やってきたのは厄介事だけ?




「おはようございます」




翌日、いつも通りに出勤


だけど出勤して早々にリドウを探す

何か仕事で手伝える事が無いか?と聞くついでに、昨日のあの……抱き締めてきた理由を


いや、理由を聞く程のものじゃ無いし、聞いてもあやふやに答えられるかもしれないけど…

なんだか、知りたいって思った


だって彼はユリウス室長と共に人気のあるエージェントでファンがすごく多い


ある日は会社の入り口で出待ちされ

またある日は住んでいる場所の近くでサインを求められ

またまたある日は街中で記念撮影を申し込まれ……


……って、ファンに囲まれる日が多い


なんかエージェントと言えども、分類的には会社員なのにまるでアイドル……ジャ○ーズですか?

あ、でも会社員なのにアイドルみたいに写真集が出されている佐○急便の男性社員がいるな……


って、話がズレちゃったね

…そんな大人気のエージェントの2人はファンに対する接し方が違う

ユリウス室長はサインとかは幾らかしているが、それ以上はしない

対してリドウは、サインからデートまでOKしているチャラい奴

もう押し掛けてくるファンをホテルや家にお持ち帰りしてても、おかしくないって思う

私に対しては仕事とは言え、いつもムカつく事や嫌味ばっかりで八つ当たりもする最悪上司。その彼が私を心配(?)して食事に誘ってあんな事をするなんて…


……あ、もしかして!




「(もしかしたら、生意気な部下の私をからかってるつもり…!?)」




そうだ、リドウはいつも女性ファンにカッコいい!とかキャーキャー言われている

だから、全く違うタイプ……つまりムカつく事に言い返したり、カッコいいとかの誉め言葉を言わない私が珍しくてギャルゲーの如く惚れさせようとしているんだな!


そうに違いない!




「(よし、そうなれば聞いたら思わせ振りな事を言うから気をつけよう!)」




もうこの予想はブレないぞ!そうなればどんなことを言われても大丈夫だ!


……と、思っていたけど


いくら社内を見渡しても、リドウは見かけない

おかしい。あの赤くて派手で目立っててセンスが脱線しているスーツを見落とすはずはない


そう思っていると、近くに男性社員2人を発見

彼らに聞くことにした




「あの、すみません」

「あ、リルさんおはようございます」

「どうしたんですか?」

「リドウ副室長は出勤してますか?」

「いえ、まだ見かけていません」




そう聞いて、ある可能性が思い浮かんだ

あぁー無断欠勤かまたどっかに勝手にふらふら出かけたな…って

リドウは気分屋で、こうしてたまに会社に来ないで連絡がつかなくなる時がある




「参るよなぁ。俺も次の会議の発表に使う資料の数値の確認がしたかったが…」




あぅ…それを聞くと、リドウに代わって謝ってしまいそう…

全く、あの人は何をしているんだろう!

こんな風に部下やあたしを困らせて!




「まぁ、あの人は医療とも掛け持ちしているからな。そっち方面でも忙しいだろう」




あ、忘れていた…

そう言えばあの人はドクターエージェントだった

そうなれば、医者として何処かに訪問診察しに行ってんのかな?

そんな善良な人じゃ…

あ、待てよ。金が絡めば良い面になるな…

なんてリドウに対して色々予想してると




「にしても、あの人は気紛れすぎるし面倒な性格だよな……」

「っ!おい!」




男性社員の1人が、何故か私を見て何かを思い出したように慌てて会話を止めた

止められた方も何かに気づいて慌てて口を塞いで、私に「ご、ごめんなさい!」って謝ってきた

…もしかして、私がリドウにさっきの事を告げ口するんじゃないか?って思われているのかな?




「…別に副室長には話しませんよ?」




そう言うと、男性2人は安心したような表情になった




「だいたい、私はただの部下で、しかも新人ですから話したって信じてくれないと思いますよ?」




更に安心させるために自虐ネタを言うと

男性2人は「え…?」と言うような不思議そうな表情をした




「?、どうしたんですか?」




あれ?私、何か変な事言ったのかな?

2人は顔を見合わせて、なんか何とも言えない表情だったけど私の黙って見る視線にハッと気付いて




「あっ!いえ…」

「では、僕達はこれで…」




そう言うと、2人はさっさとエレベーターに行った




「何だったんだろ?」




なんかそういうのも気になってしまうが、とりあえず今はリドウに真意を聞くことの方が大きかった

けど肝心のリドウもいないし、今日は諦めて普通に仕事をしよう…





と思ったその時、ある人から声をかけられた




「あの…」

「?」




そこにいたのは、私服を着た女性

一般の人かな?ここは結構広い範囲で一般人の立ち入りが許可されているからなぁ

けど、私に何の用だろう?って思っていると、女性が私に聞いてきた




「リドウ…いますか?」

「リドウ副室長?」




そう聞いた時、あぁこの人はリドウのファンだってわかった




「副室長は会社には居りません。いつ戻られるかも、わかりませんが…」

「そうですか。わかりました」




そこまで言うと女性は「失礼しました」と言って帰っていった


…リドウに何の用だったんだろ?

サインとかじゃなさそうかも

だって、いないって言ったら、あんまり残念そうな顔していなかったような気がした

ま、私の気のせいだと思うけど…


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