やってきたのは厄介事だけ?




しばらく慣れないデスクワークをしてたら、もう昼になった

パン屋に行って何か買おうと会社を出ると


さっきリドウの事を聞いてきた女性が数人の女性と何か話しているのが見えた

私は“諦めずにリドウを待っているのかな?”って思ってその場を通り過ぎようとしたら、話し声が聞こえてくる




「……でね、その人をよく見たら大して美人じゃない女だったの!いや、女ってよりも女の子?身長小さくて子供かと思った」

「えー!そんな人がリドウと?ありえなーい!」




…ん?美人じゃない女?子供?

そんな人がリドウと?


なんだか気になる単語が出てきたから、思わず近くの木に隠れて盗み聞きする

すると…




「ちょっと前に突然現われたよね。あの青い服の女!エージェントらしいけど…」

「え?まさかリドウってそっち系?」

「そんなわけないじゃん!」




ここまで聞いて確信した


彼女達が噂をしている“青い服の女”で“エージェント”って……


私?そうなれば、つまり…




「(美人じゃなく子供みたいな奴……?言ってくれんじゃねぇーか!!そう言ってるアンタ達こそ、あたしよりも良いトコあるって自信が何処から湧いてくるんだよ!?)」




たしかに好きな有名人の近くに仕事でとは言え女がいると「もしかして恋愛感情が?」みたいな嫉妬とか妬みから噂はあるって知っていたし、される覚悟はしていたはずだけど……

いざ聞くと腹立つ!お前らはあたしの何を知ってるんだ!!ってそう言って乱入しようとしたけど、事態がややこしくなるしクラン社のエージェントが一般人とトラブルになったってなればかなり問題になる


少し悔しいけど、ここは落ち着こう……

一方で彼女達の会話はまだ続いた




「そうよ!リドウがあんな人に好意を持つはずはない!」

「私から見ても何も魅力は感じられなかった……なのに、リドウだけではなくユリウスとまで親しいらしいよ?」

「えぇ!?なにそれ!じゃあ本命はユリウス?」

「どっちにしろ、あの女は色んな男を引っ掛ける最低な女に違いないわ!」




……おいおいおい

どこからツッコミを入れたらいいのか、わからなくなったぞ

これだから嫌だねぇ〜ファンの……いや、女の嫉妬は。と言うべきか




「じゃあ、やっぱあの1番衝撃的な噂はユリウスとの噂と混合したって事かな?」

「いや、実はさっき、昨日リドウがその青い服の女と大通りのバーで食事してたって聞いた」

「「えーーー!?」」




うわっ!昨日のやつも!もう噂になるなんて……なんか知らない所で情報が行き交ってるの怖いな

そう思っていると1人がこう言い出した





「信じられない!やっぱあの2人が付き合っているって本当の事!?」





っ!!!?



な……





なにいいいいいいいいいぃぃぃぃ!!?




「はぁ!?違うし!!変な噂言うのやめてくれない!?」

「「っ!!?」」




私は思わず隠れていた所から飛び出して、そう大声で怒鳴りながら近付くと彼女達はすごく驚く


ヤバい!!つい、頭にきた勢いで……!


彼女達は唖然として私をじっと見るだけ

誰も何も言わないからすごく嫌な沈黙が流れる

なんだか冷や汗が出そうになりながらも、私はなんとか争いにならない程度に話そうとした




「あの……私はただのリドウの部下です。それ故に一緒の事が多く誤解を招いてしまいますが何も関係はございません。ですので……」




あぁ…頭がぐちゃぐちゃで何を言おうか思いつかない……

思わず、あんな奴のファンなんて良い事無いぞって言いたいけど、恐らくリドウをはじめ会社の人にも聞こえるから、なるべく誹謗中傷しない事を…


ええっと、ですので……ですので……


です…ので……




「……私の事は嫌いになっても、リドウ副室長の事は嫌いにならないでください!」




………………


うわーーー!!思わず出た言葉が、まるで某アイドルのモノマネ風になってしまった!!


それに




「「………」」




リドウのファン達は、まだ唖然としたままだったし、なんだか「は?」みたいな冷たい反応みたいだ

ウケ狙ったつもりは無いが、スベったな……

ス…スベリ・ゲット?


……なんて思ったけど、今はそれどころじゃなーーーい!!

えっと、他に言うことは…




「あの、その…とりあえず、あまり確信のない話をするのはやめてください。名誉毀損になりますので……」




ここまで言うけど、次の言葉が思いつかない!

もう、この辺で「では、失礼します!」って行って逃げるように駆け足で会社に戻った

ああ……私、すごく情けないし説得力なかったなぁ……次はもうこうした心無い噂でも首を突っ込まないようにしよう

























「(あぁー…やっちまった…)」




夢中で走ったら、会社にUターンしてしまった……

お昼ご飯は買い損なったし、何よりリドウのファン達の前に現れてしまったから、あぁ言ったけど自分はもっと風当たりが強くなるなって思った

後悔先に立たず…だね

それにこれでわかった。あの男性社員達が私の前でリドウの陰口を言って慌てた理由が。恐らくそのファン達がしていた噂を聞いたんだろう

けど、私は別にリドウの事なんて……

そう思っていると、昨日の事を思い出した




「(ったく、何でリドウの事であたしが…)」




リドウが居れば、あんな変な噂に対してなんとか言ってくれるようにお願いするのに…

あ、でも、あの人の事だから面白がって噂を肯定するような思わせ振り発言するかも。って可能性が出てきたからやっぱリドウを頼るのはやめようって思った


とりあえず、ここで息切れしても時間は待ってくれない。仕方ないから食堂で食べよう

私は疲れた感じに歩きながら食堂へ行った


[TOP]