は奴らの反対側に座る
「……リル」
俺が名前を呼んでも、リルは変わらず寝たまま
「……いつまで寝てんだ。お前が目を覚まさなかったら、俺が医療ミスをしたと思われるだろ」
なんて思っても無い事を言ってしまう
………分史世界だの時歪の因子だの、一族に課せられたものから解放されたが、肝心のリルが居なければ……俺はここに居る意味がない
これが本音だ
俺も同じだな……さっきまではエルに対して“この結果はリル自身が選んだ選択だ”って思っていたが、結局は……
「クソッ……早く戻ってこいよ……!」
俺は堪らずリルの手を握って、そのまま見つめ続けた