道は続いていく


また突然の事だったから一瞬何が起こったか理解するのが遅かったが、変わらず彼が後ろから抱き締めてるから、今私達がどういう状況か自覚しはじめる




「ちょっと……一体、なんです……!?」




私は驚きながら誰かにこんなところを見られたら大変だと慌てて離れようとした

だけど、彼は離してくれない

本当に……何のつもりで、こんな事を。

怒って突き飛ばしてやろうかと考えた時だった




「なんて言ったら良いか……なんだ、その……」

「ん?」

「リル、お前が……遠くに行きそうって考えてしまうんだ」

「はぁ?遠くに?」




そんな意味不明な事を言ってきた

遠くに……って、素材集めとして行く遠征の事だろうか?でもそれは前からやってるはず

もしかして一緒に行きたかったのかな?じゃあ次は誘おうか。なんて考えられそうな原因と解決を考察する



すると、抱き締めた腕が離れたと思ったら次にその手を私の肩に乗せ、くるりと身体をリドウの方に向き直された


……夕方のせいだろうか。あんまり日はないはずなのにリドウの頬がほんのり赤く見える

表情はどこか気難しそうに眉がややつり上がり目線は下を向いたりして、口は喉まで出てこようとした言葉を言おうか悩んでるみたいだ




「その、なんだ……お前は十分に頑張ってる。だがこれ以上頑張り続けたら、お前は………俺の知らない人間になりそうで……」

「え、なんですか?…………あ!もしかして今開発してるやつの手柄が欲しくて私に頑張るなって言ってるんですね!」




いまいちリドウが何が言いたいのかわからなくて、この人の性格から考えたらそうした答えに辿り着いた

そうだよな〜金が命の人が他人に手柄を譲るわけないもんな〜でもこれはあくまで私が思い付いた開発案だから絶対に引かないもんね!




「違う。開発がどうこうの話じゃない!俺は……」




しかし、あっさりと私が言った言葉に首を横に振った





「俺は………ずっとお前と一緒にいたい!」




そして、下げてた目線を上げて私に合わせてきたと思ったら……

振り絞って出した言葉を全力で投げてきた




「………え」




それは仕事の相棒として?

それとも……




「また何かの目的で近付いてきたんだろうって疑われても仕方ない。だが俺は……リルが俺を助けたように、今度は俺がリルを支えたい!」




彼の言葉は徐々に熱を帯びるように続けられる




「お前を傷付けた分が足りなければ償いだってする!俺は真剣だ……だから」




リドウは跪いて、私の手を握った






「俺と―――――もう一度、恋人としてやり直してくれないか?」






そして……決定的な復縁を求める愛の告白を私に全力で投げてきた



リドウが私と……やり直したい?


ただただ唖然とその様子を見ながら、彼の言葉を頭の中で繰り返した

たしかに…リドウがそんな事を言うなんて、絶対何か裏がある

けど、いつものリドウの事や最初に告白してきた時を思い出すと、彼は場所やプレゼントそしてサプライズまでも用意してムードを作ってから堂々と告白するタイプなはず……

それが、こんなに不器用で不恰好で……だけど真っ直ぐな告白をするなんて



言葉の熱が移ったように胸の奥が熱くなる



印象の悪い出会いから言い争いしながらの仕事。そして利用するための交際と仕返しの後に互いに借りを返した………ざっと見れば酷いものだが、なんだか悪友や腐れ縁みたいなものを感じてしまう

そう感じていたから、今リドウと仕事をしても全然苦じゃないって思っていたのに………



やっぱり今でも私はリドウが気になっていたんだなって。悔しいけど、その気持ちを認めるしかない



だから……



熱に包まれた胸のドキドキと鳴り出す心音に負けないように……



言わないと































「…………ずるいです!」

「………は?」




私も自分の気持ちを思いっきりぶつけてやった



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